上諏訪

 今、「リーダーシップとは何か」という原稿を書いていますが、リーダーとして必要な要素はたくさんあるので、どのように書けばよいか、なにを重点とすればよいか迷うことが多く、締切日がだいぶ過ぎているのに、なかなかペンが進みません。そのリーダーとしての資質として、こんなことを書きました。「外部に目を向けることによって、機会を見出すことが必要になってきます。このために、広い視野を持ち、常に新しい情報を得、それに対応する柔軟性と活力を持たなければなりません。そして、この変化する社会に対して、それに翻弄されないような確固たる理念と、守らなければならない使命を持たなければならないのです。この広い視野と、確固たる理念を持っていることで、職員の意見、提案を聞く力がリーダーに備わってきます。その聞く力が、職員のいろいろな発想、提案がしやすくなる環境が備わってきます。そして、そのなかから真理を見出し、その真理から実行すべき具体的な行動を見つけることが必要になってきます。そして、よいと思ったことを実行するための行動力が必要になってきます。」このことが感じられることに、こんな実践があります。中央本線の上諏訪駅の1番線ホームの一角には、岩の塊がごろごろしています。そしてそこには、暖簾や看板があり、湯煙が立っています。そこには、『足湯』と書かれています。
asiyu.JPG
 かつては、ここに露天風呂がありました。駅の敷地内に温泉が湧き出ているわけではないのですが、国鉄時代の昭和61年8月に、長野鉄道管理局の「一駅一名物」キャンペーンの一環で、お湯をホームまで引いてきて露天風呂を作ったのでした。この露天風呂、日本で唯一駅のホームにある露天風呂として有名となり、鉄道ファンのみならず観光客も大勢訪れ、一躍観光名所となりました。入り口は、売店の脇から入るようになっており、女性用と男性用と別れていました。窓口で石鹸を買うと、そこには、キップの型が押されていました。この露天風呂見るたびに思うことがありました。それは、作るようになったいきさつです。たぶん、「一駅一名物」のキャンペーンで、上諏訪駅になにを作ろうという会議をしたときに、「上諏訪は温泉が有名なので、ホームに露天風呂なんかどうだろうか」という意見が出たことにまず感心します。どう考えても、この意見を出したときには冗談半分だったような気がします。風呂ならわかるのですが、ホームに露天風呂ですから。しかし、こんな意見はもしかしたら出るかもしれないとは思います。しかし、すごいなあと思えるのは、それをやろうと決断した上司のような気がします。普通であれば、一笑に付されてしまいそうです。その露天風呂が2002年7月に改修され、足湯として生まれ変わっているのです。
もうひとつ、この上諏訪には有名な温泉として、「片倉館」があります。
katakurakan.JPG
 これは、諏訪を拠点する世界最大の製糸家、片倉財閥の二代目片倉兼太郎が、住民や工員の福利厚生のために建てたクアハウスです。片倉は大正11年から12年にかけて世界一周旅行を行った際、欧米諸国での地域住民に対する文化福祉施設の充実ぶりに感嘆し、このような施設をぜひ諏訪にもと財団法人片倉館を設立し、昭和3年に建てられました。この中の千人風呂は大理石の広い深い風呂で.子どもなら立って入れます。また、湯槽の底の玉砂利が敷き詰めてあり、足裏のつぼを刺激します。リーダーとは、地域住民、職員に感謝し、大切にする心も必要です。

上諏訪” への5件のコメント

  1. リーダーシップ・・・。ううう・・・。耳が痛いですね、この言葉・・・。リーダーシップは、身につけようとしてつくものでなく、自ずと身に付くものだと思います。
    私には、きっとリーダーとしての素質はあまりないと思ってます。どちらかというと、2番手3番手タイプですので・・・。
    いばるのも好きじゃないし、自分がトップだとかも思いたくもないし・・・。まあ、そんな弱気でどーするんだ、と言われそうですが・・・。
    先々、あまり、リーダーだとかそういうのは意識せずにいきたいです。自然な流れの中で、がんばりながら、自ずとチームとしてまとまってくることが、一番の理想です。
    ただ、決定力と言いますか、決断力と言いますか、そういったものと、ゆるぎない理念だけはしっかり持ち合わせていきたいです。
    意外と私、優柔不断ですので・・・。
    イヤ、慎重派と言った方がいいですね。
    世の中には、綿密な考えのもとにサクサクっと決定して行動できる人がたくさんいらっしゃいます。
    そういう方の話や本などに直面するたび、憧れます。

  2. 確固たる理念を持っているかどうかは大事ですね。まずはそこがスタートだと思っています。そこがはっきりしていないとすぐに迷ってしまいます。大切にすべき理念をしっかり持って決断と実行を繰り返すしかないと思いながら、悩むことばかりです。少しはその状態を楽しみたいと思うのですが、なかなかそうはいきません。自分でも「リーダーシップとは何か」という問いに答えられるようなところに早くたどり着きたいといつも思います。

  3. 上諏訪駅の『足湯』露天風呂や「片倉館」温泉、確かにリーダーたる存在の「広い視野と、確固たる理念」の賜物といつもながらの見事な写真を観ながら思ったところです。そして「リーダー」たる存在者がおしなべて「広い視野と、確固たる理念」をもってコトにあたっているならばこの世の中は「極楽世界」と化すことでしょう。相変わらずの「娑婆」世界を観るとどうやら「リーダー」たる存在者に「広い視野と、確固たる理念」が不足しているせいかと思ってしまいます。私が自身が「管理職」にあるので「リーダー」たる存在の一形態を担っています。すると今日のブログのキーワード「広い視野と、確固たる理念」の自己内存在を検証します。己の未熟さを憂いながらも「広い視野と、確固たる理念」の内在化を早急に図らなければ非リーダー存在者に申し訳ないと思えてなりません。

  4. 駅のホームに露天風呂、確かにその案を採用した上司の方がいると思うと、きっといい上司の方なのではないかなと想像してしまいますね。先日、何かのCMを見た時に「なんだか訳がわからないけどおもしろいな」と思ったと同時にこれを採用した人がいるんだろうなと思った時に、嬉しくなったのを覚えています。広い視野、確固たる信念は広い視点をいつも持ちながら、人(若い)を育てようという信念を持っているということでもあるのかもしれません。自分の持っている価値観だけで判断してしまうのは広い視点とはいえないように思います。人の意見に耳を傾ける、人の話を聞くことで視点はどんどん広がっていくのかもしれません。理念や思いから外れ過ぎないようにということも大切ですが、人の意見に「おもしろいね」と思える心も忘れたくないなと思います。それはきっと人を育てることにも繋がっていくのかもしれません。私もリーダーになることがあれば、チームの人がいきいきと働ける場所を作りたいなと強く思っています。

  5. ホームに温泉。…すごいですね。確かに、それを決断した上司の方は、きっと柔軟で人の意見に真摯に耳を傾けられる人であるような気がしました。また、そこと「リーダー論」がつながるというのが、新しい見方であるようにも感じました。“理論を実践で語る”という過程が、実に分かりやすく内容を理解させてくれます。藤森先生が以前、「職員が言った事・やった事を、私が理論付ける」と言っていたのを思い出しました。まさに、そういった過程と同じであるようにも感じました。そして、「守らなければならない使命を持たなければならない」という言葉が印象的でした。守るという行動には、人を強くさせる効果があるようにも感じます。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です