座れば牡丹

『立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花』、この言葉はよく耳にしますが、その牡丹の花が、今盛りを迎えています。盛りを少し過ぎた感がありましたが、今日、「長谷寺」の「ぼたんまつり」に行ってきました。期間が4月21日から5月13日ということですので、やはり時期的には少し遅いような気がしましたが、大輪の華やかさの魅力を、まだ放っていました。
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牡丹の花言葉は「気品・風格・恥じらい」です。あの大柄な花から「気品・風格」というイメージは沸くのですが、「恥じらい」は、余り感じない気がします。「立てば芍薬、座れば牡丹」と昔から美人の慣用句として用いられてきた「芍薬」は、真っ直ぐに立ち上がった茎に咲く花が、美人の立ち姿に似ているためです。「歩く姿は百合の花」とは、たぶん、そよ風に揺れる百合の花が歩く美人にたとえられたのでしょう。yuri.JPG
それに対して、「牡丹」は、葉の上にぽってりと座っているように咲くためです。その堂々とした美しさから「風格」という花言葉があるのでしょう。
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この牡丹と芍薬と百合は、どれも、もともとは薬草として珍重されてきました。いずれも婦人病のくすりでした。シャクヤク(生薬名・芍薬=しゃくやく)は冷え性や月経不順・産後の疲労回復、ボタン(牡丹皮=ぼたんぴ)は月経困難や便秘、そしてユリ(百合=びゃくごう)は乳腺炎などのできもののくすりとして利用されてきました。紫式部をはじめ平安時代の女性たちが熱心に参詣した奈良の長谷寺や、一夜にして巨大な曼陀羅図を織り上げた中将姫伝説で知られた当麻寺のように、昔から女性の信仰厚い寺のなかには、さまざまな薬草を植え、女性用のくすりとして使っていたところも少なくありません。現在では、今日訪れた「長谷寺」にしても、当麻寺にしても「ぼたんの寺」として観光名所ともなっています。そうした薬草でもある花の名を上手に織りこみ、「立てば芍薬、座れば牡丹…」と健康な美人のイメージ・コピーをつくった昔の人のセンスには、なかなか卓抜したものがありますが、実際にくすりとして利用されたのは、花よりも、根や茎、葉などの部分でした。その芍薬と、牡丹は、なんとなく似ていますね。しかし、芍薬は、草なので冬になると根を残して枯れてしまい、春になるとまた新芽が出るのに対し、牡丹は、木なのでそのまま越年し、茎から芽が出ます。また、芍薬の葉にはほとんど切れ込みが見られませんが、牡丹の葉先には切れ込みが見られます。白楽天は、牡丹のことを「花咲き 花落つる 二十日なり 」と詠んでいます。このため、廿日草とも呼ばれています。この牡丹は、寺院の天井画や屏風や襖絵などにも好んで描かれています。昨日のブログのたけのこにも、効用はありましたが、その美しさから鑑賞されている植物にも、体にもよい効用を持っているものが多いのですね。いろいろなものを、バランスよく食することは、栄養価だけでなく、視覚的にも、たぶん、嗅覚的にも、人間にとって、意味があることだったのでしょう。それは、誰が発見したということではなく、長い間の経験から来ているものだったのでしょう。もう少し、人間本来が持っているさまざまな感覚を、刺激し、活用することを見直すべきだと思います。先日参加したイタリアのレッジオ市の幼児教育セミナーでも、そんなことを感じました。

座れば牡丹” への2件のコメント

  1. 人間が本来持っている感覚が発揮できなくなったのはなぜなんだろうと考えることがあります。それらが無くても生活していく上で困ることはないかもしれませんが、豊かに生きていくためには様々な感覚を活用したほうがいいはずです。そういうことでまず自分の生活の見直しを始めました。何がどう変わっていくか楽しみです。

  2. 今日のブログ掲載の写真、見事ですねぇ。美しい。長谷寺、いいですねぇ。いつか行って見たいところの一つです。『立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花』・・・このフレーズはしっかりと覚えて、美人さんに捧げたいものです。もっとも当今、こうしたことを言われてピンと来る姫方はどれほどいらっしゃることか。さて、芍薬や牡丹、百合にも薬効があるのですね。漢方薬では今でも使われているのでしょうか。「芍薬」には「薬」の字が使われています。いかにも効き目がありそうです。また掲載の写真によって「芍薬」の花をじっくり観て覚えることができます。なんだか椿とバラの花をたして二で割ったような花ですね。草花のことをこれでまたひとつ詳しく知ることができました。

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