麻布中学の入試問題は、私からするともっと難しく思います。というのは、いわゆる三択といわれるような、「答えを次の中から選びなさい。」という問題は一切なく、すべて「説明しなさい。」とか、「君の考えを書きなさい。」という設問になっています。さすが、御三家といわれるだけあって、これからの子どもに必要な力を試そうとします。かなり前になりますが、石原都知事の出身校でもある天下の国立大学の一橋大学での集団カンニング事件のことをブログで書きましたが、これは、答えを集団でメールのやり取りで教えあったことがありました。このときに、一流校と呼ばれる大学の学生にしてはなさけないという批判が多かったのですが、私は、大学生にもなって、携帯メールで教えあえるような問題を出すほうがおかしいと思いました。逆に、携帯電話を使おうが、パソコンを使おうが、それは世の中に出て使えるものですから、かまわず使ってもらって、それによって、「自分はどう思うか。」「自分ではどうしようとするのか。」というようなことを自分の言葉で説明するように問うべきだと思います。
ちなみに、一昨日の問題の答えは、「問1は「外食」。独身を中心に、時間がない、面倒であるなどの理由から、自分で料理をせずに外食が多くなる傾向がある。問2は、孤食がエ、個食がイ。家族が別々の時間に食べることが「孤食」、同じ食卓を囲んでも、一人ひとりが好きなものを別々に食べることが「個食」とされている。」
昨日の答えは、「問1、武士の身分を示すものが米で表示された。(貨幣としての役割を担っていた。)いわゆる何万石というものですね。問4は、企業で加工した食品に含まれる成分は、消費者にはわからないため、表示を義務付けることで安全性や購入する判断が確保できる」というものです。
これが、麻布中学の問題になるとさすがです。こんな問題が並びます。
問、第二次世界大戦後の日本農業の変化には、政府の農業政策も深く関係しています。戦後の農業政策について、知っていることを挙げなさい。
問、最近の数十年間で私たちの食生活がどのように変化したのかを説明しなさい。
問、食料自給率が低下している理由を説明しなさい。
問、今後日本の農業が衰退してゆくと、どのような問題が起こると思いますか。君の考えを書きなさい。
こんな問題が続きます。このような問題を解けるようにするのには、どのようなことをすればいいのでしょうか。このような問題は、何かを覚えればできるものでもありませんし、訓練すればできるようになるものでもありません。ニュースを普段からよく見て、それについて考えたり、親子でそれについて会話をしたりする必要があるでしょう。私は、そういう意味では、この問題はとてもいい問題だと思います。しかも、これらを読み解く力や、資料から考える力を持つこともいいことだと思います。しかし、その力が小学生にとって必要なものなのでしょうか。学校から帰ると新聞を丹念に読み、テレビはニュース解説を見て、それについて親子で会話する姿が小学生として理想の姿なのでしょうか。人として必要な力は何かを考える前に、その年齢において必要な力とは何かを考える必要があるような気がします。それが、大人になったときに、大人にとって必要な力を身につけることができるようになる気がするのですが。
「説明をしなさい」「考えを書きなさい」という問題は難しいですね。私自身、考えるというよりも答えを暗記する方だったので、自分で答えを導き出すような事は不得意でした。いかに日頃からどれだけ物事に対して考えているかが問われますね。かと言って先生が言われるように小学生が経済新聞を読んで、ニュースしか見なかったら逆におかしいですね。なので年齢に応じた必要な能力というものを大人考えてあげる必要がありますね。個人的には子どもはたくさん友達と遊んで、遊びを通して色々な経験をして、その中で考える力などが培われていくと思います。
その年齢において何が必要かを考えることは大切ですね。どんなことも一つひとつ、いきなり力はつきません。時間はかかっても、段階を一つひとつ踏んでいくことの大切さを再確認させてもらいました。
それにしても難しい問題です。「今後日本の農業が衰退してゆくと…」という問いは、食の問題だけでなく、日本の文化の衰退にまで及ぶ内容だと思います。小学生にこの問題?ということは別として、私たち大人が無関心でいてはいけない問題です。
かつて学習塾で自ら講師をやったり、あるいは「先生」を雇って経営したり、そうしたことがありましたので、実は「説明をしなさい」「考えを書きなさい」式問題に関しては、「教える側」があまり得意な問題ではなかった、ということに思い当たりました。かれこれ10年以上前のことですから、むしろ「暗記」して「点を取れる」問題の解き方に力点が置かれていたような・・・。昨日のブログのコメントとも関連しますが、紹介されていた麻布中学の問題に答えるには、本当の意味での「考える力」とその考えを「簡潔に纏め文章に表現する力」が要求されます。当該中学入試問題について言えば、一部のスーパー小学生が対象でしょうから、そのこと自体はさほど問題ではないと思いますが、少なくとも「説明をしなさい」「考えを書きなさい」式の問題が普段の学習現場の中でも課され、そのために子どもたちが調べたり学んだりすることはとても重要なことだと思います。そしてそのことを可能にするため、家庭がどれだけ「説明をしなさい」「考えを書きなさい」対応環境を持つか、が問われてくるような気がします。