夏の風物詩1

 ドイツからのお客さんに、「何でこんなに日本は、アメリカっぽいのですか?日本の文化はとてもすばらしく、ヨーロッパでは見直されているのに」というような事を言われて、園で、もう少し、日本の文化を見直そうと取り組むようにしています。特に、新宿の園には、多国籍の子が多く在園しています。これからの子たちには、グローバルな世界で生きて欲しいと思います。だからこそ、もう少し日本文化を伝承しないといけないのでしょう。何回かブログでも書きましたが、そんな意識はありませんでしたが、私の園にはかなり日本的なものを取り入れています。何年か前の職員旅行のレクリエーションで、クイズに「園長先生の好きな国はどこでしょうか?」という問題が出されたことがありました。ほとんどの職員は、私が毎年ドイツに行ったり、ドイツデザインのものを多く持っていたり、私の部屋はドイツ家具で統一されたりしていますので、「一番好きな国は、ドイツ!」と答えました。私の正解は、「もちろん、日本!」です。まず、園の入り口脇に額に入れられて飾られているのは、季節ごとの「和手ぬぐい」です。今は、いろいろなところで季節の手ぬぐいが売られるようになっていますが、以前は、季節の変わり目ごとに浅草の手ぬぐい専門店に買いに行ったものです。今に時期は、朝顔の絵柄が飾られています。手ぬぐいは、もちろん1年中いろいろな絵柄があります。今は、冬用にサンタクロースがそりに乗って空から滑り降りてくる図柄があるように、特に日本的ではありませんが、本当は、見た目は、「涼を感じさせる夏の生地」と「和の柄」がお似合いです。江戸時代から、夏には着物や手ぬぐいに涼感のある柄や素材が用いられたため、そのイメージがあるのでしょう。ですから、「神田川」で歌われた「赤いマフラーにした手ぬぐい」は、タオル地のような気がします。しかし、手ぬぐいは、今は布巾に使われることが多いように水気をよく取るので、夏に流れる汗を拭うのに必需品でした。ですから、夏に使われるもとというイメージが強く、涼感たっぷりの柄が多く出回ったのです。吸水性だけでなく、速乾性にも優れた手ぬぐいは、汗拭きや鉢巻き、風呂で体を洗うのに用いられ、使っては洗い、干して乾いてはまた使われました。また、人夫など、汗をよく掻く職業の人は、腰にさして常に持ち歩いていました。かまやつひろしさんの歌でヒットした吉田 拓郎作曲の「我が良き友よ」では、「下駄を鳴らして 奴が来る 腰に手ぬぐい ぶら下げて」と歌っていましたね。そういえば、この下駄も、夏のイメージがあります。それは、下駄と浴衣という組み合わせを思い浮かべるからですが、下駄は、普通素足に履き、木の感触が涼しげに感じるからでしょう。また、あの歩くときに鳴る「カラン コロン」という音も涼しげに聞こえますね。下駄を園では使いませんが、草履を使うところはあるようです。私の園でも、見本を取り寄せて見ました。なかなか取り入れるのには、勇気が要りますが、足の裏に当たる感触がいいだけでなく、「鼻緒がある履物は、足の指が鍛えられます。地面をつかむ力が強くなると、背筋が伸びて足腰全体にも良いので、中高年の方にはそういった意味でもおすすめしますよ」と、浅草にある和装履物屋、「辻屋本店」の富田里枝さんが言っています。日本古来のものには、生活の知恵と、日本の風土にあったものが伝わっているのですね。もういちど、いろいろなものを見直してみたいと思います。

夏の風物詩1” への8件のコメント

  1. 手ぬぐいは使い始めにほつれてくるところが妙に気にいっています。昔は手ぬぐいが周りに結構ありましたが、最近はあまり見なくなりました。下駄や草履も同じです。それらに込められている生活の知恵なんかを知るとやはり大切にしなければいけないと思います。外国の物や文化にいいものもたくさんあるでしょうが、日本の文化はきちんと理解しておかないといけないでしょうね。子どもたちに豊かな自然環境も残さないといけないですし、大事な日本文化も伝承していかなければいけません。やらなければいけないことがたくさんあります。

  2. 当園では室内は素足、外は草履で20数年前からやっているので定着しています。足型も毎年採っていて、今年の6月は年長児で完成率は82%でした。真冬も「素足に草履」ということに定着するまでには何年かかかりましたが、定着すると、筑波山くらいなら草履で登れるように(年少児でも)なります。普段の生活でも座卓で正座(の日本文化)を取り入れているので、足腰は強くなったように思います。今は、洋式のトイレやベッド、椅子の生活が当たり前なので、身体の発達が自然に育ちにくいと思います。園の生活は長いですから、日本文化を多く取り入れることによって、身体の発達も保障できるようになると思います。

