気分転換

 よく、私の園に来て、3,4,5歳児の保育室に行って子どもたちのたくさんいる中でじっと座っている人がいます。なぜかというと、そこにいると心が落ち着くのだと言います。また、以前、障害を持った男子高校生が私の園に来て、実習をしたことがありました。その人が実習をした初日、家に帰ったときに母親からこう言われました。「初めての日だから、疲れたでしょう。」そのときに彼は、こう答えたそうです。「疲れるどころか、普段の疲れが吹っ飛んだよ。だって、人って、子どもといることは自然なことだから。」また、こんなこともありました。高校に入学した直後から不登校になって、学校を辞めた青年が、ボランティアで保育園に来て、子どもと遊んでいるうちに、高校にもう一度行ってみたいと思うようになって、翌年高校に入り直して、生徒会長になりました。私も、出張から園に帰ってくると、まず、保育室に行って、子どもの顔を見ます。ホッとするからです。仕事で疲れて家に帰って、子どもの寝顔を見ると疲れが飛んでしまう人も多いと聞きます。子どもには、そんな癒しを与える力がある気がします。疲れたとき、何かにいやになったとき、子どもの顔を見たり、子どもと触れ合うことで癒されてくるのを感じます。しかし、最近、子どもと一緒にいることで癒しを感じるよりも、ストレスを感じる人が多くなってきた気がします。オリコンが「あなたのプチ休憩所」についてのアンケート調査を実施しました。仕事を思いきりサボるほど時間はないけど、ちょっとだけ気分転換したい時に、そんな場所をどこに求めるかという問いにどこと答えたのでしょう。総合1位には「トイレ」が選ばれました。トイレという場所は、どうも社会人にとっては用をたすだけではなく、トイレの中でいろんな形で気分転換を図っているようです。なぜトイレかというと、「個室の中でなんとなく落ち着く」(大阪府/20代/男性)、「喜怒哀楽を他人から見られずに済む」(愛知県/30代/女性)、「1人になれる」(大阪府/30代/男性)と、完全に1人きりになりたい時にトイレに行くという人が多いようですし、また、「眠い時、少し寝ます」(東京都/30代/女性)、「広いしトイレも鏡もあり、ちょっとした自分空間」(大阪府/20代/女性)など、自分の部屋さながらにリラックスする女性も多いようです。総合2位は「喫煙所」です。この場所は、男性からの圧倒的な支持を得たそうです。「仕事と関わらない人と話ができる」(兵庫県/40代/男性)、「タバコで一度気持ちをリセットできる」(愛知県/20代/男性)など、タバコや雑談でリフレッシュするという、気分転換のために利用する人が多いようです。なかには、タバコを吸うかどうかは別として「喫煙所しか休憩できるところがない」(東京都/20代/女性)という人もいたそうです。逆に女性から大人気だったのが総合3位の「給湯室」です。「上司に見られなくて人の邪魔にならない場所だから」(東京都/20代/女性)と、上司や先輩、男性社員など、特定の人たちから離れられるところであり、「コーヒーブレイクを楽しんでいます」(大阪府/30代/女性)と、自分だけのためにお湯を沸かしている人もいるようです。休憩をする理由として多かったのは、「1人になれる」、「わずらわしいことから離れられる」などのようですが、子どもがストレスの原因であるという人は、どうも、子どもという存在が、自分一人でいることを邪魔する存在と感じる人のようです。いつから、人が一人でいることが好きになったのでしょうか。