昨日の朝日新聞に「インド式」の計算という記事が掲載されていました。その記事は、2ケタのかけ算をあっという間に解いてしまう、「インド式」の計算ドリルの話題です。今年の初めの産経新聞にも、インドの数学について掲載されていましたが、少し前から話題になっています。それは、今、日本では理数離れが進み、分数ができない大学生が続出してしており、掛け算九九でさえ言えない大学生がいるようです。反面、インドは、IT技術立国に躍進しました。その理由のひとつとして、インド人は2桁のかけ算が暗唱できるからとも言われているように、インドでの算数、数学の教え方に学力向上策のヒントが隠されているといわれています。そんなことで、日本にも昨年7月に、国内2番目のインド系学校が開校しています。その学校のニヤンタ・デシュパンデ代表は、「計算は高度な数学を習得するための基礎。計算ができることで数学への自信がつき、理解を深めていく」と話しています。しかし、「本国では最近は19×19までの暗記にとどめ、後は応用させている。暗記だけではだめ」と付け加えています。確かに、インドの数学教育は、九九を暗記させるからよいのではなく、「論証を重視し粘り強く考えさせている。大学入試もほとんど証明問題で、マークシートが主流の日本とは違う」と芳沢光雄東京理科大教授は指摘しています。暗唱ではなく論証重視だというのです。また「四則計算の場合、掛け算・割り算を先行させる法則を無視した計算式を多数示し、理解させた上で計算規則の必要性を説いている」と、法則の成り立ちを考えさせる指導法を行っているのです。いまだに、公式を暗記させたり、数式を解くことが重視されたり、解き方を工夫するより解き方を暗記させることに重点を置いた日本の数学は、遅れている気がします。インドの学習指導要領に「わが国が科学技術で重要な国になるつもりなら、この段階の数学教育を重視し、創造的にすべきだ」などと「国」を意識した記述があることなどを見ると、以前のブログで書いたドイツでの幼児教育からの数指導と同じ方向であることがわかります。芳沢教授は、「日本の指導要領は何のために勉強するか分からない。インドは志を育てるから強い」と分析しています。ドイツでの数学は、人格形成の一環であるとするのに対して、インドの数学は、「論証と志」重視ということになるのでしょう。昨日の記事でも、日本のインド系学校のニヤンタ・デシュパンデさんが、二桁の掛け算を説明しています。例えば75×75。1の位の数同士を足すと10になり、10の位の数が同じ場合にあてはまる法則を使う。1の位の数同士をかけて5×5=25、10の位の数字とそれに1を足した数字をかけて7×(7+1)=56。この二つをそれぞれ1と10の位、100と1000の位に並べ、5625と答えがすぐに出るというやりかたです。また、10台同士のかけ算のルールもあります。13×19なら、13に19の1の位の数9を足して10倍すると、(13+9)×10=220。これに1の位の数同士をかけた3×9=27を足す。220+27=247と、暗算でも出せるのです。こんな話は、頭が痛くなる人が多いでしょうが、たぶん、それは、日本の数学教育のあり方による弊害でしょうね。一時期、ネットで話題になったこんな話しはどうでしょう。一行で書けるごく簡単な、年齢を求める計算です。今日の日付と生年月日をそれぞれ8桁の西暦で指定して(今日の日付-誕生日)÷10000の小数点以下切捨てとすれば年齢が分かるというものです。やってみてください。
2桁の掛け算の説明を読みましたが、全く理解の仕方が違っています。ドイツでは人格形成の一環、インドでは論証と志、日本では暗記が中心。大切な学校教育の教科の考え方がここまで違うことを考えると、そこで身につく力はもっと差がつくんでしょうね。
今の教育を見直すための材料は十分すぎるくらいにそろっていると思うので、あとはそれをどう判断し、どう生かしていくかだと思います。日本の大人が試されている気がします。
小学校の時はあまり疑問に思わなかったのですが、中学頃から「どうして数学を勉強するのだろう?」と思い始めました。教師は「文部省の指導要領に書かれているから」とか「高校や大学の受験に必要だから」と答えてくれました。納得がいかないままそれらの答えを受け入れました。後年、学習塾を主宰していた時、同様の質問を塾生から受けました。その時は「数学を勉強することで眠っている脳細胞を活性化させられる」とわかったようなわからないような答え方をしていました。ドイツでは「文字」「数」が人格の形成に資し、またインドでは「志」に資する、と。日本の「教育指導要領」などには「論理的思考」云々と書かれてあるのでしょう。せめてドイツやインド並みの水準で数学学習の意義が書かれてあれば、この国の「算数理科離れ」は止まるような気がします。ところで今日のブログでも紹介されていた「ドリル」買いました。近くのコンビニにで売っていたものでした。ページをめくるごとに「なるほど」を連発しています。