職場検診2

検診の中で中高年になるときになる数値に「中性脂肪」(TG) があります。中性脂肪とは、エネルギーとして消費される脂肪ですが、多くなると皮下や肝臓に蓄えられ、肥満、脂肪肝、すい炎の原因になることがあるといわれています。健康診断書の中では、TGの数値としてあらわされ、基準値が50?149mg/dlです。この中性脂肪が高い場合を2007年7月に高脂血症といっていたのを脂質異常症(高TG血症)というように改名されました。
高TG血症は、血液中に含まれる脂質が過剰、もしくは不足している状態を指しますが、高コレステロールと合併していると、動脈硬化をより促進すると言われています。このような場合は、ウォーキングにより改善するようです。それは、高TG血症では、歩行不足により蓄積した内臓脂肪より遊離脂肪酸が分泌され肝臓に流入し、TGとして蓄えられ、さらに血液中のTGも増加します。ウォーキングを継続すると内臓脂肪が減少し、肝臓に蓄えられたTGも徐々に分解され、高TG血症も改善します。この変化はかなり早く表れ、ウォーキングを始めて1月もすると見られるようです。ですから、TGの減少はメタボリックシンドロームの改善傾向のよい指標となるようです。
最近、中高年ではメタボリックシンドロームをはじめとする、医学的な不具合が取りざたされています。単純に胴回りだけでは判断できませんが、メタボリックシンドロームの進展によって引き起こされる脳卒中や心筋梗塞の予防が叫ばれています。医学博士で、日本ウォーキング協会副会長、ウォーキング医科学研究所所長である泉嗣彦さんが、あるネットの中でウォーキングの効用から、それを勧めています。
 まず、ウォーキングで大切なことは、「自分に合ったウオーキングスタイルを身に付け、体力と気分・体調に合わせ、歩く時間、速さ、距離、楽しみ方などを調節しながら長続きさせること」といいます。二つ目は「体力増進」と言っています。これは、「若年者では速歩の練習で心肺機能、筋持久力を増強できますし、高齢者ではプラス千歩より徐々に歩数を増やし、体力をつけて衰弱を防ぎ、転倒・骨折を予防することになる。」と言います。心肺能力、筋力、筋持久力およびバランス能力などが改善すると、好みの運動や余暇活動も楽しめます。そして、三つ目は「こころの健康」と言います。「ウォーキングにより身体が変わるとこころも変わります。よい歩き方ができると、速く長く歩け、歩いた後の心地よい充実感・達成感・満足感が得られます。毎日の散歩やイベント参加、更に楽しみを求めて活動範囲が拡がると、歩くこと、出かけることが生きがいにもつながります。」
四つ目の効果として、「五感が鋭くなり、単調な日常生活の中のわずかなよい変化にも気づくようになります。気分も改善、ストレスも解消して、明るく、積極的になり、好奇心も旺盛になります。認知症予防にも効果があります。」最後は、「社会的な効果です。高齢になると人と交わるのもおっくうになります。でも、散歩では見知らぬ同士がいつの間にか声をかけあう仲間になります。」
このウォーキングは、何も取り立てなくても人間は毎日歩いています。人は、自然と自ら様々な病気の予防を行っているのです。病気は、人としての自然な生き方をしなくなることによって引き起こされることが多いのかもしれません。