2007年07月10日 [近頃思うこと]
環境教育2
ドイツでは、学校での環境学習もきちんと位置付けられています。自然界のプロセスや生態系における相互依存についての知識は、数ヶ月単位で行なわれる「教科の枠を越えた授業」の時間に主に学習します。つまり、複数の教科の共通テーマとして環境を扱い、様々な視点から光をあてるのです。例えば「エネルギー」をテーマにした学習では、化学と政治の授業を組合せて行ないます。様々なエネルギー源について化学の授業で自然科学的に調べ、政治の授業では脱原発とエネルギー転換についてディスカッションを行なうといった具合です。 一方、短期間で学年・学校を挙げて一つのテーマに取り組む「プロジェクト」もあり、1週間単位のプロジェクトウィークなどもしばしば行なわれます。例えば「水ウィーク」では、生物の授業で海の生態系の勉強をし、化学の授業では水質分析をして飲料水の質を調査し、社会科では水不足の問題を取り上げます。 学校で実践的な環境学習プロジェクトを実施するため、数多くの自然学校(機関)や環境学習センターが講師を派遣したり、内容についてアドバイスをしています。日本の教育はほとんど一斉に知識を教え、それを覚えているかのテストをし、多く覚えている子が頭が言われるような、ずいぶんと古い教育形態をとっていますね。外国では、話し合いとか、議論をしあうとか、発表しあうというような「協同的学び」と、体験していくという教育に変わっています。自然教育も、日常生活では自然に触れることが日々少なくなっている子どもたちに、自然に直接触れることを通して、自然環境との良い関係を築いていこうとします。そのために、ドイツでは多くの学校が環境に配慮した校庭づくりをし、そこにビオトープ(生物の生息場所)を作っているのです。日本でも作るところが多くなりましたが、きちんとしたカリキュラムなり、プロジェクトが組まれていない場合が多いようです。また、「緑の教室」プロジェクトを実施する学校も増えてきました。6歳から10歳の小学生が、泥遊び場・生垣を使った迷路・畑などをつくり、校庭を様々な環境が体験できる場に自分たちの手で作り変え、その結果、畑には虫が飛び、花々が咲き、野菜や果樹の実がなり、そしてそれらは子ども達によって収穫されます。庭仕事を通して子ども達は、実際にいろいろなことを行なう能力を伸ばし、自然のサイクルを学び、栽培されている植物の利用法などを知ることができます。畑の隣の池の中央にはソーラーエネルギーで動く噴水があり、そこから子どもたちは代替エネルギーについて学びます。学校で飼っている動物の世話をし、さらに動物の糞をコンポストにし、それをまた畑に使うといったことを通して、あるいは獣医訪問などで、生徒たちは遊びながら動物について学びます。鶏小屋で飼われている鶏も、学校が休みの時も毎日、餌をやり世話をしなければなりません。こうした世話を通じて、責任を持つことを学んでいきます。自家製の卵、花、野菜や果物を週に1度の市場で売ることで、子どもたちは農作物の世話を学ぶだけでなく、数多いプロジェクトの費用の一部を自分達で賄うこともできるのです。自然体験は生徒たちの環境観にポジティブに作用することを、今ではドイツのほとんどの学校が認識しています。これからの時代では、なにを子ども達が学び、なにを体験することが大切なのか、もう一度見直すことが必要かもしれません。
投稿者 fujimori : 2007年07月10日 20:44
コメント
私が勤める園では一般道脇の園舎壁面の側溝で「メダカ」を飼ったり「睡蓮」を栽培したりしています。地域の人たちも関心をもって見守ってくれています。ところが最近こんな話を聴きました。近所の会社の方が、小学生がメダカの側溝に手を突っ込んでいたずらをしている、と知らせてくれました。保育園や幼稚園あるいは学校で「生きもの」を飼育して「大切に育てましょう」とか何とかといっているはずです。おそらく自分のところの「生きもの」は大切にするように仕向けられているのでしょう。他所の「生きもの」に対しては結構ひどいことをしても平気なようです。「環境を大切に」とか「自然を大切に」とは言っても言葉だけでおわってしまっているようです。わが国の教育の在り方はその根本から勇気をもって変えていかなければもうどうしようもない、と今日のブログを読みながら感じました。さもなければ、側溝のメダカたちも安心して暮らすことができません。
投稿者 toshi123 : 2007年07月10日 21:33
複数の教科の違った観点から共通のテーマに取り組む授業は、聞いただけでも日本の授業より充実しているように思います。様々な角度から考え議論するといった授業は、たとえすぐには上手くいかないとしても、じっくり時間をかけてでも取り入れてもらいたいです。
自然に対しての教育については、プロジェクトとして絞って取り組んだ方が、分かりやすく深まりやすいでしょうし、何よりおもしろそうです。
投稿者 あいやま : 2007年07月11日 00:12