純喫茶

 今、私が住んでいるところに、たまに行く気に入った喫茶店があります。普段はなかなか行けないのですが、遅い出勤の土曜日には寄ります。そこは、店内のつくりが懐かしく、コーヒーが私好みの味です。どうも、最近多いエスプレッソは、味わいを苦味が消してしまっている店が多いので、あたりはずれが多すぎます。その好みの店は、コーヒー豆をもちろんオーダーしてから一人分ずつ引いてからコーヒーを立てるのですが、淹れる器具は、私は始めて見るものです。最近は、メーカーマシンといわれる機械で立てるものが多いのですが、喫茶店の多くは、ちょっと凝ったところでは、サイフォンドリップを使います。また、家庭でもよく使われるものにペーパーでこすものがあります。「円錐形」のドリッパーに紙のフィルターを置くのですが、KONO式ドリッパーでは、大きな穴が開いており、「一つ穴」「三つ穴」のドリッパーと比較すると、湯がドリッパーに溜まりにくく、注湯のスピードで風味を変化させる事が可能です。ほかによく使われるものに、ハリオ、カリタ、メリタなどのメーカーがあります。屋外などでコーヒーを飲む場合は、水とコーヒー豆(荒挽き)と「火」があれば、場所を問わずにドリップしたコーヒーが簡単に出来るパーコレーターが使われます。また、コーヒー粉にお湯を注ぎ、プレス、そのまま注ぐだけの手間入らずで、スピーディーにコーヒーを淹れることができるフレンチプレス技術もあります。私が行く喫茶店では、ステンレスのポットの上に、ステンレスのこしきが着いていて、一人分ずつそれをテーブルに持ってきて、そこでドリップしたてを飲むものです。また、この店が気に入っている理由は他にもあります。モーニングサービスがあるのです。喫茶店に、セットメニューとして、格安のモーニングサービスというものがサラリーマンを相手に用意されていました。最近は、少し遅い時間になると、お年寄りが利用することが多いようです。モーニングサービスの定番といえば、トーストとゆで卵ですが、この店は、パンケーキと目玉焼きとソーセージにサラダです。朝、モーニングサービスとコーヒーを飲むと、ゆったりした気分になれます。この店に久しぶりに行ってみました。すると、なんと、9月いっぱいで閉店するため、店内の備品等を処分しているところでした。一と月ぐらい前に行った時に、年配の人のよさそうな店主が、モーニングサービスがワンメニューだと常連客に悪いから、他にも考えなくてはと言っていたのに、急にどうしてでしょうか。この店がなんとなく懐かしく感じるのは、かつてどこにでもあった「純喫茶」の雰囲気があるからです。純喫茶というのは、その字のとおり、純粋な喫茶という意味で、アルコール類が一切置いてない喫茶店という意味です。酒類を扱い、女給(ホステス)による接客を伴う「特殊喫茶」に対してこう呼ばれました。明治末期にできたカフェーは知識人たちの社交の場でしたが、大正時代には徐々に大衆化し、女給らによる接客を主な目的とした店も増えていきました。このような店では、夜には主に酒類を出し、隣に座る接客係の女性らに客がチップを払うといった、現在のバーやクラブのような店に変わっていきました。これらは昭和初期になるとたくさんでき、このような店のことも「カフェー」や「喫茶店」ともいいました。一方、酒類を扱わない本来の意味の喫茶店も一般的な存在となり、「特殊喫茶店」と「純喫茶」と分けて呼ぶようになったのです。またひとつ、純喫茶が消えて行ったようです。

純喫茶” への6件のコメント

  1. 私も行ってみたいと思っていましたが、そうですか、閉店してしまうのですね。何とも残念な気がします。最近はスターバックスやタリーズなどが単純格安なコーヒーやそのバリエーションをさまざまなに提供しますので女性客に受けがいいようで、それで男性客も多く利用するようになってきているような気がします。そうすると、一杯のコーヒーを出すにも手間隙をかける今日のブログで紹介されたお店は消えていくことになるのでしょう。ワンメニューが客に悪いから他にも考えなくては・・・というあたりはバリエーションを求める当世客事情を露にしているようで、寂しい限りです。私が住んでいるところの近所にも「喫茶店」があります。今度入ってみようかな、と思いました。

  2. 雰囲気だけでなく味も好みという喫茶店は、自分の経験ではそう多くはありません。何度も通いたくなるような喫茶店を見つけたときは、隠れ家を見つけたようなうれしい気持ちになります。そこで過ごす時間は、短くてもとても気持ちいい時間です。そう頻繁には行けないので、さらに貴重な時間に感じます。そういうお気に入りのお店や雰囲気のいいお店が無くなっていくのはさみしいですね。

  3. 朝、ブログを見てコーヒーの臭いがしそうな感じを受けました。美味しいコーヒーを提供するために色々な抽出の仕方がありますね。モーニングサービスといえば名古屋が有名ですが色々な品がその店で工夫され客を楽しませてくれたのを思い出しました。折角見付けたお気に入りの喫茶店が閉店して残念でしたね。時代のニーズに会わなかったのかな。私たちの保育も先をみこして置き去りにならないようにしていかなければなりませんね。又、お気に入りの店が見付かるといいですね。

  4. 外回りの営業という仕事柄、喫茶店はなくてはならない存在ですね。
    20年来、毎朝決まって顔を出す喫茶店があります。家族的な雰囲気なお店で、
    コーヒーも自宅の井戸水を使ってたててくれます。マスターは、PCを自作するほどのマニアで、
    私のPCの師匠です。ただ、最近は、めっきり客が減って、PCの副業をしなければ、食べていけないと
    嘆いています。やはり、家族連れとか若者は、みんなファミレスに行きますものね。
    でも、私みたいなおじさんは、やっぱり純喫茶で、クラシックでも聴きながら、コーヒーの味を楽しむほうが性に合っているようです。学生時代、神田の古本屋街をうろついた後、立ち寄った小さな喫茶店で買ったばかりの古本を読みふけったことを思い出しました。あの頃は、コーヒーと本と音楽があれば最高でしたね。

  5. コーヒーの淹れ方、機械の名前など知らない言葉がたくさんでてきました。このような淹れ方で淹れたコーヒーを飲んでみたくなります。どんな味がするのですかね。お気に入りの喫茶店を見つけて、ゆっくり本でも読みながら時間を過ごすというのが私のちょっとした夢でもあります。そのようなお気に入りのお店を見つけてみたいなと思います。以前、ランチメニューがあるカフェでお店の方とも仲良くなって、気取らない感じがとてもいいお店がありました。これからたくさん通おうかなと思っていたのですが、お店の方が結婚され、引っ越すということでお店を閉めるということになりました。ゆっくり過ごせる素敵な場所で、何よりお店の方とのさりげないやりとりが好きでした。そんな場所がひとつでもあるといいですよね。

  6. 少々前の「喫茶店」と「純喫茶」、現代の「カフェ」と「喫茶店」、名前は一緒でも意味が変わってくるということもあるのですね。たまに、道を歩いていて、コーヒー豆が惹かれた香りを嗅ぐことがあります。コーヒー専門店のような店もあるようですね。コーヒー豆の挽き方は奥が深いようで、常に同じ味を提供するというのは大変なことのようですね。また、喫茶店というと、読書をしたりや友人と話し込む場としてのイメージがありますが、今もそのようにゆったりすることができるのでしょうか。そのような場も、少なくなっているようにも思います。時間を忘れる場が減っているようにも感じます。

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