桜湯

 今日は、近くの公立幼稚園の入園式に参加しました。そんなところに出席するとは普通は考えられませんが、招待状をいただいたので参加することになったのです。参加をしてみて、やはり小学校の入学式同様、地域のイベントという感じがしました。ですから、私のような保育園園長が幼稚園入学式に出席しても、違和感がなくてすみました。同じ幼児教育をしている関係ではなく、地域の代表という感じです。そんな地域はいいですね。そして、出席して、招待客に対する心遣いを感じました。着いてから始まるまで待っている間に、控え室で、「桜湯」が出されました。この桜湯は、結納などの慶事には、地方によって異なりますが、「昆布茶」や「桜湯」でもてなされます。それは、「昆布茶」は「よろこぶ」に通じ、「桜湯」は「花が咲いた」という、めでたい意味が含まれるためのようです。反対に、おめでたい席には、「お茶を濁す」とか「茶々を入れる」という意味に通じるため、煎茶は用いられないそうです。もうすぐ、 桜が終わりますが、しばらくすると八重桜が咲きます。桜湯は、七分咲きの八重桜の花で作ります。手作りでも簡単ですし、買ったものより色がきれいに出ますので、つくってみてはどうでしょうか。水を溜めてその中で、摘んできた七分咲きの八重桜の花を洗います。そして、余分な水を切り、漬物容器に塩(花の重量の約20%)をふりかけておき、桜の花を入れながらまぶします。花の2倍の重さの重石をします。十分に水があがってきたら、花を軽く絞ります。(この絞り汁は残しておきます)桜の花をほぐし、花をつぼみの形にまとめて、漬物容器に並べ、漬け汁を注ぎます。重石をして、1週間漬け、そしてザルなどにとって余分な漬け汁を捨てます。この時、花を絞らない方が、風味が逃げないのでよいそうです。そして、湿り気が残る程度に陰干すると、桜の花の塩漬けのできあがりです。保存は、少量の塩を振かけて瓶等に詰めます。今日頂いた桜湯は、この塩漬けを水で塩を軽く洗い流し、熱湯を注ぐいだものです。桜の花びらはクマリンという成分を含み、こちらは二日酔いによいとされています。つまり、お花見で飲みすぎた後に飲むと、うれしい効果をもたらしてくれるというわけです。それよりももっと効果があるものに、「桜茶」というものがあります。これは、桜の花びらを使うのではなく、樹皮を煎じて飲むもので、食中毒や食あたりなどに効果 があるといわれています。さらに樹皮の抽出エキスは、咳をしずめ、タンをとる作用もあるため、市販のシロップ剤などに配合されています。また、湿疹や蕁麻疹などに、煎じ液で患部を洗うとよいとされています。これに使う桜は、主にヤマザクラで、この樹皮を剥いで、外面のコルク層を取り除いた内皮を天日で乾燥します。これを生薬の「桜皮(オウヒ)」といいます。江戸期の医者である「華岡青洲」が、創った十味敗毒散は、中国より伝わったある処方を改変したものとされており、この改変の際に桜皮を採用したそうです。なお、現在使われている十味敗毒湯には、桜の皮の代わりにボクソク(クヌギ又はその他近緑植物の樹皮)を用いることもあるようです。さらに、桜は、葉も利用できます。桜の葉を塩蔵すると、分解してクマリンという物質が生成され、独特な芳香がしますので、桜餅などに使われるほか、桜の葉を入浴剤として用いると、あせも等に効果があるといわれています。桜は見るだけでなく、花も、葉も、樹皮も利用価値のある植物ですね。

桜湯” への2件のコメント

  1. 桜湯とはなかなか洒落ています。若さのせいか?あるいは無知なのか?(おそらく後者だと思います)、今日のブログの桜の効用はヘェ~、ナルホド~、と感嘆しきりでした。桜の葉の活用法の代表はなんと言っても「桜餅」です。関東では「長命寺餅」関西では「道明寺餅」と言われていることを今日読んだ「東京都広報」で知りました。長命寺は東京の向島にあるとか。門前にはおいしい「桜餅」屋さんがあるにちがいありません。一度訪ねてみたいと思います。桜の樹皮が二日酔いに効いたり咳に効果があったり、・・・私と息子の双方に良い薬材になります。今日もいい学びができました。ありがたいことです。

  2. 桜湯の作り方は初めて知りました。あの小さな桜の花にこれだけの手間がかかっていたんですね。こんなことを知ってしまうと、桜湯を出されたときに今まで以上にうれしい気持ちになりそうです。いろいろ利用価値のある桜もすごいですが、こんな風に手間をかけて桜の花の塩漬けを作ることもすごいと思います。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

*

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong> <img localsrc="" alt="">