今日の8月9日は、「ムーミンの日」です。そう決められたのは、2005年からですが、それまでは、「ムーミン」を愛する日本のファンたちによって6月(ムー)3日(ミン)の語呂合わせで、6月3日が記念日でした。しかし、現在は、作者のトーベ・ヤンソンさんの誕生日である8月9日が、正式な“ムーミンの日”と定められることになったそうです。「Moomin:The Complete Tove Jansson Comic Strip」は、Timeの「2006年に英語圏で出版された本のベスト10」にも選ばれています。日本では、このシリーズを、ムーミンの声を岸田今日子さんが担当したことでテレビアニメ化をしたので、みんな知っています。しかし、なかなか本では読まないので、本当のことを知らないことが多いようです。このムーミン・シリーズは、子ども向けの作品ながら、小説での雰囲気は決して明るくはなく、不条理な内容や哲学的な会話なども登場します。作者のヤンソンさんは画家でもあり、ムーミンの原型となるキャラクターは小説執筆以前にもたびたび描かれていました。小説として初めて登場するのは1945年にスウェーデン語で著された『小さなトロールと大きな洪水』で、その後ムーミン・シリーズとして知られる計9作品に登場するようになります。登場人物には哲学的・詩的な発言をするものも多く、子どもとして描かれているアニメでは主人公のムーミン・トロールには理解できないという描写がしばしば見られます。特に、シルクハットがトレードマークのトーベ・ヤンソンが自分の父親をモデルにしたというムーミンパパは、特にわからない考え方や行動をすることがあります。パパとして登場するときは、海と自由と危険、パイプたばことお酒とキャラメルを愛するロマンチストとして描かれていますが、実は、暗い、波乱万丈の過去を持っているのです。ムーミンパパは赤ん坊のとき「ムーミン捨て子ホーム」の階段に新聞紙にくるまれて置き去りにされていました。その施設を経営していたのが、ヘムレンさんです。今の、赤ちゃんポストのほうがまだいいかもしれません。この施設は、気持ちよくおしゃべりのできる場所とか、個室とか、階段やバルコニーや塔なんかなく、それどころか、夜起き上がって、食べたり、しゃべったり、歩き回ったりすることは止められ、おしっこするのがやっとこさでした。決まった時間に食事をし、決まった時間に体をあらわなければならないとか、お辞儀をするときには、尻尾を45度の角度で、上にピンと立ててなければいけなかったというような規則ずくめの施設でした。ですから、子どものころのパパは、ヘムレンさんに「なぜこうなっているのですか。なぜこの反対ではいけないのですか。」とたずねることがしょっちゅうでした。その施設からあるとき、こんな置手紙を残して必死に脱走します。「大きな使命が、私を待っているような気がします。それに、ムーミンの命は短いのです。ですからわたしは、ここをでていきます。」こうして、パパは自由と冒険に人一倍憧れる様になったのです。フィンランド文学研究家の高橋静雄氏は、[ムーミンパパの思い出」の解説でこう書いています。「ムーミンパパは、自分らしく生きようとすることが、どんなに大きな感動をもたらすかを、知らず知らずのうちにムーミンに伝えたことになります。ムーミンの、あのやさしさは、自分が自分らしく生きることと、他人が他人らしく生きられることの双方に、同じように思いやりを示さずにはいられない気持ちから生まれているものです。それは、自分らしく生きることの感動を知らず知らずして生まれてくるものではないでしょうか。」
子どもの頃アニメ「ムーミン」をみていました。女優岸田今日子さんの、あの独特の語り口が印象的で、その後岸田さんをドラマで観るたびに「ムーミン」を思い出しました。テレビアニメの影響でトーベヤンソンの『ムーミン谷の仲間たち』(?)の本を図書館で借りて読み始めましたが、長くは続きませんでした。どうやら活字で「ムーミン」を読むほどまでに自分自身が成長発達していなかった、ということでしょう。ところで息子のおかげで「となりのトトロ」を何十回となく観るはめに陥りました。どうやら「トトロ」は「トロール」から来ているらしい、ということがわかります。すると「ムーミン」の日本版が「トトロ」か、と想念を逞しくします。「ムーミンの命は短い」それゆえ、ムーミンパパは冒険と自由に人一倍憧れる・・・私たちは「冒険と自由」に憧れているでしょうか。さもなければ「命の短さ」を知らないことになります。ムーミンパパは「命の短さ」を知っていた。このことから学べることは多い、と思いながら今日のブログを読みました。
ムーミンはアニメしか知らないので、今回の内容はなかなか新鮮でした。アニメも詳しく知っているわけではないですが、ムーミンのイメージから考えると、不条理な内容や哲学的な会話などは結びつきません。自分が自分らしく生きることと、他人が他人らしく生きられることをムーミンパパの暗い過去を通して考えさせてくれるというのもイメージとは全く違います。ムーミンちょっと不思議なお話だったんですね。