企業の求める力1

 昨日は、各国が定めている、また取り組んでいる教育目標を見てみました。しかし、国が思っている人材養成が、果たして将来の生きる上での本当の知恵になるのでしょうか。例えば、今回代表的に言われているのが「台形の面積」があります。これは以前のブログでも書きましたが、この台形の面積の出し方「(上底+下底)×高さ÷2」を子どもに教え、覚えさせることがどれだけの基礎学力の向上につながるのでしょうか。その公式など、学校時代以外で使われることはありません。こんなものは、長方形の面積の出し方を知っているだけで、自ら考える力がありさえすれば導き出せるのです。ですから、公式を覚えさせるよりも、自ら導き出す力をつけたほうがいいと思うのですが。
 実際に役に立つ学びの種は、様々なところにあります。それを見つけ、それに水をやり育てていく力をつけるべきです。3月9日読売新聞のコラム編集手帳にこんなことが書いてありました。
「先の世界卓球で活躍した平野早矢香選手は、日々の練習に励むだけではなく、古武術家の甲野善紀さんや、麻雀を通した独特の人生哲学で知られる桜井章一さんを訪ね、体の使い方や心構えについて教えを請うてきた◆甲野さんや桜井さんの考えは、学校教育の枠内では学ぶことができない世界だ。幕末期、志士たちは武者修行のために諸国を歩いた。評判の高い学者のもとを訪ねて入門を願った。自藩の学校に通うだけでは進歩がないと思ったからだ◆大嶋さん(監督)は「感じる能力」とか「感性」という言い方をする。それが相手の動きを素早く察知する力になる。異なる分野で活躍する人の知恵を借りるのも、そのためだ。監督に度量の広さがなければ難しい◆卓球は中国が圧倒的に強い。その鉄壁を崩す日が来てほしいが、そのためには、一般の人とは違う才能に加え、何か特別の要素が必要なのだろう。」
 人生を送る上で、本当に必要な力は、決して学校だけでは得られるものではないようです。また、人生を送る上だけでなく、企業に就職しようとするときには、どんな力が要求されるのでしょうか。最近、英語熱が高まっていますが、企業では語学力をどのくらい必要としているのでしょうか。
 読売新聞社が主要企業100社対象の2006年春の新卒者採用予定状況調査による「新卒採用で重視する点」のアンケートを実施しました。
その結果、重視する点として「コミュニケーション能力」は78社、「人柄」は70社、「仕事への熱意」は66社、「業界の理解度」は5社、「大学の学部・専攻」は、5社、「大学の成績」は2社、「社会経験」は2社、なんと「語学力」は1社、「資格」を必要とする企業は、0社でした。
経営者は入社式で、新入社員に贈った様々なメッセージではある傾向があります。それは、人間関係が重視されてきています。「人間に深い愛着をもち、直接ふれあう機会をたくさん持つことで、人間について勉強し、人間通になってほしい」(東京電力の勝俣恒久社長)、「フェース・トゥ・フェース(対面)で話し合うことも大事だ。Eメールのやりとりだけでは伝わらないことがある」(日本板硝子の藤本勝司社長)、「世代や組織の枠を超えたコミュニケーションを大切にして欲しい」(三菱商事・小島順彦社長)など他の経営者も、コミュニケーションの重要性を訴える内容が目立っています。
どうも、企業で求める力は、学校で習って身に付くような力ではないようです。

企業の求める力1” への6件のコメント

  1.  台形の面積の出し方の公式を見たのは本当に何年ぶりかです。やはり、それくらい使わないのですね。それに長方形の出し方を知っていれば、出すことが出来ます。要は、基本をしっかり理解する事ができれば、後は考える力があれば自然と解けるようになりますね。
     企業が採用で一番重視する点は「コミュニケーション能力」なんですね。これからの時代は人と人との関係が大事であり。その中でしかっりと自分を出していく必要があるのだなと思いました。そう考えると、私達の仕事というのは、とても大事であり、子ども達によりたくさんんの人との関係を作ってあげるように援助してあげる必要があると思います。

  2. 確かに今時の会社は即戦(スピード)力を求めています。しかし何も知らない新入社員に即戦力は期待できないので仕事に興味をもつ力(先輩に色々聞く力など)が必要となるとやはりコミュニケーション能力は必要不可欠ですね。
    コミュニケーション能力だけは書く、覚えるだけの勉強ではカバーできない部分なので、今までにどのくらいの人と接してきたが大きさ、になるんですかねぇ

  3. 企業が新卒者に求める能力の一番がコミュニケーション能力というのはうなずけます。日経新聞社の調査によると、今時の新入社員の困った行為ランキング第1位が「挨拶がきちんとできない」具体的には自分からは挨拶しない、偉い人しか挨拶しない。第2位が「メモを取らず、同じことを何度も聞く」3位が「敬語が使えない」上司に最初からタメ口で接したり、社外の人と話している時に社内の人をさん付けで呼ぶなど、人付き合いの常識が身についていない若者が増えているといわれています。こういう事は、学校の授業を受けて身に付くものではありません。幼児期からの家庭や地域や園での大人との関係、子ども同士の関係、遊びを通じた様々な経験から少しずつ体得するものでしょうね。日本の学校教育が幼児期からの育ちを軽視してきたつけが、今、社会のいろんなところに吹き出てきているような気がしてなりません。

  4. おもしろいですねぇ「企業で求める力は、学校で習って身に付くような力ではないようです」と。そうすると今、学校で学習し習得することは結局中学高校大学へ入る為の試験用、ということになりそうです。本当はそうではない、と思いますが・・・。私自身は「知る」ということが大好きなので学校の学習はさほど嫌いではありませんでした。今日のブログの冒頭には「台形の面積を求める」ことに触れられていましたが、そのことが入試に役立つとか社会に出てから通用するとかではなく、純粋に「台形の面積」を求めることに頭を使うと何だか楽しくなります。おそらくそうして得た知識がさまざまに応用されて新たな発見やら突拍子もない発想に結びつくような気がします。ところで「コミュニケーション能力」が日本企業が求める社員の能力のようですが、これに加えて「論理的思考」も社員能力には必要不可欠だと思いました。

  5. toshi0205さんも言われてますが「論理的思考力」「ロジカルシンキング」「問題解決能力」も重要ですね。最近は問題ばかりあげて、それをどうしたいと言う解決手段を言わない後輩がたくさんいるのも事実です。

  6. 自己主張をすることと相手の思いに耳を傾けることをしながらその場で求められる意思の疎通を図ることは、今のよくある学校の勉強では難しいでしょうね。でも企業が求める能力が変わってきていることに、いずれは対応せざるを得なくなると思うのですが、そんなに簡単な話ではないんでしょうか。これだけのデータが揃っていながら変わらないとしたら不思議なことです。さすがに「コミュニケーションの授業」なんてものが登場したりはしないでしょうね。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

*

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong> <img localsrc="" alt="">