上野2

 上野といえば、私は子どものころからとてもなじみのある場所です。私の出身幼稚園と小学校は上野と同じ台東区にあったので、幼稚園の遠足は上野動物園でしたし、小学校絵画展などは東京都美術館でやりましたし、中学校のときには、みんなで本物のミイラを怖いもの見たさで上野国立博物館に行きましたし、成人式は、招待されて東京文化会館で行いました。昨年度の園のお別れ遠足は、やはり上野の国立科学博物館でした。
 それぞれの場所には、それぞれのインパクトのある思い出が重なっています。
 上野動物園には、第二次世界大戦前の1935年にタイから寄贈された象の「花子」がいました。この花子は、戦争中の1943年、逃走したら危険と云う理由で餓死させられ、「かわいそうなぞう」という絵本にもなっています。その後、上野動物園には、象がいなくなってしまいましたが、戦後(1949年)、地元である台東区の子供たち(「台東区子供議会」)の象が見たいと云う願いが、連合軍占領下の日本における大人たちを動かして、インドのネール首相から贈られたメスの象が「インディラ」です。その骨格標本は国立科学博物館に展示されています。また、この動物園は、パンダが来て大騒ぎになったことでも有名ですね。
 また、東京国立博物館は、国宝87件、重要文化財610件を含む収蔵品の総数は11万件を超えています。ここは、1872年に創設された、日本最古の博物館です。ここでは、現在「国宝 薬師寺展」を開催しているように、所蔵も国宝が多いということもあり、なんだか日本の昔の美術品が多いようなイメージですが、この場所が有名になったのは、1974年に開催された「モナ・リザ展」でしょう。入場者数は、2ヶ月間で150万人以上にもなりました。昨年は、この作者ダ・ヴィンチのもうひとつの有名な絵画の「受胎告知」が、特別展「レオナルド・ダ・ヴィンチ — 天才の実像」ということで公開されています。
 美術展覧会といえば、もうひとつ有名なところが国立西洋美術館です。
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 ここの館外の庭には、オーギュスト・ロダンの「考える人」「地獄門」「カレーの市民」やエミール=アントワーヌ・ブールデル「弓をひくヘラクレス」などの彫刻が並べられ、いつでも見ることができます。また、この美術館の本館の設計は、近代建築の四大巨匠の一人であるル・コルビュジエの設計で、彼の作品は、日本国内ではこの建物しかなく、今年の1月に、世界遺産候補としてユネスコに推薦することが正式に決定されています。ここでは、所蔵だけでも有名な作品が多いのですが、展覧会でも有名なものがあります。特に記憶に残っているものは、1964年の「ミロのビーナス特別公開」です。ほぼ一月間でしたが、 この1点だけを見に来た人は、80万人以上でした。
 本館の実施設や監理に協力し、新館を設計したコルビュジエの弟子である前川國男は、この国立西洋美術館のまん前に立つ東京文化会館も設計しました。
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  この建物は、前川國男の代表作で、開館した1961年には日本建築学会賞作品賞を受賞しています。最近はほかにもっと音響のよいコンサートホールがたくさんありますが、本格的なクラシック音楽のホールとしては日本最初のものといえます。現在でも、東京都交響楽団が本拠地としているホールでもあります。
 繁華街とは、都市中心部でデパートや専門店、飲食店が立ち並ぶエリアのことを言いますが、上野は、美術館、博物館が並んでいるエリアとも言えそうです。

上野2” への4件のコメント

  1.  上野動物園には私が幼稚園の頃に行った覚えがあります。はきりとは覚えていませんがパンダの光景が微かに脳裏に残っています。その時が初めての東京観光だったので色々なもの、全てに感動していました。新幹線や飛行機、東京ドームなど、見るもの全てに興奮していました。
     私の地方でも繁華街のイメージはどうも、人がとても多くデパート、ビルがあるのが繁華街のような気がしますが、上野のように美術館、博物館、公園に遊びにいく人が集まる場所も繁華街というのですね。繁華街とは都市中心部でデパートや専門店、飲食店が立ち並ぶエリアとも限定されなくなってくる気がしました。

  2. 街のイメージというものは、その人の年齢や育ってきた環境で随分違いますね。私にとって「上野」といえば、やっぱり上野駅の印象が強いですね。「ふるさとの 訛り懐かし停車場に そを懐かしみ 人ごみに聞く」と上野駅を歌ったのは石川啄木ですし、井沢八郎の「ああ上野駅」はなぜか私のカラオケの持ち歌です。私は東北人ではありませんが、地方の人間にとって、東京に出て行って初めてみた景色というのは生涯忘れないものだと思います。「ああ上野駅」を歌っていると、地方人の東京での苦労と精一杯の心意気になぜか涙が出てきそうになります。

  3. かれこれ40年前、初めて訪れた東京の場所が「上野」でした。父の運転する車ではるばるやって来たのでした。目的地は無論「上野動物園」。その後修学旅行や大学受験、その他諸々のことがあるたびに上野の駅に降り立ちました。大学生時代はクラッシクの仲間と「東京文化会館」に繁く足を運びました。絵画を鑑賞するきっかけを頂戴してからは「東京都美術館」「国立西洋美術館」によく行くようになっています。今日のブログでも紹介された「受胎告知」(東京国立博物館)は私も拝見しました。そして東京国立博物館発行のメルマガの購読者にもなりました。不忍池の周りを散策するのも一興。下町民俗博物館や横山大観記念館などもあります。東京藝術大学美術館も楽しいですね。そうそう、今度息子に連れられて国立科学博物館に行く予定です。

  4. 繁華街のイメージとは少し違いますが、多くの人が集まる場所と考えると美術館や博物館が集中しているところも繁華街なのかもしれませんね。東京というところは多くの繁華街があって、それぞれに特徴をもっていると思います。それをひとつずつ丁寧に取り上げていくと、特徴がよく見えてきます。繁華街という言葉とは縁遠いところに住んでいると、繁華街に妙な憧れがあったりするのでつい自分の町と比べてしまいますが、比べるのではなくじっくりその町を眺めてみると、その町の顔がよく見えてくるのかもしれないと思いました。

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