一昨日は園内にクリスマスイルミネーションを飾りました。最近は、年々飾りが早くなっていますが、私の園では、クリスマスの飾りは12月1日が解禁日です。玄関には大きなツリーが飾られました。クリスマスツリーの習慣は、ドイツで始まりました。クリスマスツリーに使う木は、常緑樹と決まっています。代表的なものとしては「もみの木」で、歌にもなっています。
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しかし、他にも松、ヒイラギ、月桂樹、ヤドリギなども使われています。様々な木が使われますが、それらの木には共通点があります。それは、どれも常緑樹を使います。なぜかというと、緑の葉が永遠を表しているからなのです。そして、その緑の葉は、強い生命力がゆえと捉えられていて、そしてさらに、常緑樹は神やキリストの永遠の愛や永遠の命を象徴しているとされているからです。枯れることのない緑の木に、永遠の命をもたらすイエスのシンボルを見て、また、希望をもたらす色として緑を使うようになりました。また松も世界各国では、不老長寿、節操、多産の象徴として尊ばれて、クリスマスツリーとして使われるところが多いようです。日本でも、常緑樹の代表として松を使うことが多く、松は常緑木(ときわぎ)と呼ばれ、冬でも葉が落ちないことから、若さ、不老長寿の象徴とされ、 縁起の良いもの、おめでたいものとして門松などに使われたり、竹、梅と合わせて「松竹梅」としておめでたい樹とされています。また、日本の城にもよく植えられていますが、これは縁起が良いだけでなく、非常時に実や皮が食料になるため重宝されてきたためです。浜離宮には、江戸時代、六代将軍家宣が庭園を大改修したとき、その偉業をたたえて植えられたと伝わる東京都内最大の黒松「三百年の松」が、太い枝を低く張り出し、堂々たる姿を誇っています。
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能、狂言の舞台にも背景としても必ず描かれており(松羽目)、演目によって山の松や浜の松、庭の松などに見立てられます。また、羽衣伝説など様々な松に係わる伝説も多く、日本の文化を象徴する樹木ともなっています。ですから松とのかかわりはとても古く、「古事記」にも登場しています。焼くとしてはこんな歌です。「尾張の国に、まっすぐ向かっている、尾津の崎。そこに生えている一本松よ。ああ、お前は、一本松よ。よくぞ俺の大刀を守っていてくれたな。褒美に、お前が人だったなら、大刀を佩かせてやりたかったのに。服を着せてやりたかったのに。一本松よ、ああお前は。」山の神の悪気にやられて歩くことも困難になって、杖をつきながら、故郷の大和をめざしている途中に、行きがけに忘れてきた大刀が一本松のもとに残っていたのを見て、松が良くぞそのたちを守ってくれたと感謝の歌で、松にはそのような、守ってくれるような力があると古事記の時代からも感じていたのでしょう。その松の力は、常緑樹であるというだけではなく、朝鮮五葉松などから採取された松の実は、食用にも供されます。60%を超える脂質のほか微量元素も含まれ、独特の香りを持つことから健康食品、菓子等にも使用されているのです。また、フランス海岸松の樹皮から抽出されるポリフェノールを多く含むエキスは、サプリメントに利用されています。赤松などの若葉を洗浄して、砂糖水に漬け、葉に付着している細菌の作用で炭酸ガスを発生させて水中に溶け込ませて作る松葉サイダーという飲み物がありますし、紅茶のラプサンスーチョンは、タイワンアカマツなどの木材や樹皮でいぶして、独特の香りを付けて作られます。樹脂である松脂も香料として使うこともあり、フランスなどでは松の香りのする飴が作られています。クリスマスツリーから、松まで思いをはせるように、身の回りのことからいろいろなことを考えていく楽しみがありますね。