小学生の意識

 9月15日の日経に「薄れる高学歴志向、「勉強役立つ」東京低く・国際6都市小学生調査」ということで、ベネッセ教育研究開発センターの「学習基本調査・国際6都市比較」が紹介されていました。この調査は、昨年6月から今年1月に、6都市(東京、ソウル、北京、ヘルシンキ、ロンドン、ワシントン)の10―11歳の小学生(ロンドンは6年生、ヘルシンキは4年生、他は5年生)約6000人に聞いたものです。学校外の学習時間は都市によって異っていますが、東アジア3都市は学習時間が長いのに対して、欧米3都市では学習時間が短く、かつ学校の宿題が中心です。これは、わかりますね。韓国や中国は、子どもの教育が過熱し、必死で子ども自身も勉強しようとしています。その反対に、ヨーロッパやアメリカなどは、受験などなく、基礎的な学力をつけることに重点が置かれています。その中で、この結果では、東京では、どちらかではなく、不思議な現象が起きています。東京の小学生の平日の学習時間は、ソウル、北京に次いで長く、平均で100分を超えますが、学習時間は「およそ30分」「1時間」の子どもたちと、「3時間30分」「それ以上」(3時間30分を超える)という子どもたちの二極に分化しているのです。また、通塾率が高いのも東アジアの他の2都市と共通してみられる傾向で、5割の小学生が学習塾に通っています。それにしてもソウルの小学生は、よく勉強しますね。平日の学習時間が長く、平均で145.8分にもおよんでいるようです。しかも、回答としてもっとも多かったのが「それ以上」(3時間30分を超える)で、およそ4人に1人の割合もいるそうです。もちろん、その背景には受験があり、そのための通塾があります。学習塾に通っている小学生は7割を超えています。さらに、そのうちの7割が週5日以上、学習塾に行っています。また、習い事では半数の小学生が「外国語」を学んでおり、学校外の学習機関が発達している様子がわかります。確かに日本でも、東京では、塾に通っている小学生をよく見かけます。土曜日や日曜日でも、おそろいのバッグを背負って、電車に乗っている小学生がいます.博物館に行ったり、美術館にいたりと家族で校外でしか出来ない学習をするようにといって休みにした土曜日に塾に行っているのです。かたや、前日の金曜日は遅くまでテレビやゲームをやり、土曜日は昼までごろごろ寝ていている小学生も多いようです。この二極文化は、どうして生まれたのでしょうか。確かにかなり前から格差社会といわれています。しかし、日本よりももっと格差社会といわれ、その問題点が世界で指摘されてきたイギリスはどうかというと、ロンドンの小学生は、平日の学習時間の平均が74.1分で、日本を始め、アジア諸国に比べるとかなり少ないものの、他の欧米諸国同様、宿題が占める比率が高く、「『勉強は学校だけですればいい』と思う」を肯定する比率(64.6%)はワシントンDCに次いで高く、宿題以外に学校外で勉強しようという意識は強くないようです。とはいえ、勉強が生活や職業などのさまざまな面で役に立つと感じていて、「一流の会社に入るために」「お金持ちになるために」「心にゆとりがある幸せな生活をするために」「趣味やスポーツなどで楽しく生活するために」など多くの項目で、「役に立つ」と回答する比率は他の都市の小学生よりも高い結果が出ています。その点、東京の子は、勉強の効用についてたずねた設問では、ほとんどの項目で「役に立つ」という回答が他の5都市と比べ、もっとも低かったようです。勉強が将来の生活や職業に役立つと考える傾向が、他の都市の小学生よりも弱いので、自ら勉強をしようとしないのでしょう。なんだか、将来が心配になってきます。

小学生の意識” への5件のコメント

  1. テストのための「勉強」は大嫌いでしたが、「勉強」それ自体は今も昔も嫌いではありません。但し「ねばならない」に「勉強」がなると途端にダメです。小学校時代を思い起こすのはとても大変ですが、少なくとも体育や図工より社会や理科、算数、国語のほうが好きだったことは覚えています。特に社会科は好きでした。無理して買ってもらった百科事典を読んでいたのでとても楽に授業を受けることができたのです。宿題はそんなに多くなかったような気がします。もう相当昔の小学生時代であり、かつとても田舎なところに住んでいたので「学習塾」もなく、そして親に「勉強しろ」と言われたこともなく、それゆえ「勉強」することはあまり苦にならなかった。「役に立つ」かということについては今もその当時も「わからない」とういうのが正直な答です。むしろ、私にとって、勉強することは、役立つ、役立たない、の域を超えている、といえます。おもしろく楽しいものです。

  2.  韓国や中国の受験戦争の映像は何回か見た事がありますが、すごいですね!試験開始の時間まで、間に合わないとパトカーを使っている受験生がいました。国全体が子どもの学力向上に協力しているのだなと感じました。逆にヨーロッパやアメリカの方では、受験など無いのは正直な感想は驚きでした。
     日本の子どもが勉強に対する考えを「役にたつ」と思わないで、なんと思っているのでしょうか?私は今更ながら、勉強をもう少し頑張ればよかった思います。今の仕事を始めてから、「あの時にしっかり勉強していれば、理解できたのに」と何回も思うことが多々あります。自分が将来どんな仕事に就くかは100%分からないわけですから、どんな場面でも「役に立つ」知識が必要だと思います。

  3. 将来のことがイメージできなければ、今の勉強を「役に立つ」とは思いにくいでしょうね。とはいえ今の学校でつけた力がその先の社会で役に立つのかは疑問なので、「役に立つ」と感じるかという質問が今の日本で有効なのでしょうか。この調査結果はいろんなことが心配になってしまいます。

  4. 勉強は手段であって目的ではありませんね。知りたいことがあるから、そもそも知りたいから勉強する、なりたいものがあるから勉強するということになればいいのですが、ただ何の意味があるのか分からずに好きでもないことをやらなければいけないことだからとやるというのはなかなか辛いことだと思います。好きなこと、夢中になれること、なりたいもの、夢を持てるようなきっかけを与えることができる教育を大切にしなければいけないなと思います。夢中になれるもの、興味を持てるものがあれば、また別の世界が広がるような感覚にもなります。週に何日も学習塾通っている子は、自分の意思であるならいいのですが、そうではなく仕方なしに通っていたとしたら自分の世界がそこだけになってしまい、窮屈だろうなと想像します。広い世界を知ること、体験すること、好きなことに夢中になれることが勉強とつながるといいのかなと思います。

  5. まずは、「勉強が将来の生活や職業に役立つと考える傾向」を作ることが大切なのですね。同時に、その勉強が社会に役に立つような内容にしなくてはいけないのだなぁと感じました。また、小学生で平均学習時間が3時間30分を越える人もいるということに驚きです。自分が30分くらいしかしていなかったからかもしれませんが、3時間以上も机に座っていられることがすごいなぁと思います。そして、何を学習とするかにもよりますが、机に座っている、いわゆる座学みたいな学習方法ではないのかもしれませんね。体験を通した学習方法などによって、効率のよい学習構造が生み出されているのでしょうか。何にしても、自分が興味ある分野なら時間に関係なく学習しているのかもしれません。

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