身土不二

古くから、食の信条として、また思想として用いられている言葉に「医食同源」や「身土不二」という言葉があります。「医食同源」とは簡単言えば「医」と「食」が同じ源であるということで、「食生活がきちんとしていれば健康でいられる」という事です。これは神農の「薬食一如」と同じ意味です。一方、「身土不二」は、その読み方によって大きく二通りの意味があります。「しんどふに」と読む場合は、仏教用語で、「身」(今までの行為の結果=正報)と、「土」(身がよりどころにしている環境=依報)は切り離せない、という意味です。「因果応報」「世は人を映す鏡、人は世を写す鏡」ということで、日蓮や親鸞灘さまざまな僧の教えにもこの言葉が使われています。また、「しんどふじ」と読む場合は、「地元の食品や伝統食が身体に良い」という意味で、大正時代に「食養会」が創作したスローガンです。食養会(大日本食養会)は、明治40年に陸軍薬剤監石塚左玄を顧問として発足した健康食運動の団体で、雑誌や書物の刊行、会の趣旨に適う健康食品の販売などを通じて、第二次世界大戦中まで食と健康の関係に関する独創的な仮説を全国に広めました。石塚の死後、専務理事で陸軍騎兵大佐の西端学が、石塚の考えを一般化するために「地元の食品を食べると身体に良く、他の地域の食品を食べると身体に悪い。」と解説したところ、京都の僧侶が「仏典に身土不二という言葉がある。」と教えたことから、仏典とは少し意味が違っていますが、これ以降この説を「身土不二(じ)」と呼び、食養会独自の大原則として広めたのです。簡単に言うと「身土不二」とは「身体(身)と環境(土)とは不可分(不二)である」という「人と土は一体である」「人の命と健康は食べ物で支えられ、 食べ物は土が育てる。故に、人の命と健康はその土と共にある。」ということから、「身体と大地は一元一体であり、人間も環境の産物で、暑い地域や季節には陰性の作物がとれ、逆に寒い地域や季節には陽性の作物がとれる。暮らす土地において季節の物(旬の物)を常食する事で身体は環境に調和する」というものです。まさに、夏が旬の野菜には、ナス、トマト、きゅうりなど水分をたっぷり含み、喉の渇きをいやすとともに体温を下げる効果があるものが多く、しかし、水分の多い夏の野菜や果物は、ともすると消化不良や下痢の原因になるとも考えられがちですが、これはむやみに冷やしたものを多く摂取してしまうからで、正しく、バランスよく旬のものを食べれば、むしろ胃腸の調子も良くなるようです。もともと夏の太陽を浴びて育った夏野菜や果物には、汗とともに失いがちなビタミンやミネラルなどの栄養素がふんだんにあります。かぼちゃは、カロチン、ビタミンC、Eなどの栄養素を多く含む健康食品の代表であり、ナスも一見、約94%は水分と糖質でミネラルは多少はあるものの、ビタミンは他の野菜と比べてもかなり少なく、栄養成分表を見れば、「たいして栄養がない野菜」のように見えますが、ナスの皮の色素でもある「ナスニン」や「アントシアニン」、アクの元となる「クロロゲン酸」などは体を調節するのに大事な働きをしているのです。また、トマトの赤色成分は、リコピンという色素。強い抗酸化作用があることはCMなどで有名になりました。食が地域といかに深く結びつき、その結びつきが希薄になってきつつある今、さまざまなひずみが生まれ、問題が発生しています。園でのアレルギー児が増加し、アトピーなどが増え、環境ホルモン、遺伝子組み換え農産物など考え直さなければいけないことがたくさんありそうですね。

身土不二” への2件のコメント

  1. それぞれの季節にできる作物は、その季節に食べるといいもの。その土地でできる作物は、その土地の人にあったもの。そんな風に考えると、日本人である私たちが今多く食べているものは外国の物が多すぎるように思います。日本人は日本の土地に育てられると考えると、食に対する取り組む方向が見えてきます。アレルギーやアトピーなどの増加は、私たちに対して「食生活の見直し」を訴えているような気がしています。やっぱり日本人が大事にしないといけないのは、昔の人が食べていたようなお米を中心とした食事ではないかと思うようになりました。

  2. 夏バテ気味の今日この頃、その原因はやはりこの猛暑とストレス、そして水分の取り過ぎ、不規則な睡眠、・・・。いずれにせよ、今日のブログの「身土不二」がまだできていないことが最大因です。以前横浜から郷里に戻った時も1~2年は「身土不二」ができず、すぐにお腹にきていました。その時は余程ひよわな奴、と思われたことでしょう。今回8月以前は我ながら順調に来ているかと思いきや、ついに体調不良を実感する今日この頃。皆さんのお気遣いに甘えながら寝込まずに少しずつ回復の途に就きたいと思っております。ところで昨日品川にいくことがありふと目にとまったものが今の品川駅のショッピングエリアや周辺がNYをもとにデザインされたという表現でした。土(環境)がNYを模倣したらそこに暮らす人(われわれ)もそれにならわないと齟齬が生じさまざまな不都合が出来します。「身土不二」の大切さを再認識しなければ今後さまざまな困難が多く出てくるような気がします。

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