ビアガーデン

 東京は、毎日暑い日が続きます。そんな暑さを吹き飛ばそうと、昨日何人かと「暑気払い」をしました。しかし、最近の若い人たちはこの「暑気払い」ということを知らないようです。どうも、都会では、この言葉はサラリーマン用語のような気がします。「暑気払い」は、「しょきばらい」とも「しょきはらい」とも言います。その言葉の本来の意味は、「夏の暑さを払いのけること。暑さよけのための方法を講じること。」ですが、都会では、「夏に、暑さをうち払うという名目で行われる宴会、飲み会」のことを指す場合が多いようです。そして、最後に、よく、手拍子によって三本締め、一本締めなど「締め」をします。また、飲み会で飲む酒は焼酎や梅酒などさっぱりしたものが多かったようですが、最近は、もっぱらビールのようです。そして、場所としては、「ビアガーデン」 (ビアレストラン・ビアホールとも呼ばれる)といって、屋外(ないし建物の屋上)に多数のテーブル席を並べ、そこには舞台が用意され、音楽演奏やダンスなどが時間を決めて行われます。昨日行ったビアガーデンは、新宿のデパートの屋上でした。屋上はとても広く、席も何席もあるのですが、満席で45分待ちということでした。
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しかし、私たちは10分足らずで座ることができました。というのも、舞台のまん前で、演奏の音がうるさくてだれも座らない席でしたので、すぐに用意してもらえたのです。新宿の高層ビルの真ん中ですので、ビルの屋上にいても、そこから見える景色は、周りのビルが高いので、地上にいるような感覚でした。しかし、風がさわやかで、昼間の暑さを吹き飛ばすような、本当の暑気払いをしている感じでした。このようなビアガーデンの多くは、夏期に限定して開設されます。都会では、消夏法として広く大衆に好まれ、夏の風物詩であり、夏の季語にもなっているくらいです。私は、ビアガーデンに行くのは何年かぶりですが、八王子にいたとき、高尾山の山頂のビアガーデンに一度行ったことがあります。ビルの屋上ではなく、山の上というのもありですね。日本で最初の屋上ビアガーデンは1953年に大阪市北区梅田でオープンした「ニユートーキヨー大阪第一生命ビル店」だそうです。屋上のビアガーデンでなければ、日本で最初のビアガーデンは、1875年に横浜・山手で「スプリング・バレー・ブルワリー(現在の麒麟麦酒)」の創始者であるコープランドが、工場隣接の自宅を改装して開いた「スプリング・バレー・ビヤ・ガーデン」だそうです。このころは、主に外国人居留者と外国船の船員向けでした。この形のビアガーデンは、最近はよく見かけるようになった、工場で出来立てのビールを提供する飲食店「工場内ビアレストラン(ビール園やブルワリー内ビアホール)」のルーツとも言えます。料理の定番は、ビールのおつまみ的なものが多いのですが、なぜか中華ものが多いのは、大皿に盛って、みんなで分けて食べる形式だからでしょう。中には、焼肉、バーベキュー、ジンギスカンなどを行う場合もあります。テーブルや椅子は、雨にかかることと設営の簡易さから、アルミニウム製またはプラスチック製であることが多く、軽くて風に飛ばされそうです。昨日の舞台では、サンバとジャズ演奏でしたが、大型テレビでナイターを放送することもあります。
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他に、札幌市の大通公園では、幅65メートル、長さ数百メートルに渡る広大なビアガーデンで有名ですし、明治神宮外苑にある「森のビアガーデン」は、周りが森に囲まれたビアガーデンです。本来は、「寒気払い」もあるそうですが、屋外で行われる「暑気払い」は、夏を感じさせる風物詩です。