初詣

 都内の地下鉄の駅に置いてある「メトロガイド」には、初詣特集が掲載されています。地下鉄沿線の神社仏閣が紹介されています。もう、そんな時期になったのですね。キリスト教でのクリスマスを祝ったあとに、今度は、初詣が待っています。みんなは、どこに初詣に行くのでしょうか。毎年、警視庁発表「○○年度 神社・仏閣人出予想」というのが出されます。毎年第1位は、「明治神宮」(東京)です。昨年の人出予想は、310万人でした。この明治神宮は、明治天皇と昭憲皇太后をお祭りしている神社です。ここが毎年1位なのは、この神社が、にぎやかな場所にあるのに、神聖な森に包まれ、とてもロマンチックな雰囲気があるということがあるでしょう。この森は、昔からの森ではなく、「落ち葉を掃いてはならん」というおふれを出して、たったの100年でまるで自然林のような森を回復させた世界1大きなビオトープとして世界的にも有名です。2位は、成田山新勝寺(千葉)で、275万人の人出予想がありました。ここは、平将門の平定のために、寛朝大僧正が、不動明王を奉じ、平定後にお堂を立てたのが始まりです。このようなところをお参りして、みんなは、何を願うのでしょうか。最近は、願いと関係なくお参りに行くのが一般的になっていますが、少なくともその神社が誰を祭っているのか、何にご利益があるのかを知っておいたほうがいいと思うのですが。一応、その名前で祭られている人、何にご利益があるのかが大体わかります。「神宮」という名前が着いているときには、天皇の祖先神が祀られています。ご利益は、「平和、国家安泰、家内安全など万事」であるといわれています。もし、「八幡」と着いている場合は、八幡神を御祭神としていて、ご利益は、「必勝祈願、安産祈願、厄除け、長寿」などです。また、「天満」と着く場合は、学問の神様・菅原道真が祀られています。ご利益は、「合格祈願、学業成就」などです。「稲荷」が着く場合は、「商業、農業」の神様です。「商売繁盛、豊作祈願」などです。そう思って3位以下を見てみると、3位伏見稲荷大社(京都)269万人、4位川崎大師(神奈川)262万人、5位熱田神宮(愛知)232万人、6位住吉大社(大阪)230万人、7位鶴岡八幡宮(神奈川)215万人、8位太宰府天満宮(福岡)200万人、9位浅草寺(東京)185万人、9位大宮氷川神社(埼玉)185万人となっています。どうもご利益というよりも、人出が人出を呼んでいるようですね。初詣は、初参りとも言い、年が明けてから初めて寺社(神社・寺院)や教会などに参拝し、一年の無事と平安を祈る行事ですが、元々は「年蘢り」(としこもり、としごもり)と言い、家長が祈願のために大晦日の夜から元日の朝にかけて氏神の社に蘢る習慣でした。やがて年蘢りは、大晦日の夜の「除夜詣」と元日の朝の「元日詣」との2つに分かれ、元日詣が今日の初詣の原形となったのです。現在でも、除夜に一度氏神に参拝して一旦家に帰り、元旦になって再び参拝するという地方があり、これを2年参りといいます。私の父は、毎年、高尾山に2年参りをしていました。初詣が習慣化したのはそれほど古い時代ではなく、従来は氏神またはその年の恵方の方角の社寺に詣でること(恵方詣り)が多かったようですが、最近はそんなことは関係なく、寺社へ参拝をし、社務所でお守り、破魔矢、風車、熊手などを買ったり、絵馬に願い事や目標を書いたり、おみくじを引いたりして、今年一年がよい年であるよう祈るようです。そんな祈り方は、いかにも日本人らしいですね。