古くて新しい2

 「古くて新しい」(OLDNEW)といえば、こんなキャッチコピーを彦根で見かけます。
「城下町の伝統を継承した格子窓、袖壁、白壁、軒庇が続く町並み……古くて新しいOLDNEW TOWNが「夢京橋キャッスルロード」です。」
このまちづくりの特徴は住民主導で行われ、歴史と伝統を今に活かし、建物の形態と色彩を新しい時代にマッチした城下町づくりをしたところです。この夢京橋キャッスルロードがある彦根市本町は、慶長8年(1603年)彦根城築城とともに城下町の町割りがこの本町から始められたという歴史ある町でした。しかし、歴史は単に過去のものとして郷愁だけで終わることが多く、世の中の近代化と効率化に取り残され、実際には住みにくく、人が訪れない町並みに変わっていきました。そこで、商店街は、天井部を覆うアーケードを備えたショッピングモールへと発展し、近代的なアーケード商店街が作られていったのです。これらは日光や天候から守られ、また多くの人々の徒歩での通行を惹きつけました。
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しかし、このアーケード街は、地元の生活用品を買うためであればとても便利なのですが、専門店が多いために、必要なものを買い揃えることはできず、車では行きにくいなど、次第にショッピングモールは大型化、郊外化していきました。それでも、地域の人には便利ですが、観光客を呼び込むことはできません。そこで、もう一度見直されたのが、道路幅6メートル、当時の風情を残している城下町ならではの道路でした。この通りの風情を壊すことなく伝統的な町並みを再生することにより、活性化を図ることになりました。
 歴史と伝統を活かした町づくりは住民主導で行われ、歴史的景観を大切にした古くて新しいまちづくりは、1999年にすべての整備を終えました。彦根城の堀端から京橋へ、石垣に遮られたどんつきを抜けると、まっすぐに通りが広がります。通りの愛称は「夢京橋キャッスルロード」と名づけられました。白壁と紅殻に煤を混ぜた黒格子、いぶし瓦、切妻屋根の傾斜を揃え、景観を大切に、暮らしの見え隠れする古くて新しい町が、OLDNEW TOWNです。ここには、様々な個性を持った商店が並び、買うためではなく、見て歩く楽しさを持った通りに変身しました。「商店街づくりは人づくりから」といわれるように、「自分たちの地域は自らの力で創り、次世代へ引き継ぐ」という住民主導での街づくりへの理解を得るには多くの時間を要したそうです。
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これに触発されたかのように、彦根の台所といわれていた市場商店街も生まれ変わりました。ここは、美味しい匂いの漂う商店街で、かつては生鮮食料品や惣菜の街として県下で最も賑わった時代もありましたが、勢いは昭和40年代をピークに衰え、空洞化が進んでいきました。
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その賑わいを取り戻そうと、大正ロマン漂うまち『四番町スクエア』として生まれ変わりました。まず、城下町彦根らしい名称だった「四番町」という旧町名を復活し、市場街のアーケードは撤去され、新しく大正時代の意匠を凝らした建物がポケットパークを中心として、いこいのある楽しい街をイメージしています。生鮮食料品や惣菜を商う、古き良き市場の気質を残しながら、今まで市場には無かった新しい業種の専門店もオープンしています。
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 何でも新しければよいという時代は終わり、昔をどう生かして進化させていくかということが、町づくりだけでなく、すべてに共通の課題となっていくことでしょう。

古くて新しい2” への4件のコメント

  1.  今日のブログは、「他にある大きな取り組み」が何なのか?楽しみにしていました。それは城下町の活性化だったのですね。私の地元にも中心街に今でもアーケードがあります。もちろん専門店が多いので日用品は買い物に行けないですし、車でも行きにくいです。状況は以前の彦根城の城下町と一緒です。もちろん客も郊外に出来た大型ショッピングセンターに流出しますし、専門店も大型ショッピングセンターの中で済ませる事が出来るので本当に空洞化しています。しかも、去年その中心街に大型の専門店のデパートがオープンしました。もちろん人がたくさん来ていましたが、その店だけに客が集中している状況です。私の目からはアーケード全体的な活性化をしているとは思えない感じです。
     結局、何でもかんでも新しく作っても全体的に改善しなければ意味がないのですね。またブログの最後の文章に書いてあるように「昔をどう生かして進化させていくかということ」がこれからの時代で一番重要なことだと思います。

  2. 昔をどう生かして進化させていくかという考えが大切なことが分かりました。こうして生まれ変わった町が他に与える影響は大きいんでしょうね。
    今私たちも変化・進化していこうとしている途中ですが、その方向が間違っていないかを検証するいい指標を与えてもらいました。そして変わっていくために意思や思いが必要なのも、この例から感じられます。諦めずに続けていくためにも、最初の思いは大切にしたいです。

  3. 以前当ブログで紹介された長野県小布施の「取り組み」に驚嘆しましたが、今回の滋賀県彦根の「取り組み」にも感動しました。「住民主導」というのがいいですねぇ。「街づくり」とか「町おこし」は、掛け声で終わるか、箱物を造ったり、表面を変えたりするだけで終わって、結局失敗というケースが多い、と思います。本当の「街づくり」や「町おこし」はより多くの住民の参加とより多くの時間と、もしかすると可能な限りのお金をかけて初めて成就されることなのかもしれません。そして何よりも大切なことは、この「街づくり」や「町おこし」を可能にする単数形あるいは複数形を問わない「触媒」の存在でしょう。「ヒーロー」や「カリスマ」の出現は「打ち上げ花火」で終わる可能性を多分に含みます。

  4. 私の住んでいる田舎町にも、今年の秋に大型SCが進出してきます。今年1年だけでも、この小さい県にあと3つ4つ大型SCがオープンするとか。雇用は生まれても、町おこしにはあまりつながらないでしょうね。やっぱり、彦根の商店街のように、住民主導で、よそからも観光客を呼び込めるような歴史的な景観を売り物にした商店街を作り上げていく努力が必要ですね。「にぎわい商店街」というサイトをみますと、全国には、川越の一番街商店街など元気な商店街がまだまだたくさんあります。街づくりには、景観のデザイン性と人と人の出会いを演出するデザイン性が必要な気がします。

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