学級編成

このブログで何回か紹介しましたが、先日の10月29日の朝日新聞に、「オランダで実践されている「イエナプラン教育」について考えるシンポジウム(朝日新聞社など後援)が11月、京都と東京で開かれる。現地から専門家を招き、自発的な学びを重視した取り組みを紹介する。」という記事が掲載されていました。東京で行われるシンポに私も少しの時間ですが、プレゼンテーションに対してのコメントと1,2の質問をすることになっています。このイエナプランの実践からはいろいろと学ぶところも多いのですが、学級編成にも特徴があります。日本における学級編成は、4月2日生まれから、翌年の4月1日生まれの子を同一学年として編成します。これは、一斉になにかを教えるような授業では、ほぼ発達が近い集団にということで便宜上そのように決めたものです。これが当たり前のように幼児教育の場でもその様なわけ方のよる集団編成にするところがほとんどです。しかし、このように生年月日による学級編成は、世界ではとても珍しいことです。たとえばフランスの母親学級では、子どもの発達に応じて、年齢ではなく段階として、子どもたちの成長を、2歳から小学校最終年までを3つのサイクルで考えています。就学前は1つ目のサイクル、5歳 から2年生までは2つ目のサイクル、3年生から5年生までは3つ目のサイ クルです。このようなわけ方は、英語圏での幼児教育でのインファントとかトドラーというようなわけ方に似ています。インファントという言葉は、言葉を話さない人という意味ですし、トドラーというのは、よちよち歩く人という意味です。すなわち、年齢ではなく、発達で分けるというやり方です。オランダのイエナプラン校の学級編成は、マルチエイジグループが基本です。通常、3つの年齢のグループ(4-6歳児グループ、6-9歳児グループ、9-12歳児グループ)から構成されます。子どもたちは、3年間を同じ教室の同じグループリーダーの下で年少・年中・年長の三つの立場を経験しながらすごし、それを繰り返しながら小学校を卒業するのです。つまり、一人の子どもは、低学年グループの年少、年長を経て、中学年グループの、年少、年中、年長を経、再び、高学年グループの年少、年中、年長を経験することができるのです。こうすることによって、家族の兄弟関係に似た、年齢差による立場の違いを体験できます。これを、イエナプランでは、将来、社会に出たときに相手の立場を理解して行動するための準備、と考えているからです。また、こうすることによって、同年齢学年性に起こりがちな、できる子・できない子の固定化を防ぎ、子どもの個性や真の意味のリーダーシップが生まれる、という利点も指摘しています。よく、園で3,4,5歳児を一緒に活動させると、3歳児は5歳児に強く出られて思うとおりに行動できないのではないかという心配をする人がいますが、実は、おなじ3歳児の集団の中で、力が強く、体の大きな人に強く出られて萎縮してしまうことのほうが多いのです。しかも、この力の上下関係は、学校を卒業するまで固定化してしまう可能性があります。いじめなども、主に同学年の中での力関係から起きることのほうが多いのです。3歳児の中で弱かった子も、4歳になると3歳児が入ってきますし、5歳になるとふたつ年下の3歳児が一緒になります。子どもは、様々な立場を経験し、自分を見つめるようになります。いま、教育界で問題になっているいじめ、落ちこぼれ、学級崩壊などは生年月日で機械的に学級編成をしていることに原因があることが多いのかもしれません。

学級編成” への3件のコメント

  1.  今回ののブログみたい、海外と日本との違いを聞くと本当に日本が遅れてるのが分かります。子どもの発達によってクラスわけをするのは、海外では当たり前のことで、逆に日本のような生年月日によってクラス編成をするのが珍しいのですね。確かに。勉強を教えるにあたって発達の同じ子どもが集まっているクラスの方が明らかにスムーズに進むのは当たり前ですね。
     3、4、5歳を一緒にすると確かに上が下をいじめると確かに思いがちのような気がします。しかし、それは勘違いでそのほうが子どもにとって良い刺激にもなりますし、色々な良い経験も体験できますし、その分問題も発生します。それによって先生の言われる「問題解決能力」「コミュニケーション能力」も育ちますね。

  2. イエナプランのシンポジウム、おもしろうそうですね。オランダの特殊教育ではなく、モンテやシュタイナー等々のオールタナティブ教育の一つとして日本の聴衆に理解され、日本の学校教育環境、殊に今日のブログのテーマ「学級編成」の見直しに繋がることが期待されます。藤森先生ご指摘の通り「教育界で問題になっているいじめ、落ちこぼれ、学級崩壊など」は現今の学級編成にまず端を発していると思われます。教師の力量や授業時間数の多少ではないでしょう。幼児教育界で展開され始めた「見守る保育」はとりもなおさず乳幼児の成長発達を順序だてて一つ一つ丁寧に観て援助していくことです。学校教育もこれに習って一人一人の習熟度に合わせるクラスシステムを早急に構築する必要があるでしょう。「欧米化」と揶揄せずにグローバリゼーションの現実と正面から向き合う必要が日本の教育界にはあるような気がします。

  3. 3つの立場を経験するだけでなく、それを繰り返すというマルチエイジグループは、そのことだけを考えても学ぶことが多いと容易に想像できます。この学級編成と日本の学級編成とでは違いが大きすぎますね。イエナプラン教育のような取り組みがもっと注目されるべきだと思います。そして見直しにつながり、日本の教育も変わっていき・・・って思うのは甘い考えでしょうか。それにしても、このようなシンポジウムをぜひ地方でもおこなってほしいといつも思います。

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