生活の質

先週の日曜日、強風の中、渦の道を歩いてきました。ここは、徳島県鳴門市の鳴門海峡に位置する観光地で、大鳴門橋の橋桁に設置された遊歩道から、渦潮を見下ろすことができます。渦潮とは、潮の干満の差の激しい狭い海峡で発生する海水が渦を巻きながら激しく流れる現象です。
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直接関係はありませんが、連想として、小説家・林芙美子が発表した小説「うず潮」を思い出しました。この小説や林の人生を題材にした映画作品やNHKの連続テレビ小説「うず潮」がありましたね。このドラマは、初めての無名新人の林美智子を主役にしたことで有名です。1964年に放送されたNHKの連続テレビ小説の第4作で、少女期の貧しい生活にもへこたれず、明るく生きていくヒロインの生涯を描いていました。
この原作者林芙美子のほかの作品に、「放浪記」があります。先日、新聞記事に「日本を代表する女優の森光子(87)が金字塔を打ち立てた。」ということで、東京・日比谷のシアタークリエで上演中の代表作「放浪記」が先日23日に、上演1900回を達成したというものです。1961年の初演以来47年、よくがんばったものです。長い間というだけでなく、現在87歳になっても、あのハードな演技を続けているのですからたいしたものです。今回の東京公演から、あの有名なシーンである「でんぐり返し」は、やらないらしいですが、花粉症に悩まされる中で、3月末までの3カ月公演を続けています。
 「風邪をひかないこと、転ばないことを心掛けています。年齢にケンカできるものではありませんから」と高齢であることを冷静に自覚した言葉も話しています。
高齢でがんばっているといえば、1911年(明治44年)生まれの聖路加国際病院名誉院長・同理事長で医師である日野原 重明がいます。
この日野原さんが主宰している「新老人の会」の会員である松原さんが、新聞に「若々しい老い」について、投稿をしていました。この会の登録者から得た調査票では、老人のQOL(生活の質)の高さには、「気力」が「体力」にもまして影響力が大きいこと、「体力」には睡眠、運動、食事のとり方、病気の有無などが影響していることが明らかになっています。そのほか、趣味、けいこやボランティア活動など日常生活のあり方が「気力」に大きな影響を与えているという結果も出ています。
 森さんと日野原さんの二人を見ていると、まさに、老人のQOL(生活の質)は、気力にあるという気がします。QOLとは、「Quality of Life」のことです。健康に問題ない方は、体のどこにも異常はなく、普通の生活をしている。これをQOLが良いと言います。しかし、体の調子が悪く、病気になると、頭や体が痛んで、仕事や勉強、運動などをする気になれず、寝込んでしまうことが多く、このように日常の生活を送れない状態をQOLが悪いと言います。昔はこういう苦痛があるときには、草を煎じて飲んで楽になろうとしました。これが「薬」です。しかし、最近は、この生活の質は薬でよくなるのではなく、食欲の改善、体重の維持、睡眠、適度な運動、そして、何よりも生きる意欲、気力が大事だということがわかってきたのです。
 日本の子どもの意欲がなくなってきていることが心配です。

生活の質” への5件のコメント

  1. 老人のQOLで思い出しましたが、土曜日の早朝、NHKのBSで「100歳万歳」という番組をやっていて、以前、若い頃あの山田耕作に師事したという100歳の女性を紹介していました。いまでもかくしゃくとして後輩に「からたちの花」のレッスンしていましたが、老いてもこんなに生き生きと毎日を過ごすことができれば本当に幸せですね。心身ともに健康で、生活に支障のないだけの貯えがあって、周りの人に少しでも喜んでもらえることができること、それが私の人生の総決算の時期である老年期の夢です。「Quality of Life」は「人生の質」とも訳せますね。

  2. 以前のブログでも意欲と健康の関係について書かれていて、子どもたちの意欲について考えるようになりました。森光子さんにしても日野原重明さんにしても、気力や意欲の大切さを活動を通して教えてくれているように思います。しっかり受け止めなければいけないですね。
    QOLという言葉は、単に物質的・経済的な生活の質という意味だと思っていたのですが、医療の世界で主に使われ少し意味が違っていたことを知りました。しかもその意味について議論が多く行われているように深い言葉だったんですね。今回もいい勉強をさせてもらいました。

  3. 先日、某大学へ行く機会があり、その道すがら「林芙美子記念館」の前を通りました。私が住んでいるところから電車で一駅です。いつか必ず訪れてみたいと思っていたところでした。また日野原重明医師がNHK-Eの「N響アワー」に出演していました。97歳とは思えない矍鑠ぶり。私も90代まで生きたい、と思っているので、医師の生き様は参考になるかもしれません。聞くところによると、日野原医師のスケジュールは向こう何年か先まで埋まっているとか・・・。私が忙しい忙しい、と言っても、「向こう何年か先」まではスケジュールが埋まってしまう、ということはありません。QOLが高いか低いか・・・どうやらこのことが寿命が延びるか縮まるか、に大いに関わっていることが今日のブログからも読み取れます。Quality of Life!とても大切なことですね。

  4. 渦潮を見下ろす…この写真からでは高さはあまり想像できませんが、きっと高い所なのでしょうね。しかし、ちょっと立って見たい気もしますが、きっと腰が引けてしまうのだろうなと思います。高所恐怖症の人は「落ちてしまう」ことをついつい考えてしまうんですよね。まず、落ちないんですから、あまりそんなことは考えない方がいいですよね。でも、高いのは怖いです。森さんは少し前に亡くなってしまいましたが、それでもいくつになってもお元気だった印象があります。日野原先生もまたそうですね。まだまだお元気でおられる姿を見るとこちらまで元気をいただけるような思いになります。気力が健康には大切になってくるのですね。生きる意欲、気力。せっかく生きているのですから毎日を楽しむように、誰かと一緒にわいわいと過ごしていきたいですね。そのような生活が気力をまた高めてくれるのかもしれませんね。一度しかない人生、あまりくよくよしてはいけませんね。

  5. 「若々しい老い」というキーワードが挙っていました。「風邪をひかないこと、転ばないことを心掛けています。年齢にケンカできるものではありませんから」という、森さんの言葉にもあったように、老いというものに縛られたり、反対にそれを無視するのではなく、それらを自覚した生活環境を日頃から整えていく事が、健康への道筋であることを感じました。生活の質とは、今何をしたとか、これをしようと思っていることではなく、過去からの積み重ねそのものである気がしました。そして、「何よりも生きる意欲、気力が大事」ということで、乳幼児期から、高齢時の「QOL(生活の質)」が始まっているように感じました。

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