イタリア映画

 よく、伝統的に、家族の絆をとてもたいせつにすると言われている国は、世界では、「日本」「ドイツ」「イタリア」と言われています。この三国「日独伊」は、何か因縁めいたものがありますね。しかし、家族とか、子どもとかを大切にすることから、この三国は世界の中でも極端な少子国であるとも言われています。生まれた瞬間から別の人格を持ち、我が子でも個人という考えのアメリカと比べて、子どもを親の責任の元に庇護され、逆を言えば、親の肩に子育ての責任がずっしりとかかってしまうので、少子化になってしまうのではないかとも言われています。そんなイタリアでは、家族の絆を大切にsると言うのは伝統のようで、第二次世界大戦の敗戦直後という、苛酷な状況下においても変わりません。そのころの時代の家族の絆を描いたイタリア映画に名作が多くあるのは当然のことかもしれません。そして、子どもを描くならイタリア映画と言われるほど、様々な子ども像を描いてきました。日本同様に第2次大戦の敗戦国であったイタリアにおける戦後の混乱期、社会の底辺に生きる子どもたちの夢、そして厳しい現実、そんなものを描いたのが、デ・シーカ監督です。1947年、アカデミー賞特別賞を受賞した「靴みがき」は、見ていて胸が締め付けられるようです。靴みがきをして生計を立てている二人の少年は、貸馬屋の馬を買い取る夢を実現させるため、闇商売の仕事を手伝い、それが元で逮捕されてしまいます。さらに背後にいる首謀者を白状させようと、なかなか口を割らない二人に取調官は少年の1人を拷問すると見せかけ、もう1人の口を割らしてしまいます。一転して彼らの友情は壊れ、親友だった相手を憎むようになっていくのです。そして、物語は悲惨な結末を迎えることとなりますが、そこには、絶望よりも生きることへの力強さを感じさせます。この監督によるもうひとつの名作が、余りにも有名な「自転車泥棒」です。失業者あふれるローマ、やっとのことでポスター貼りの仕事にありつき、質屋から自転車を取り戻し、妻や息子の期待に見送られて自転車に乗って仕事へ出発した父。しかし自転車は盗まれ、息子や仲間と必死に捜しますが、結局自転車はもう戻っては来ません。息子と途方にくれているところ、ふと出来ごころから目の前にある1台の自転車に手が伸びてしまい、父は警察につきだされてしまいます。しかし、まだ幼い息子の姿をみて、被害者と群衆は自転車泥棒を釈放します。そして、群衆の中に父子が手をしっかりとつないで消えていくラストシーンは、これからの生活の大変さを予感しながら、子どもの存在がそれを支えてくれるであろうことを予感させます。この作品は、イタリアネオリアリズム代表的傑作といわれ、1949年アカデミー賞特別賞を受賞しました。1958年には、やはり戦後のイタリアを描いた傑作が上映されています。ピエトロ・ジェルミ監督の代表作「鉄道員」です。このドラマはサンドロ少年のナレーションで少年の純粋な目を通して家族の出来事がつづられていきます。親子の愛情、夫婦愛、家族の崩壊と結束、裏切りと友情。母の愛。そして、全編を貫く人間愛を描いたこの映画の中で流れる哀愁を帯びた曲もヒットしました。主人公の初老の鉄道機関士は、監督自ら演じています。子どもの目を通した社会を、それが純粋ゆえに私たちは改めてそこから学び、見直していかなければならないのです。そんなイタリア映画の流れをくむ映画を、先日の日曜日に妻と見ることができました。