都民とカッパ

 今日は都民の日です。先週、電話で「都民の日は、園がお休みですか?」という問い合わせが何件かありました。それは、この日には、東京都立および都内各市区町村立の学校は休校となるからです。 また、都内に所在する一部の私立学校も休校となります。私たちは、都民の日は祝祭日という認識があります。しかし、気の毒なのは、多くの子どもと親たちです。なぜかというと、先週、今週、来週と3週続けて学校が土、日、月と休みになるからです。これがうれしいと思うのは昔のこと、今は、うんざりしている子どもたち、親たちが多いようです。私が子どものころは、この都民の日がとてもうれしかった思いがあります。というのは、この日を記念に「カッパバッチ」が学校で販売され、それを購入することのうれしさと、当日それをつけていくと黄門様の印籠のようにいろいろなところにフリーパスでは入れる特権が与えられることがありました。確か、都電にもただで乗ることができました。
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 実は、この都民の日は、1889年、東京府下に東京市が設置されたときには、東京府知事が東京市長を兼務する形態となっており、自治権を持たなかったのですが、その後1898年にこの制限が撤廃され、10月1日に自治権を持つ形での東京市制が施行されたのを記念して、1952年9月に東京都が「都民の日条例」を制定したのです。その後、1956年に東京開都500年(1457年に江戸城が築城された年を基準として500年目に相当)を記念して、都民の日に「大東京祭」が催され、以降、東京都は都民の日を記念したバッジを毎年発売したのです。デザインは、朝倉文夫、清水崑、小島功に引き継がれていったのです。しかし、無料公開される施設が減少するなどバッジの目的が薄れたため、1997年の都民の日を最後にバッジの販売は行われなくなりましたが、今でも、当日、東京都の管理する博物館・美術館・庭園等は、同日に限り入場料を無料としているところも多く、またその他の公共施設では、この日に一般公開や見学会、特別行事などを行うことがありますし、東京都内の民間施設においても、都民の日への協賛として同日(もしくは前後1週間ほどの期間)に無料開放や割引などを行うことがあるようです。カッパが採用された理由としては、昔の隅田川には、たくさんの河童の家があったからだそうです。人間が、いくら川に橋をかけても、雨がふるたびに流されてしまうのでカッパたちは、ふだん住まわせてもらっているお礼に、自分たちの手で橋をかけようと相談し、一晩のうちに見事完成させました。それが合羽橋だという説があり、あわせてカッパは水難よけのお守りになりました。これは伝説だけでなく、実際に江戸は大湿地帯で治水が最も大切な事業でした。ですから、カッパと庶民が力を合わせて治水工事を行ったという伝説があるのです。いわば、カッパは江戸東京を作ったなかまです。江戸言葉の「そんなの簡単さ、大丈夫」という意味の「へのカッパ!」は、この工事中に溺れかけたカッパが「屁」の力で見事に浮かびあがり、「たいしたことないよ」と言ったのが始まりという説もあるくらいです。せっかく都民の日を休日にするのであれば、このカッパバッチのような子どもたちがその日を有意義に過ごすことができるような仕掛けが必要かもしれません。ただ、お休みを増やすことばかりが先行し、この日をどう過ごすかを具体的に提供していかないと、ただ、こんな行事を、催しをしていますといっても、誰がそこに連れて行くのでしょうか。