今日は、「こどもの日」です。先日、園で「子どもの日祭り」を行ったとき、なぜ柏餅を食べるようになったかという紙芝居を子どもたちに見せていました。その話が本当かどうかわかりませんが、内容は、3人きょうだいの末の子が、病気になったのを助けようと兄と姉が山に行って、動物が病のときに用いるといわれているふしぎな植物を探しに出かけます。そして、山で柏の葉を見つけ家に持って帰りますが、人間には硬くて食べられそうもないので、母親は餡を入れた餅を作り、それを柏の葉に包んで食べさせたところ、弟の病気が治ったというものです。この話は、どうもほかでは聞いたことがありませんので、この出展はどうでしょうか。では、どうしてこどもの日に食べるようになったかというと、柏の葉は、新芽が出ないと古い葉が落ちないという特徴があるので、これを「子どもが産まれるまで親は死なない」=「家系が途絶えない」という縁起に結びつけ、「柏の葉」=「子孫繁栄」との意味からのようです。ただ、柏餅の「餡」にはポリフェノールがいっぱいで、葉っぱは 抗菌作用があります。
それから、柏餅を食べるときに、とてもよいにおいがします。緑にあふれた森林に入って行くと爽やかな空気が広がり、かすかな香りがします。この香りの正体は、フイトンチッドです。これは主に樹木が作り出して発散する揮発性物質で、主な成分はテルペン類です。このテルペン類を人間が浴びることを森林浴と言います。「病を得たら森へ行け」と言う言葉があるように、フィトンチッドは、人体に対しては有益で私たちの生活に「生活の知恵」として広く有用されています。柏餅や柿の葉寿司はフィトンチッドの抗菌作用や防腐効果を利用したものです。また、同様に、五月の節句の菖蒲湯はフィトンチッドの疲労回復と精神を安らかにする効果を生かしたものです。ということで、今日は、柏餅と、柿の葉寿司を食べました。
もうひとつ、今日食べたものがあります。同じように殺菌作用があるものの「笹の葉」で包んだ寿司も食べました。柿の葉寿司は、江戸時代中頃には奈良吉野地方の各家庭の夏祭りのご馳走として作られていたようです。柿の葉は、身の回りに多くあり、香りに癖もなく、丁度包み込み易い大きさ、強さということで使われたそうですが、現代の化学分析では、柿の葉にはタンニンという高血圧を抑える成分が含まれていること、それが食品の保存に有効であること、ビタミン類が豊富に含まれていること等が認められています。笹の葉で包んだ食べ物といえば、新潟名物「笹団子」を思い出しますが、これは柏の葉の変わりに同じ効用のある笹の葉を使ったものといえます。戦国の昔、越後の上杉謙信公が出陣の折、携行保存食として作られたものが、今に伝えられているといわれています。しかし、今日いただいた笹の葉を利用した食べ物は、明日香名物?の「天笹寿司」です。
これは、あまごの甘露煮風のものを上に乗せた押し寿司で、柿の葉寿司のようにひとつずつ笹の葉で包んだものです。笹団子ほど笹の香りはしませんでしたが、笹の葉の殺菌作用を利用しての保存にはいいのでしょうね。これらのように、植物の葉を容器代わり、包装紙代わりにしたものはほかにもたくさんあります。それは、まさに体によいだけではなく、環境にやさしいでしょう。昨日のブログではありませんが、もっと昔からの知恵から学ぶべきことも多い気がします。
森の香りや森林浴の仕組みも解明されていたんですね。フィトンチッドという言葉を初めて聞きました。今度森に行ったときは、ちょっと意識してあの何ともいえないさわやかな香りを楽しんでみようと思います。
今回のブログを読んでいて、小学生の頃から家で飲むお茶が柿の葉茶だったことを思い出しました。お茶を作るために柿の葉を取ってきては乾燥させて・・・といった面倒くさい作業をさせられていましたが、体にはいいものだったんですね。子どもの頃の生活を丁寧に思い出していけば、いろんな知恵が出てきそうです。そういった知恵を生活から遠ざけてしまっていました。もったいないことです。
端午の節句にちなんで「柏餅」を頂きました。葉は食べずに包まれていた餅だけを食しました。葉も食べればよかった、と今日のブログを読んで後悔しているところです。「生活の知恵」とはすばらしいものです。自然に存在するものの効用を熟知して日常生活に役立てます。柏の葉、柿の葉、笹の葉・・・・これらの葉に紹介されたような効能があるとは驚きです。私の実家では「たくあん漬け」を作る際には「柿の葉」を用いています。高血圧を抑えるタンニンが含まれているのですね。さらに食品の保存、ビタミン類の豊富さ。こうしたことを田舎の人々にも伝えたいですね。健康志向の昨今、自分たちの従来からの食生活が如何に理に適っていたか、確認してもらえそうです。
私は自由研究で笹を調べていて、とても勉強になりました。(よく分かりました。)ありがとうございました。