子育て

 最近、子育てポストの利用状況を聞いたり、子どもへの虐待にニュースを見ると悲しくなります。そんなときに、動物の子育てを見ると、参考になったり、感動することが多々あります。先日水族館に行って、子育て中の姿を見る機会がありました。まず、最初は、「ミズダコ」の子育てです。魚屋で見かけるタコは、アフリカ産のボイル真ダコが圧倒的に多く、次いで国産のボイル地ダコ(国産の真ダコを地ダコと呼んでいます。)、そしてボイルか生の北海ダコです。この北海ダコが大抵はミズダコのことです。タコのトレードマークの頭に見える部分は胴体で、眼のある部分が頭、そして8本の足と思われているのが実は8本の腕です。その腕の付け根の中央部にあるものが口です。そのなかでミズダコは世界最大のタコです。このタコが、8本の腕で、卵をしっかりと抱えて守っている姿をみました。
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なんと、ミズダコのメスは赤ちゃんが誕生するまで約10か月間何も食べずに卵を外敵から守るのです。ミズダコはあまり目立たない岩穴などの中に卵を産みつけます。それからメスは子どもがかえるまで、ひたすら新鮮な水を卵にやさしくかけ続けます。流氷が海を覆ってしまう厳冬の時期、なんと水温がマイナス2度まで下がってもしっかりと卵を守っています。この行動は、やがて海開けとなり、水温がプラスの1度になる5月になって一斉に赤ちゃんたちが孵化を始めるまで続きます。そして、赤ちゃんたちの元気に飛び出して行く姿を見届けるとメスはやがて力つきて死んでしまいます。
もう一つ見たのは、「タツノオトシゴ」の子育てです。天空に昇る竜の姿にそっくりですが、れっきとした魚でヨウジウオ科の仲間です。このタツノオトシゴは、メスが、オスの腹部にある育児用の袋の中に産卵します。ですから、おなかの大きい姿をしているのは、オスのほうです。
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妊娠の大変さを体験するのはオスです。そして、2週間ぐらいすると数百もの子どもがオスのお腹から飛び出してきます。やはり出産の大変さもオスがします。しかし、その姿は、とても感動します。ですから、古くからタツノオトシゴを安産のお守りにします。これを絵本にしたのが、「はらぺこあおむし」を書いたエリック・カールの「とうさんはタツノオトシゴ」です。
「あなた、わたし たまごを うむみたい。」かあさんは いいました。「だいじょうぶ。ぼくに まかせて。」とうさんは いいました。「おねがいね、ありがとう。」かあさんは、とうさんの おなかの ポケットにそっと たまごを うみおとしました。そう、タツノオトシゴの卵は雄のお腹のポケットで孵化を待つのです。
この行動は、決してメスが無責任でも、オスに大変なことを押し付けているのではなく、メスの子育ての負担を軽減することによって、次の産卵に備えてメスは体力を蓄えてより良い卵を形成するのだと考えられています。オスとメスの連携プレーなのです。海の中では、想像もできないような神秘的な営みが地上の歴史とは別に繰り広げられています。そして、学ぶことも多くあります。人間の発達や営みにも多くの神秘的なことが含まれています。子どもを見ていると、人間という生き物のすごさをつくづくと感じます。そんな子どもを大切にしなければと思います。

子育て” への3件のコメント

  1. いつもながらブログ掲載の写真に感動しております。殊に「タツノオトシゴ」をこのような画像で観るのは初めてかもしれません。「竜」というより即「キリン」を思い出しました。伝説上の「麒麟」ではなく、あの「キリン」です。それはともかく、今日のブログの「子育て」については、やはりいかなる「親」であれ、その「親」如何によって子は如何様にも育つ、ということを考えました。おそらく人間以外の生き物は「出産」の時のもろもろがその後も変化せずに続いていくのだろうと思います。ところが私たちは子どもの生まれてくる時には純粋にその子のことをあれこれ考え全て自分の責任で子を育てようと思ったに違いないのに、時が経つにつれて、子どもが関わる環境にいろいろと言い始めます。自分のわが子への関わりを意識することを棚上げする傾向があるように思います。ミズダコやタツノオトシゴに学ぼうと思いました。

  2. 子どもを守っていくのがおとなの使命ですが、それが行き過ぎて、過干渉・過保護になってしまっている親が何と多いことかわかりません。命を守りながら、きっかけと気づきを与え、その先は子どもに委ねる。口で言うのは簡単ですが、なかなか実行に移すことは難しく、つい口出ししそうになっている自分がいます。結局、距離が近すぎるのだろうな、と思います。特に日本人は、母親と子どもの距離が近いといわれる民族です。その距離感は、確かにそのときは心地よいかもしれませんが、果たして子どもの将来を見据えての心地よさかどうかはかなり疑問ですね。
    両親の連携プレーができるタツノオトシゴを見習わないといけないですね。日本では、よく、子どもが何かやらかしたときに、父親が母親に向かって、「お前はどういう教育をしているんだ」なんてトボケタこということがありますが、そっちこそ、どういう子育て参加してるんだ、と言いたくなりますね(笑)。

  3. 子どもを育てるためにそれぞれが必要なことを当然のように行なうミズダコやタツノオトシゴを見習わなければいけません。つい損か得かを考えてしまう自分とは大きく違います。一つひとつが大切な意味を持っている発達の過程や成長の過程を支えていくことに損か得かは関係ないことです。命の営みにもっと目を向け、それを大切にしていかなければいけないと思いました。

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