  3. 藤森先生!うちも今、朝顔の和手ぬぐいを飾っています。富良野も、やっと夏らしくなってきました。暑い時は、玄関先に柄杓で打ち水をしましょう。そちらはそれくらいでは「焼け石に水」でしょうか? なにげない一コマ一コマが、静かに子どもの脳に刷り込まれていくのですね。日本の季節感も、大切に表現していきたいです。中高年にお勧めの鼻緒のある履物も、もう一度見直してみます。

  4. 前の園で履いていた「草履」を今の園でも使用しています。四六時中ではありません。履いてみたいな、と思うとき、履けるように机の下に常備しています。靴下を脱いで素足でいぐさ敷きに触れると足の底から軽やかになります。今の時期、草履は確かに「心地良い」「快」ですね。日本文化の良さは、この「快」をもたらすところにあるような気がします。もっとも、日常生活が「オーベーカ」しているので「日本文化」といわれるもの・ことが「不快」になることがあるかもしれません。致し方のないことです。「伝統」という言われ方をします。「伝統」として生き残る文化はその根底あるいは本質に「快」があると思えてなりません。「快楽」とは別種の「快」のありようが次代に継承される「文化」となるに違いない、と今日のブログを読みながら考えた次第です。

  5. 私も夏は草履をはいています。何年か前に通っていた子のお母さんがお勧めしてくださって、暑い時に素足に畳!の感覚がとても心地いいです。毎年、別に強制しているわけではないのですが(なにぶん強制するのもされるもの嫌いなもので)保育士さんも買い、子ども達もお母さんがどこからか見つけたり、共同購入で送料を安くしたりして半数くらいの子と親がはいています。
    しお先生がはくと、おしゃれ?(死語ですね)、かわいい?(って草履がですよね!)といわれ、喜んでいます。でも難点もあって、泥が入り込むのと先がそじてくるので一夏もてばいいほうなのと、みんな同じなので鼻緒に目印をつけなければいけないことです。
    見分けがつくようにと、かわいらしく鈴をつけたお母さんがいましたが、それはもう元気な子どものこと、あっというまに取れてしまい、次は鼻緒に名前を刺繍してあげていました。それを見るとなんだか私もお母さんにやさしくしてもらったような、優しい気持ちになるのでした。

  6. ヨーロッパなどに比べれば伝統の浅いアメリカに憧れました。 短時間でできるもの、簡単便利なものなど そこには、じっくり楽しむものが少ないと感じます。 走ることには適さない下駄でも から?んころ?んと音をも楽しめます。
    それも日本人の 物を大事にする気持ちの表れ方の1つでしょうか。 子ども達に伝えたい日本の良さは何かと考えると 暑さと共に 不眠になりそうです。日本らしさは、日本の伝統なんですよね。

  7. 日本の文化、伝統にはその土地の気候や習慣、人々の性格のようなものが表れているそんな気さへします。文化、伝統をどう保育へ取り入れることができるか楽しみながら考えていきたいです。手拭いといえば、私も学生時代から馴染みのあるもので、とても身近なものでした。剣道をしていたので、そんな手拭いは毎日の必需品でした。ですので、今でも手拭いには反応してしまいますし、毎日の手拭きにもつかっています。剣道の場合は手拭いを頭に巻いて面を被るのですが、一度手拭いなしで面をつけたことがありますが、とにかく痛いです。薄い手拭いではありますがしっかり頭を守ってくれているみたいです。速乾性もあるので、すぐに乾くのも助かりますし、ある程度汗もぬぐうことができます。手拭いをタオルにしてみたらと思うとなかなか使い勝手が悪いので、その便利さ用途には驚きます。

  8. 他国を知る機会の度に、日本という国の文化や環境の存在が、自分の中で大きくなっていることがあります。それはきっと、これまで生きてきた日本での生活の中の活動を、歴史や文化などによって紐解かれていくイメージがあるからだと思います。こういった気づきを、保育の環境にも活かして子どもたちにも伝えていきたいですね。いつかきっと、子どもたちもその環境の意味や良さが身にしみる時期がくることを願って環境を設定していくと、なんだか楽しみながら行えますね。日本の風土に適した環境を作ってきた先人たちの知恵が、今の自分を支えていると考えると、しみじみしてきます。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です