進化

 一昨年のブログで紹介しましたが、今年も「東京デザイナーズウィーク」に行ってきました。このイベントは、 今年で22年目を迎えるデザインイベントです。 昨年は一般来場者、デザイン関係の来場者を合わせて7万人余りの人が訪れたそうですが、今年も入り口にはチケットを買う人で長い行列ができていました。会場は、明治神宮外苑です。今年は、「LOVE」をテーマで、訴求テーマとして「地球を愛す」「人を愛す」「モノを愛す」ということで、様々なイベントを同時開催していました。
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その中で、私の興味を引いたのは、「チカラミナギル!日本のデザインパワーを再発見!!」というコーナーです。日本における最近の環境が、あまりにもアメリカチックになりすぎている気がします。そんな風潮の中で、中小企業庁が日本全国の地域の伝統的な技術や素材を活かし、世界に通用するブランド確立へのプロジェクを支援する「JAPAN ブランド育成支援事業」を平成16年に立ち上げました。この事業には、今、北海道から沖縄まで全国各地の商工会議所、商工会を中心として、108件にのぼるプロジェクトが参加しています。今回、興味を引いたのは、その展覧会です。日本の各地では、ものづくりの伝統や技術・技能が育まれ、また独特の美意識と知恵に裏打ちされた生活が営まれています。そして、地域の中小企業は、ものづくりと地域に対する愛着、誇り、責任感があります。これらを地域の中小企業が時代と国境を越えて発揮できる「強み」や「志」と捉え、「地域の中小企業ならではの価値」として三つの提案をしています。一つ目は、「匠の品質」ということで、「地域で育まれてきた伝統や現代に息づく職人の技。そこには、豊かな自然と職人の手のぬくもりがあり、自らのこだわりと研鑽は、匠の品質を生み出します。」二つ目が「用の美」ということで、「日本人が日々の実用の中で鍛え上げた美しさ。この用の美と、使う人の喜びを願う作り手のまごころは、時代と国境を越えて、人々の暮らしに新鮮な彩りを添えます。」三つ目は、「地域の志」ということで、「日本各地の多様な自然、伝統、文化、暮らし。地域の中小企業は、自らの事業を通じてそれらを支え、誇りをもって次の世代、そして世界の人々と共有していきます。」です。これは、目指すべき保育の姿でもある気がします。保育という仕事も、地域ではぐくまれてきた伝統。豊かな自然と手のぬくもり。自らのこだわりと研鑽。それらが保育の質の向上につながります。また、保育者の真心は、時代と国境を越えて、人々の暮らしに新鮮な彩を添えます。保育という仕事に誇りを持ち、次の世代、そして世界の人々と共有していきます。物事の本質は、どの分野でも変わることはありません。そして、変化する市場の中で、絶えず「進化」させていかねばならないことを謳っています。「進化」の方向として、「新しい伝統の創造」です。伝統は、そのままの形を維持することではなく、進化していかなければならないのです。変わらないことを、「伝統を守る」とよく言います。先日も、ある保育園で、「太鼓を子どもたちに教えているのは、伝統ですから。」と言われましたが、私は、「いつからの伝統ですか?」と聞きましたが、きっと、どこかの時期に、ある理念を持って始めたはずです。私は、「理念を大切にしてください。それが、伝統ですから。」と答えました。日本の文化を守るためには、進化が必要なのです。「匠の品質」「用の美」「地域の志」の三つの価値を進化することによって、現代の日本や世界の市場で通用する「新しい伝統の創造」が生まれるのです。

進化” への4件のコメント

  1.  保育室の装飾を考えるようになってから、私のインテリアの趣味は確実に違ってきていると思います。「東京デザイナーズウィーク」には是非行ってみたいです。また初めてそのようなイベントがあると知りました。その中の「チカラミナギル!日本のデザインパワーを再発見!!」は面白いと思います。確かに、今の日本は海外の影響を受けすぎていて、日本独自のデザインというものを忘れている気がします。とくに伝統産業です。日本の伝統産業を時代の流れに応じて進化させ、いかに現在の時代にフィットするデザインを考えるかが重要だと思います。なので先生の言われる、「伝統」というものは「理念を大切にすること」というのは、まさしくその通りだと思います。そう考えると日本は伝統産業だけではなく、色々な面で成長しなければいけないと思います。

  2. 「地域の伝統的な技術や素材を活かし、世界に通用するブランド確立へ」という言葉から、
    広島県熊野町の化粧筆産業のことが思い浮かびました。江戸時代から習字用の筆作りが盛んで、
    最近はその技術を活かして高級化粧筆をインターネットで販売しているそうです。
    世界的にもその技術力の素晴らしさが注目を集めているとか。「巧の品質」「用の美」「地域の志」の
    3つを兼ね備えた成功例の一つだと思います。私の住む地域にもそんな産業を興してみたいですね。

  3. デザイナーズウィーク、何とも興味をそそられるイベントです。七万余の人々が訪れる。さぞかし楽しいイベントに違いありません。「地域の中小企業ならではの価値」として三つの提案の中で最も惹かれるのは二番目の「用の美」です。「使う人の喜びを願う作り手のまごころ」というのが良い。美しさの中に人間の躍動が感じられます。美のダイナミズムとでも言いましょうか。「暮らしに新鮮な彩り」が添えられるのもまた良いですね。そして今日のブログのタイトル「進化」が「新しい伝統の創造」、ということにはなるほどと首肯できます。進化とは兎角伝統の否定と捉えられがちですが、そうではなく「新しい伝統の創造」と考えると「進化」それ自体に崇高かつ重厚な意味合いを看取でき、変ることがポジティブになってきます。

  4. 自分にとってはなかなか難しい内容でした。伝統は「変化」ではなく「進化」させていくことが必要ということでしょうか。その進化の方向が「新しい伝統の創造」ということ。日本の文化を守るためには進化が必要ということ。ぼんやりとは分かるのですが、頭の中で整理がつかないですし上手く言葉になりません。変えないことが伝統を守ることではなく、市場にあわせて進化させることが伝統を守ることであり、結果として変わらないこともあるといった捉え方でいいのでしょうか。なんだか余計に分からなくなってしまいました。でも、伝統とは何かをもっと考える必要があることだけは分かりました。

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