優先席

昨日のテレビで、社会的責任度のテストとして「シルバーシートに座っていて、目の前にお年寄りが来たときに寝た振りをしたことがあるか」という質問がありました。確かに疲れているときなど座っていたいことがあります。しかし、私の年になると、ここに座っていると困ることがいくつかあります。まず、目の前に立った人が私より年上なのか、席を譲ってあげたほうがよい人なのか迷うことが多いからです。あるとき、電車で中年の女性グループの人たちが乗り込みました。そして、私が座っている周りを取り囲んで座ったので、私は席を譲ってあげたこところ、「ぼく、ありがとうね。」と、明らかに私より若いであろう女性から声をかけられて戸惑ってしまったことがありました。また、これから高い山に登りに行くであろう装備をした中年の女性が、必死に席を奪おうとしたところを見ると、登山でかなりハードな運動量をあえてしようとする人なのに、席に座ることを必死に求めるほど疲れているのだろうかと思ってしまいます。そんなことをあれこれ考えるのがいやなので、私は、よほどすいている時でなければ出来るだけ優先席には座らないようにしています。この優先席について、最近また話題になっています。このシルバーシートは、1973年の敬老の日、国鉄が首都圏の中央快速線の快速、特別快速電車にそのような座席を設置するにあたり、銀色の布地(新幹線普通車座席用の布地を転用したもの)を用いて座席を区別し、「シルバーシート」と名づけたことが始まりです。このことをきっかけに、高齢者を指すときに「シルバー」という言葉を使うようになったと言われています。このシートは、全国のJRおよび一部私鉄で使用されていましたが、1993年頃、京王電鉄がシルバーシートを「優先席」に改称し、1997年には、JR東日本も「優先席」に改称し、その後、関東地方の大手私鉄も順次シルバーシートを「優先席」に改称しています。このシートは、利用対象を高齢者や身体障害者以外にも、怪我人、妊婦、乳幼児連れなど、一時的に何らかのハンディキャップを持つ人に拡大するためです。そして、今は、心臓ペースメーカーなどを装着した人への配慮のため、この優先席付近では携帯電話の電源をオフにするように呼び掛けています。ペースメーカーに携帯電話からの電波を当て続けると、まれに作動が不安定になる事が実験で確かめられているからです。しかし、では、優先席でない席に座っているときに前にお年寄りが立っているときには譲らないかというと、そうではありません。前に妊婦や乳幼児連れなどにも席を譲ります。ということで、阪急東宝グループの阪急電鉄および能勢電鉄・神戸電鉄では、1999年4月1日より優先座席を廃止し、全車両の全座席が優先座席と同様に扱われるよう乗客のモラル向上を呼び掛けました。それは、実質的には区分のみを廃し、全座席を優先座席化するものです。これは優先座席を利用すべき対象者(高齢者・身体障害者・怪我人・妊婦・乳幼児連れなど)が事業者により設定された場所に追いやられる形は好ましくなく、本当に必要な人が間近の席でも利用できるように、との性善説にそった思考への転換によるものでした。それが、実施後8年が経過した今年、阪急電鉄は株主総会で「座席を譲ってもらえない」との意見が出たことをきっかけに再検討し、先日の10月29日から再び優先座席の区分を用いる方針へと転換しました。このニュースを聞いたときに、なぜか悲しい気持ちになりました。人への思いやりとは、そんなものだったのですかね。

優先席” への6件のコメント

  1.  私は、正直言うと寝たふりを何回かしたことがあります。その瞬間は何も思いませんでしたが、後々になって後悔の念に襲われます。
     普通は、優先席に限らず目の前に席を必要とする人がいれば席を譲るのが当たり前ですが、その当たり前の事が出来ない人がいるから全座席を優先席にするのでしょうか。優先席ではないから譲りたくないのですかね?とにかく、未だにタバコのポイ捨てをしている人もいるのですから、モラルの低下というのは深刻な社会問題になっているのですね。

