飯山線

 一昨日は飯山で講演があったために飯山線に乗りました。千曲川沿いを走るこの路線は、なかなか味があります。この飯山線は、長野県長野市の豊野駅から新潟県北魚沼郡川口町の越後川口駅に至る東日本旅客鉄道(JR東日本)の鉄道路線です。列車の発着の長野駅から豊野駅まではJR信越線と同じ線路を走り、豊野で分かれて飯山線が始まります。長野県内では千曲川に沿い、新潟県内に入ると千曲川から名を変えた信濃川に沿って日本有数の豪雪地域を通ります。私は、富山からの移動でしたので、この飯山線には豊野から飯山まで乗り、帰りは飯山から長野駅まで乗りました。路線のほとんどが谷沿いの山間部を通るために、主に夏季は大雨による土砂災害、冬季は大雪による雪崩や除雪作業等によりしばしば運休することがあるそうです。飯山から少し新潟に行ったところには、温泉地やスキー場として有名な野沢温泉があります。飯山の駅のホームには、鐘楼「七福の鐘」があります。寺の町飯山にちなみ、商売繁盛、人望福徳、結婚安産、勤労勤学、延命長寿、勇気援福、愛敬富財の七つの願いを込めたといいます。一度訪れる度に一つの願いが叶うといいます。
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 文豪・島崎藤村が「小京都」と呼んだ飯山には飯山城址を中心に22の寺があるそうです。その飯山駅からふたつ長野よりの駅は、「替佐駅」といいます。この駅に電車が到着すると、唱歌「ふるさと」のメドレーが流れました。また、駅の駅名版のはじにはその歌の楽譜が掲載されています。
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 この駅で放送される曲は季節のよって違うということで、「おぼろ月夜」「春の小川」「もみじ」などがあるそうです。どれも、文部省唱歌で、日本の心のふるさとを歌った歌詞として有名で、私が好きな歌が並びます。ですから、これらの歌詞についてのブログを何回か書いた覚えがあります。これらのすべての曲の作詞をしたのが、この替佐駅のある長野県中野市で生まれ、ここに記念館のある文学博士「高野辰之」です。彼は、明治九年(1876年)農家にうまれ、幼少時代を豊かな自然の中で育ちながら学問の道を志し、苦学の中からわが国近代の国文学に大きな功績を残した人物です。そして、小学唱歌の作詞者として著名です。彼の代表作として、そのほかにも「春がきた」「春の小川」などがあります。先日駅で流れた「ふるさと」は、高野辰之作詞・岡野貞一作曲で、大正五年(1914)「尋常小学唱歌(六)」にはじめて登場しました。歌詞はとても有名ですが、耳で聞いているので、意味を思い違いしていることの多い歌のひとつです。「兎追いし かの山 小鮒釣りし かの川 夢は 今も めぐりて 忘れがたき 故郷 如何にいます 父母 恙なしや 友がき 雨に 風に つけても 思い出ずる 故郷 志を はたして いつの日にか 帰らん 山は 青き 故郷 水は 清き 故郷」作詞の高野の幼少時代を過ごした故郷の風景・望郷の思いを描写したと伝えられています。兎を追った山は、大平山・小鮒を釣った川は斑川であるといいます。「うさぎを追う」とは、単に野山でこの小動物と遊ぶことではなく、肉食が禁じられていた中、うさぎを、跳ねることから鳥に見立てて1羽2羽と呼んで食べていましたが、そのうさぎを食べるために狩ることです。2番の「友がき」(友垣)とは、友だちのことで、垣をしっかりと結ぶように、人と人とのまじわりを、かつてはこう例えていました、「いかにいます父母」というフレーズは、スコットランド民謡に大和田建樹が作詞した「故郷の空」を思い浮かべます。「夕空はれて、秋風ふき つきかげ落ちて、鈴虫鳴く 思えば遠し、故郷の空 ああ、わが父母、いかにおわす」父母は遠くにいていつも自分を見守ってくれており、時たま、どうしているだろうかと思い出す存在は、ふるさとに似ているのですね。

飯山線” への2件のコメント

  1. 「ふるさと」のメロディーはとてもきれいなので大好きですが、そのためかメロディーの印象が強すぎて、歌詞をじっくり読んだのは初めてかもしれません。歌詞もやっぱり心にしみてきます。こんな気持ちにさせてくれる歌は大切にしたいですね。

  2. なかなか素敵な駅名看板です。駅名を載せる看板の写真風景は高野辰之の記念館か生家でしょうか。「故郷」の譜面を掲載しているところに工夫の跡が見て取れます。「替佐」とはまた変わった地名ですね。この地名にはどんな由来があるのでしょうか。興味関心が沸き起こります。「ふるさと」についてはいろいろな感慨を持つことができます。そしてその「故郷」に戻ると美化されてきた「故郷」と現実の「故郷」との間の乖離にしばしば悩むことがあります。「志を はたして いつの日にか 帰らん 」というくだりは若い頃に重くのしかかってきたフレーズでした。志をはたせず帰ったのですがまた出てきました。自分の志とは何か?今日のブログがなければ浮かび上がってこなかったクエスチョンです。

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