健診

 11月26日号のAERAで「1歳半健診が怖い母親」という特集をしていました。サブタイトルに「言葉が遅い、指さしせず・・・もしかして」ということで、「法整備しても自治体まかせの健診、密室育児追いつめるネガティブ情報」という記事です。乳幼児健康診査は、母子保健法により市町村が乳幼児に対して行う健康診査のことです。母子保健法には、「満1歳6か月を超え満2歳に達しない幼児」と「満3歳を超え満4歳に達しない幼児」に対して行うことを義務付け、そのほかにも市町村は、必要に応じ妊産婦又は乳児若しくは幼児に対して、健康診査を行い、又は健康診査を受けることを勧奨しなければならないとされています。そして、健康検査項目として、 1歳6ヶ月を超え満2歳に達しない幼児は、「身体発育状況」「栄養状態」「脊柱及び胸郭の疾病及び異常の有無」「皮膚の疾病の有無」「歯及び口腔の疾病及び異常の有無」「四肢運動障害の有無」「精神発達の状況」「言語障害の有無」「予防接種の実施状況」「育児上問題となる事項」「その他の疾病及び異常の有無」と書かれています。満3歳を超え満4歳に達しない幼児に対する健康診査になると、「眼の疾病及び異常の有無 」「耳、鼻及び咽頭の疾病及び異常の有無」が付け加わります。これらの検査の中で、保護者が心配するのは、「精神発達の状況」「言語障害の有無」です。これが、AERAで特集されている記事の内容です。育児不安が「発達障害かも」という不安につながっていっているといいます。1歳時半健診では、たとえば、靴やティッシュなど六つの絵を見せて、指示したものの「指さし」でコミュニケーションの様子を見るという検査です。他人とのかかわりが難しいなどの自閉症の特徴は、1歳半から3歳ごろまでに現れます。横浜市総合リハビリテーションセンターの調査では、自閉症と診断された子の約8割が、1歳半健診で何らかの指摘をされていたのです。自閉症、アスペルガー症候群を含む広汎性発達障害、学習障害(LD)、注意欠陥・多動性障害(ADHD)などは「発達障害」といわれ、脳機能の障害であることが知られてきました。横浜市の健診の「指さし」は、決して発達障害を見つけ出すためだけのテストではないと、市は強調しています。しかし、親としては気になるところです。というのは、そうは言っても指さしなどの結果、言葉や発音の遅れが疑われる子の親には、「様子を見ましょう」と伝えられるからです。当然、様子を見るといっても親としてはどうしてよいかわからないでしょうし、心配だけが増してくるからです。2005年4月に施行された発達障害者支援法では、早期発見、療育を行政の責務とし、1歳半と3歳の健診で「発達障害の早期発見に十分留意しなければならない」と定めているのです。確かに、発達障害は幼児期に行動が定着すると修正が難しいとされ、周囲が理解せず不適切な対応をとることで、パニックや脅迫症状などの二次障害を引き起こすこともあり、就学後はいじめや不登校につながりかねないとAERAの記事では書いています。しかし、現在の健診では、「様子を見ましょう」というある意味での宣告は、周囲が理解せず不適切な対応のような気がします。しかも、園現場から見ると、指さしができるかどうかよりも、子どもがどれだけ他の子とかかわっているか、その中でどのようなかかわりを子どもがしようとするかのほうに問題が多いような気がします。母親だけに育児を負担させ、親子関係からだけでの様子を見るより、もっと、1歳半ぐらいから、他の子どもとかかわる体験を多くさせる場を用意してあげることが必要な気がします。