7月に行われた「食と健康を考えるシンポジウム」の全体講演は、新潟大学院歯学部総合研究所教授であり、ベストセラー「免疫革命」の著者でもある安保 徹氏でした。教授は、「健康と免疫」、「病気と生き方の見直し」等のテーマで全国各地を講演中で、とても人気があります。ほかにも著作として、「未来免疫学」「体温免疫学」「こうすれば病気は治るー心とからだの免疫学」「絵でわかる免疫」など多数あります。医者とか薬ばかりに頼らないで、自らの免疫力を高め、自らの治癒力から病気を治そうという教授の主張する説も、私は、環境効果だと思います。講演のレジメには、「風邪の流行る季節には人混みの中に出て風邪を引くように努力しましょう」とか、「インフルエンザは免疫力を高めるには風邪以上によい刺激になります」などが書かれていて、常識との違いに意表を衝かれます。これは、そのまま正しいとは言えないこともありますが、逆に今の時代の薬漬け、過剰に守ろうとする態度には警鐘を鳴らしているとは思います。夏の講演では、白血球の自律神経支配が体を統括するシステムとして重要であるので、病気になるのは、能力の限界を超えて仕事をすること、体を冷やすこと、大きな心の悩みなどからで、さらに薬を飲むことで悪化させているという内容のようでした。私も、環境によってなる病気は、環境によって治すのが自然だと思います。薬を使うのは、急を要する場合、環境を変えることが無理な場合、半ば強引に直そうとするものです。こどもへの叱りかたの難しさを言いますが、大人から見て、こどもがいろいろな悪さをするときには、きっと、環境にひずみが出ていることが多いような気がします。親や友達、先生などの「人」の環境、部屋の広さとか動線、遊び場などの「場」の環境、そして、興味のあるものや関心を持つような「物」の環境などです。これをただ叱ることでは解決しません。強くしかるのは、急を要するときとか、環境では解決しないようなときで、薬を使うときと同じで、後で副作用が出ます。特に体罰は、私からすると覚せい剤を使うことと同様、体罰をすることによって神経を麻痺させ、長く使っていると人格を壊してしまうような気さえします。安保教授は、こんなことを言っています。「免疫アップを目指すなら、「ムリ」をせず「ラク」をしないことです。強いストレスを出来るだけなくし、メリハリのある心のあり方や生き方がバランスの良い状況を生みます。また食などの生活改善と呼吸も大切です。また健康を維持するためには、自分の性格や傾向を見極めて、極端な状態になってしまわないように心がけることです。もちろん人生には時折不可避的な苦しい状態も訪れます。確かにそれがストレスになることがあり、強い感情の働きは、身体に必ず影響を与えます。ちょっとしたことでくよくよ悩んだり、ねたみやひがみの気持ちを持ち続けたりすると、限度を超えたときに破綻をきたすことでしょう。またよこしまな心を持ったり、他人の足を引っ張ろうとすると、心の持ち方がゆがんで、体調もゆがんできます。心の持ち方は病気を防ぐ上でとても大切なことだと思います。体調のよしあしは自分自身にある、わたしはそう考えたいと思います。」他人に対する気持ちが、結局は自分に帰ってくるのでしょう。「情けは人のためならず、めぐりめぐって己がため」ということでしょう。自分の他人のよい環境の中において、精神的にも肉体的にもゆったりと自分らしい生き方をしていくことですね。
なるほど「薬」とは「半ば強引に直そうとするもの」それゆえ「後で副作用が出ます」・・・とても頷けます。そして「強く叱る」ことが「薬」に喩えられ「体罰」が「覚醒剤」に喩えられるところなど全くもってその通りで、とてもわかりやすいですね。最近つくづく思うのは、「ルール」や「約束事」を大人と子どもとの間で決めると「ルール」や「約束事」がもつ抑制力が強調され、容易に「叱ること」や「罰」に結びつきます。特に小学校低学年以下(脳の臨界期以前)の年齢の子に対して叱ったり体罰を加えたりすることについては考えさせられます。そして「限度を超えたときに破綻をきたす」ケースがあちこちに出てきます。「環境」を通して「精神的にも肉体的にもゆったりと自分らしい生き方」を実現させたいものです。
ストレスが溜まり、それが限界突破してしまうと体の何処かが悲鳴をあげてしまいます。そうしない為にも、自分の事をよく知っておく事が、病気を予防する一つの手段なんですね。また「自分らしい生き方」をちゃんと分かっている事も予防の手段ですね。私もはやく「自分らしい生き方」を発見したいです。
薬を使うことにしても叱ることにしても、その後にまた体調を崩さないように生活習慣を改善したり、悪い行為を悔い改めたりする気持ちをもてるようにしなければあまり意味はないように思います。薬の使い方や叱り方をもっと考えなければいけないと思います。環境によって体調を崩したり心のバランスを崩したりすることを薬だけで何とかしようとするのは、どう考えても無理があります。でもまず一番大事なのは、安保教授が言われるように「ムリ」をせず「ラク」をしない生き方を心がけることでしょうね。