かぐや

 明日の予定が、明後日に変更になりました。それは何かというと、安部総理に辞任ではなく、三菱重工業の大型ロケット「H2A」13号機が、鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられる予定です。この月探査機「かぐや」は、1960~70年代の米国アポロ計画以来の本格的な月探査を行う宇宙航空研究開発機構の月周回衛星です。打ち上げ予定は、今のところ、14日午前10時31分01秒です。「かぐや」の打ち上げは、当初8月16日でしたが、電子部品の取り付けミスにより明日に予定されていたものです。1969年、アポロ11号が人類史上初めて月面に降り立ったときには、世界中がテレビの前に集まったものです。長い歴史の中で、人類は月を眺めてきました。その明るさや、形が変わる満ち欠け、ぼんやりと映る影などから様々な歌や絵に描かれ、昔話に登場し、想像力を掻き立ててきました。アポロは、その月に降り立ち、石などを持ち帰りました。しかし、当時は人を月に送ることが目的だったため、普段、地球から見ることができない月裏側の様子や、鉱物の存在など多くの未解明な部分が残っています。今回の探索機の探査能力は、世界のこれまでの探査衛星の中ではトップクラスであり、月の起源や進化の謎が解明され、ウランなど新資源が発掘されることなどに夢と期待が膨らんでいます。また、ハイビジョンカメラを使い、月の地平線から地球が昇る、日の出ならぬ「地球の出」も撮影する計画だそうです。この探査機の「かぐや」の名称は一般公募で決まりました。月というと、なにをイメージするかというと、応募総数1万1595件のうち、「かぐや」が最多の1701件だったそうです。それは、もちろん「かぐや姫」にちなんでいます。それほど人気があり、みんなが知っている昔話であるのに、私は、その話を全部を知っている人は少ないのではないかと思います。その話の「竹取物語」「竹取翁の物語」は、日本最古とされる物語で、作者成立年不詳、仮名で書かれています。書かれたのは平安時代の前期と考えられていますが、はっきりとはわかっていません。あらすじとしてみんなが知っているのは、「竹細工を仕事にしている翁が、ある日、竹林に入ると、一本の竹が光かがやいていたので、これを切ると、中から手のひらにのるほどの小さな女の子がでてきた。」というのと、最後の「この姫は実は月世界の人で、満月の夜に迎えの使者たちが来るので、月に戻らねばならない。そこで、帝は使者たちを近づけまいとして、兵士に守らせたが、迎えの天人たちの霊性に手出しすることもできず、姫はするすると天に昇り戻ってしまった。」というところだと思います。もう少しよく知っている人は、「五人の貴公子たちが熱心に求婚してきたので、姫は求婚者たちの真心と力量を試すために、それぞれに難問を託した。」ということで、その難問は「天竺にある仏の御石の鉢」「蓬莱山にある玉の枝」「絶対に燃えない火鼠の皮衣」「竜の首にある五色の珠」「燕の持つ子安貝」を探し出して持参して欲しいというものです。とうぜん、そんなものは現存しないので、すべて失敗してしまいます。しかし、ときの帝の所望は断れず三年ほど付き合った結果、夜を過ごそうとしたときに、実は月世界の人だと打ち明けるのです。そして、かぐや姫は、月の世界に戻るにあたって、帝に手紙と不死の薬を残しますが、不死の薬があっても何の役にも立たないと、帝はそれを天に一番近い山の頂上で燃やさせてしまいます。それ以来、この山は不死の山、別名富士山とよばれ、いまでも不死の煙が立ち上っているのだと書かれています。当時、富士山の火山活動は活発で、煙が出ていました。そんな「かぐや」の目を通して、今回、どんな月を見せてくれるのでしょうか。