トイレ その2

昨日の産経新聞に「子どもたちの意見を取り入れたトイレを作ろうという動きが広まっている。」という記事が掲載されていました。子どもたちの意見を取り入れることによって、使い勝手がいいだけでなく、自分たちがかかわって愛着があるため、丁寧に使い、掃除もしっかりするようになったほか、トイレを我慢する子どもが減って健康にも好影響があるといいます。この記事は、埼玉県戸田市立笹目小での活動で、平成17年度に5、6年生の32人がトイレ改修にあたっての話し合いに参加したそうです。市教委の担当者は「必ず使うトイレをきれいにすると印象がよくなるし、明るくなると人が集まってきて、いじめの巣になりやすい欠点もなくなる」と狙いを話しています。まず実施したアンケートでは、「大便器は汚れが落ちやすい縁なしに」「自動で水が流れるようにしてほしい」「背の高さに合わせて洗面所の高さを変えて」「荷物やランドセルを置ける棚を」「座って待てるようにベンチがあるといい」などが出されました。設備だけでなく「床は掃除しやすいように」「白は汚れが目立つから黄色がいい」「落ち着くように壁は木がいい」などメンテナンスや材料に目配りした意見も挙がり、意外と変なものは出すに、参考になる意見が多かったようです。その結果、話し合いで完成した図面を基に設計図が描かれ、昨年の夏休みに工事が行われました。そうした経緯でできあがった男子トイレは、中央の六角柱を囲んで高さの違う洗面台とベンチが交互に置かれています。女子用は、洗面台とは別に、背中合わせに高さの違う鏡と棚を張った台が2台置かれて、おしゃれに敏感な子どもたちに対応しています。コストは通常のトイレとそれほど変わらず、「トイレに愛着が生まれて、大事に使おうという機運ができてきた。」「メンテナンスも考慮してあるため、掃除が楽になった。」「それまでトイレを我慢して体調をくずす子がいたが、きれいになってからは少なくなった」「トイレのベンチに座って話をするなど子どもたちが集まる場所にもなった」と数多くのメリットが生まれたようです。ですから、この戸田市では市ぐるみで児童参加のトイレ作りに取り組みことにし、18年度も2校で実施されています。1997年1月10日の毎日新聞に「トイレ恐怖症」と題してこんな記事が掲載されていました。「子どもたちが不登校になる原因は様々です。Bくんは、トイレに行くことに恐怖心を持つようになったのが原因で、小学校四年生の十月から不登校になりました。学校の休み時間、大便用のトイレで用を足したところ、同級生に見つかり、「汚い」「不潔」などの冷やかしを受けました。それからしばらくは、近くに寄って来てにおいをかぐなどの嫌がらせをされるようになり、トイレに行くこと自体がBくんにとって「恐怖」となってしまい、やがて登校しようとすると腹痛に襲われ、学校に行けなくなりました。昔から、子どもの好きなギャグのネタのひとつは、「うんこ」です。しかし、このギャグがこの頃、陽気な健康さを失って、神経症的な陰質さに変質してきているような気がします。つまり、子どもたちは「不潔恐怖症」になり、友達に「汚い」とか「臭い」とか言われるのが死ぬほどつらい、と感じはじめたのです。子どもたちにとって「不潔」であることは、いじめの対象になる危険に身をさらすことにほかならないのです。」このようなことから現在全国の小中学校の子どもたちの間でトイレに行けない症候群が全体の8割にもなっています。それに対する戸田市の試みは、ひとつの方向ですね。