  2. 阪急電鉄の9年ぶりに優先座席の話題は、先週の朝の情報番組でも取り上げられていましたね。
    宮崎県を走る電車は現在JR九州のみですが、いつもガラガラ。その上、特急と快速以外は2?4両編成。バスでも込み合うことはありません。そんな情況の田舎では実感として考えられない「優先座席」。
    地方出身者がたくさん集まった大都会において、優先座席というものの意味を実感のできずに上京した者が分からずについついヤッテしまうことかもしれません。
    ちなみに、私は優先座席の文字を見たらそこを避けます。… というより逃げます。

  3. テレビをあまり観ない私も今日のブログで取り上げられていたニュースをたまたま観ていました。阪急電鉄の全席優先席という発想が『「座席を譲ってもらえない」との意見が出たことをきっかけに』に旧に帰したことは誠に残念無念のような気がします。私は息子とよく電車に乗ります。そして空いていれば「優先席」に坐ります。そしてその席が必要な人が目の前に立ったら席を譲るようにしています。もっとも以前東京横浜をワークフィールドにしていた時は寝た振りをしたこともあります。その時に考えたことは、もし席を譲って欲しいと思ったら、そのことを言葉にすべきだ、ということです。黙っていることはその必要がない、と思ったのでした。自分のほうから席を譲ろうとして「どうぞ」と言ったら「いえいえ、私は立ってることにしていますから」と返されたことがありました。以来「優先席」でも必要な人は言葉に出してそのことを伝えるべきだと考えるようになりました。それでも最近は自分の年齢を考えながらやはり私のほうから「どうぞ」と言うべきかと思うようになりました。全席優先席の発想を大事にしたいものです。

  4. 今日は思いやりということを考えさせられる出来事がありました。思いやりとは相手に気を使うことではなく、相手のことを真剣に考えて思うことでぶつかり合ってしまうこともあるかもしれないけど、そのぶつかり合いも思いやる上では必要なことかもしれないと、訳の分からない文章ですがそんな風に思いました。考えの違ういろんな人が関わりあっていく中で、いろんな摩擦や衝突はあります。そんなときこそ、自分の思いも大事にしながら相手のことにも目を向け対話する姿勢が土台にあれば「思いやる」という行為につながっていくのかなと考えています。全く意味不明の文章です。
    とにかく、優先座席には全く関係ありませんが、思いやりと聞いてそんなことを考えました。

  5. 高齢者を指すシルバーはシルバーシートというまさに銀色からきていたのですね。ということは外国でシルバーといっても高齢者のことを指す訳ではないのですね。私は電車に乗る機会もあまりない(学生のある時期は毎週のように2時間ほど乗っていました)ので、優先座席にはほとんど座ったことがありません。乗る時でも優先座席は避けてしまいます。なんだかそこに座っていると居心地の悪さを感じます。しかし、それは電車の使用頻度が多くなってくるとまた変わってくるんだろうなと思います。やはり、疲れていると座りたくなります。そんな時に状況をみて、席を譲れるような気持ちでいたいです。阪急グループの全席優先座席という考え方は素晴らしいですね。しかし、座席を譲ってもらえない現状があるのですね。確かに、「席どうぞ」と声をかえることの恥ずかしさのようなものは分かります。すごく疲れている時は座っていたくなります。そんな中でも「自分は◯◯だから」と先に考える前に、相手の人の様子はどうだろうかと考えられる自分でいたいなと思いました。

  6. 中年女性から「ぼく、ありがとうね。」は衝撃ですね…。感謝の言葉なのか、それとも別の意味なのか考えてしまいますね(笑)。また、「性善説にそった思考」を打ち出した阪急電鉄には強い共感を抱きますが、実際には「譲ってもらえない」という意見が出て、結局優先席を設けることになったという経緯には、私も悲しい気持ちが沸き上がってきました。「自分の方が疲れている」など、様々な意見は出てきそうですが、それ以前に、人の役に立とうとする気持ちや意欲が失われてきつつあるのだろうなぁとも感じました。そうすることで、気持ちが晴れ晴れしたり、疲れが吹っ飛ぶこともあるのだと思いますが、「時代ですかね…」という言葉だけで片付けられない要素が含まれているようにも思いました。

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