昨日、建築家「黒川紀章」氏が亡くなりました。彼のことは、今年の4月18日のブログで書きました。そのブログで、彼の設計した最近オープンした六本木にある「国立新美術館」と、建て替えが決定した「中銀カプセルタワー」を取り上げました。そのタイトルは「共生と新陳代謝」でしたが、そこで書いた意味は少し違いますが、新ためてこの二つの建物を並べてみると、そのタイトルが実感を持って感じます。黒川氏の死にしても、突然であるだけに、いつかは誰でも、どんな建物でも滅びていくのだということを感じ、新陳代謝ということかもしれないと思うのです。それは、ちょうど都城を訪れたときに連れて行ってもらった菊竹清訓設計の「都城市民会館」も、建て替えが決定した建物だったからです。この建物は、強烈なインパクトと迫力があります。ホテルの窓から遠目に見えていたときも何の建物かと思っていたのですが、間近に行ってみると、圧倒的な存在感を感じさせます。
梁が放射状に突き出した特徴的なデザイン・構造は、建築専門誌において『残したい建築物100選』へ選出されたり、最新の建築物と併記され紹介されるなど、現在もなお注目を浴び続けており、イタリアの美術教科書へも掲載されているそうです。この建物を「都城市の顔であり、また、建築学的にも貴重な建物でもあり、都城市の財産として後世に残すべきものである」ということで現状のまま存続するという意見と、「老朽化も懸念されるが、必要な修繕を加えることでまだ十分活用できるものであり、市町合併後、庁舎や会議室が必要となることが見込まれており、現在ある建物を活用することが環境負荷の軽減にもつながる」という改修して存続しようとする意見と、「年数の経過とともに老朽化が進んでおり、相当な経費を投じて改修する必要がある。また、今後「解体」は避けて通れない問題であり、いずれ先々には「解体する」必要があり、結論の先送りは避けなければならない」ということで、解体するという意見を検討しました。アンケート結果は、存続が26.9%、改修が25.5%、解体が47.6%だったそうです。話し合いを重ねた結果、解体することになっているそうです。解体されていく建物があるかと思えば、作られていく建物もあります。そのひとつが、コメントにも書かれている「坂の上の雲ミュージアム」です。この建物は、愛媛県松山のまち全体をフィールドミュージアムとする構想の一角を担う施設として創設されました。その主要な目的は、松山をより魅力的なまちにする諸活動の中核的な役割をはたすことにあるそうです。より魅力的なまちとは、住み心地がよく、さまざまな発見を楽しめるところを意味します。設計は、最近、話題の建物を設計している建築家・安藤忠雄氏によるものです。松山城周辺の歴史や文化を意識して考えられた建物は、周囲の自然環境に配慮した外観と安藤氏がイメージする『坂の上の雲』を表現した空間となっています。2つの三角形を重ね合わせた建物は、通りから見る城山の緑をさえぎらないような構造になっており、建物西側のガラスカーテンウォールには、城山の緑が映し出されています。
展示内容は、司馬遼太郎の長大な作品『坂の上の雲』を中心に、松山出身の正岡子規と秋山好古、真之兄弟の三人を軸にしながら展開しています。その時代背景である明治初期の展示は、訪れるお年寄りが懐かしがっていました。このミュージアムができるであろうことは昨年1月23日のブログで書いていますし、秋山兄弟については、昨年4月21日のブログで書いていますし、子規については、昨年4月22日のブログで書いているように、2年にわたって定期的に研修に訪れている松山での集大成のミュージアムです。その展示内容を見ても、「新陳代謝」を感じます。
今日のブログタイトル「新陳代謝」の英語が「メタボリズム」です。現在、われわれの間では「メタボリック シンドローム」としてこの「メタボリズム」は知れ渡っています。「新陳代謝」自体はとても重要なことであり、また老廃物の対外放出に繋がり、プラスのイメージなのに「メタボ」と称される「メタボリック」は不健康の代名詞になっています。私も「メタボ」を気にしなければなりません。 困ったものです。ところで、「菊竹清訓設計の「都城市民会館」」は解体などせずに是非とも残して欲しいものです。なんとも不思議なデザインの建物ですから、やがて日本近代文化の遺産となるような気がします。都城市民の先見の明に期待したいものです。
黒川紀章さんの死は確かに急すぎて驚きました。つい最近まで都知事選に立候補したりなどよく、テレビに出てたのもあり本当に信じれませんでした。
「新陳代謝」という言葉を聞くと、つい体の事をイメージしてしまいます。古いものが新しいものにとって変わるというのは良いイメージが私の中ではあります。ですが、つねに新しいものではなくて、古いものの良さを取り入れた新しいものが出てくれば良いのではないかな?と思います。
どんなものにも新陳代謝はあります。今あるものも過去の新陳代謝の積み重ねで成り立っていると考えると、その経過を知ることも大切だと思います。どのように新しくなっていくかを定め、必要なものとそうでないものをきちんと見分け、変化していきたいと思います。