勤勉とアルツハイマー

 何年か前から、「少子高齢社会」というように、「少子化」と「高齢化」をともに使うようになりました。平成7年には、「我が国の人口構造の高齢化は極めて急速に進んでおり、遠からず世界に例を見ない水準の高齢社会が到来するものと見込まれているが、高齢化の進展の速度に比べて国民の意識や社会のシステムの対応は遅れている。早急に対応すべき課題は多岐にわたるが、残されている時間は極めて少ない。」として、「高齢社会対策基本法」が制定されました。しかし、同時に「我が国における急速な少子化の進展は、平均寿命の伸長による高齢者の増加とあいまって、我が国の人口構造にひずみを生じさせ、二十一世紀の国民生活に、深刻かつ多大な影響をもたらす。我らは、紛れもなく、有史以来の未曾有の事態に直面している。」ということで、「少子化社会対策基本法」が急いで制定されたのです。確かに、高齢化が進むことや、子どもが少ないことは社会にさまざまなひずみを生むことは確かです。しかし、ただ子どもを産めばよい、子どもが多ければよいというのではなく、その子がどのような人材として、地球に貢献していくのか、また、子ども一人ひとりが自分の人生をどう生きるかということもあわせて取り組んでいかなければなりません。また、高齢化にしても、お年寄りをどう長生きさせればよいということではなく、人生を最後までどう生きていくかが問題なのです。ですから、高齢か伴うさまざまな病気や症状にはきちんと向き合っていかなければなりません。9月21日は「世界アルツハイマーデー」でした。1994年のこの日、国際アルツハイマー病協会が、世界保健機関(WHO)の後援を受けて宣言しました。毎年この日、世界60以上の国と地域で、アルツハイマー病に関する理解を求め患者さんや介護の方々を支援するための様々な活動が展開されています。呆け老人をかかえる家族の会は、この日に使う今年の標語を「『ぼけ』はみんなの問題、私の問題、あなたの問題」としました。この標語は、5候補作品の中から選ばれたものですが、ほかの作品は、「呆けても安心-世界をつなぐ思いやりとやさしさの輪で」「世界は一つ、ぼけに理解と愛情を」「受け入れよう、痴呆の心と行動を」「ぼけても安心して暮らせる地域を。世界を」です。21世紀は科学技術がますます発展していき、いろいろなことが発見、発明されていくことでしょう。そして、ヒトの全遺伝子も解明されていくに違いありません。しかし、社会の少子、高齢化はますます進み、その対策にも直面しなければなりません。中でも脳の老化に伴う痴呆についてはなお未解明な部分が多く、その克服は21世紀の人類が当面するもっとも重要な課題になるといわれています。AP通信が今日伝えたところによると、「勤勉、実直な性格や生活様式がアルツハイマー病の発症を抑える可能性がある」という研究結果を、米ラッシュ大医療センターの研究チームが、米精神医学専門誌に発表したそうです。性格とアルツハイマー発症との関係を分析した結果、「目標達成に熱心に取り組む」「やることすべてに優秀さを追求する」「時間に間に合うよう、ペース配分をする」といった「勤勉、実直」を示す項目で高得点を挙げたグループは、得点が低いグループに比べ、89%も発症リスクが低く、さらに勤勉な人では、死後に脳を調べるとアルツハイマー病の特徴を示す病巣があったのに、生前に認知症が現れなかったケースもあったそうです。チームは「勤勉な生活様式によって脳神経が保護されるのかもしれない。発症を遅らせる方法の開発につながる可能性がある」としています。もっと、こういうことが科学的に証明されてくるといいですね。

勤勉とアルツハイマー” への3件のコメント

  1. 「勤勉、実直」がアルツハイマー病から人間を遠ざける、という米精神医学専門誌の発表には興味をそそられます。そうではない性向を示す人にアルツハイマー病発生率が高いかどうかはおいて置くにしても、どうやら「ぼけ」ないためには死ぬまで「仕事」をした方がいいのかな、と思ったりします。しかも「勤勉、実直」に。「老後は悠々自適に」などと考え、「定年後にはどんな楽しみをもって過そうか」と期待に胸膨らませるよりは「死ぬまで共生と貢献をめざして仕事をする」としたほうが「数病息災」で痴呆とは無縁の生を送れるのかもしれません。過日、事故により「脳挫傷」と診断された母はアルツハイマー病の発症の可能性を医者によって示唆されながらも今のところは大丈夫のようです。母は「勤勉、実直」ですから。もしかすると米ラッシュ大医療センターの研究チームの研究成果を立証する事例のひとつ、となるかも。今は少し安心しています。

  2. 少子高齢化に対しての様々な対策を見ていて、これは一体何をするための対策だろうかと考えることがあります。大変だ大変だと表面上は対策をとっているように見えますが、実際には問題に向き合えていないように思います。藤森先生が言われるように、どう生きるかという点が対策には足りない気がします。どう生きて、どう死を迎えるか。これを思い描きにくいのが現状ではないでしょうか。
    夢を持つことや目標を持ちそれに向かっていくことは、個人を発揮するためには大切なことです。これが認知症の発症を遅らせることができるとしたら、どう生きるかを考えるきっかけになる教育はもっと必要になっていくんでしょうね。

  3.  少子化が問題になっていますが、正直な意見を言うと単純に子供をたくさん産めばいいのではないのかな?と思っていましたが、そういうわけではないのですね。結局、私みたいな考えの人が多くいるから未だに問題視されているのかもしれません。なのでブログにも書いてありますが、生まれた子がどのような人材として地球に貢献していくのか、また子ども一人ひとりが人生をどう生きていくのか取り組まなければいけないのですね。まさにその通りですね。

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