今、ちょっとした「数学ブーム」です。これは、映画にもなって話題になった、小川洋子の小説「博士の愛した数式」が影響しているかもしれません。4月2日(月)から毎週月曜にNHK教育で「マテマティカ2」という新番組が始まりました。この番組案内は、「図工のような感覚で楽しみながら学ぶ算数教育番組。割り算の概念や、面積・体積の計算など、抽象的でわかりにくいと思われがちな内容を、アニメーションや現実の生活の実写映像を通じて、明快に解き明かす。」というもので、対象は、算数でつまずきやすい小学校4年生から6年生です。カリキュラムを細分化することなく、算数の根底に一貫して流れる数学的な考え方に焦点をあてていますが、畑村洋太郎東京大学名誉教授のベストセラー「直観でわかる数学」の考え方を取り入れ、ものを考える上で最も大切な「直観力」を育てることを目指しています。この畑村式発想法が、今週の「東洋経済」で「畑村式 数の極意&超学習法」という特集が組まれています。最近の企業では、欲しい人材として「地アタマのよさ」を挙げることも珍しくなくなったようです。この「地アタマ」という言葉は、ビジネスの世界ではいつの間にか定着しつつあるようです。本来のアタマのよさ、とか、偏差値では測れない現場での応用が利く知力といった意味で使われることが多いようです。また、「地アタマ」は、問題解決型で、汎用性が高く、論理の構成力があり、反応が早いなどが言われています。畑村氏は、その「地アタマ」を磨く発想法を提案しています。それは、「常識に縛られずに本質を捉えている」といった意味では、異業種でも1流の人物は同じことを言っています。たとえば、「君は階段を何段上ってきた?」と聞かれたとき、1、数えてこなかったので、わかりませんと正直に答える。2、今から調べてきますと言って部屋の外に出ようとする。3、後から数えて返事をしますと答える。4、とりあえず、あてずっぽうで答えてみる。の答えはどれも不合格だそうです。日立製作所に入社した畑村氏は、「今、自分がいる部屋の天井までおおよそ3メートルほどあり、階段1段あたりの段差は20センチとすれば、階段は15段。」ということで、「大体15段です。」と答え、合格をもらったといわれています。必要なのは、法則1、「その場で、必要な数を自分でつくることができるかどうか」であるとしています。「自分では作業をせずに、出来上がった成果だけを聞いて覚えろと言われても人は覚えられないし、まったく身に付かない。ところが、自分で数を作るという動作をすれば、それが自分のものになるんです。」ということのようです。法則2として提案しているのは、「倍・半分の誤差は許される!」というものです。数字に弱い人ほど、「数字は正確でなくてはならない」という思い込みが強く、「数アレルギー」の原因のひとつになっているといいます。この法則は、そんな固定概念を瞬時に粉砕します。「数字を扱ううえでは正確でなければいけないと徹底的に教えられるから、数が大嫌いになってしまう。もっとアバウトでいい」そうです。倍は誤差の許される範囲といわれても「えっ?」と思ってしまいます。それは、こういうことのようです。「1トンだといわれた荷物が実際には2トンだったとしても、現場ではどうにかなってしまう。だけど10トンだったら、それは無理」というように、細かい数字に気をとられてケタが違うような大きなミスをしないということです。つまり、ケタ違いで大やけどをしないための心得でもあるのです。文系には、目からうろこといわれている所以です。

” への3件のコメント

  1. 「地アタマ」・・・これは私の弱いところです。かつては「覚える」ことで何とかなっていました。最近は加齢によって記憶力が衰えてきています。記憶力がダメなら創造力や発想力でカバーすればいいのにこれまで「記憶力」に頼ってきたためそれさえもままなりません。わからないところがあれば自分で想像したり推理したりして問題を解決するのではなく、すぐに誰かに訊いたりネットで答を探したりする癖もあります。総じて、自分で考える力が弱い、ということが今日のブログを読んで判明しました。弱点を補うための学びなおしがこれから必要とされます。

  2. 臥竜塾のブログのタイトルが「数学」に関するだけで、暗くなるくらい文系の私ですが、今日の内容には希望が見えたような気がしました。また何でこんなにも数学嫌いになったかを遡ると、小学校低学年での算数との出合いにあったような気がします。最近は幼児教育でも、遊びの中から算数に導入しているということを伺いました。その時点で楽しくきちんと導入されれば、今後「数学なんて怖くない。数学は楽しい」という子供たちが育っていくのでは思います。大いに期待しています。

  3. 法則1の「その場で必要な数を自分でつくることができるかどうか」はいろんな場面で必要とされる力ですね。自分自身がこういう力をつけないといけないと強く感じています。自分で数を作る動作をするという考え方は、言葉としてもおもしろいと思います。数を作る動作で「地アタマ」をしっかり鍛えたいです。

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