卒業

 今日は、小学校の卒業式でした。毎年近くの小学校に出席しているのですが、私の子どものころの卒業式とは変わってきています。変わったことを一番実感するのは、式の中で歌う歌です。毎年、私は聞いたことがない歌を歌います。それも、その年の先生の好みなのか、年度によって歌う歌が違います。それを聞くたびに、昔のように、どこでも「仰げば尊し」を歌っていました。それが必ずしもいいかわかりませんが、今は、子どもたちが大きくなってもその歌を覚えているだろうか、みんなでいっしょに歌うことはないだろうなと思うと、なんだかさびしい気がします。歌だけではなく、大人になってから共感するものが少ないような気がします。後、変わったといえば、いわゆる「送辞」「答辞」のような、代表という役割がなくなったことです。多くは、「よびかけ」といって、子どもたちが次々に一言ずつ言葉をつないでいきます。今日の式でも、式が始まることを予告するのに、5年生の「よびかけ」で始まりました。ただ、これもその年度の担任の好みのようです。私が出席した、園の近くの小学校の卒業生は、今年138人でしたので、卒業証書授与の時間が長くて参りました。この小学校は、私の園といっしょの平成9年開校ですが、最近生徒が増えてきて、開校のころは全校で生徒が70名あまりだったのが、今は789人、22クラスあります。今後、26クラスまで増えると予想されています。それでも、団塊の世代である私たちのころよりは少ないですが。また、最近のこのあたりの傾向ですが、138人中、私立中学校に進学する子が32名で、ほぼ4分の1は私立に行きます。そんな卒業式でしたが、その中での祝辞はいつも決まったことを言うことが多いのですが、今年の中学校の校長先生の話はとても面白いものでした。卒業生に問題を出しました。漢字のテストです。問題は五つです。手のひらに答えの漢字を書いてみてくださいと言います。「(1)白鳥の飛来が冬の訪れを(告)げる。(2)桜のじゅひ(樹皮)を使って絹糸を染める。(3)(燃)えるような夕日が校舎を赤く照らす。(4)世界一周のこうかい(航海)を終えた客船が母港に戻る。(5)観客席から選手のぜんせん(善戦)をたたえる拍手がわき起こる。」答えの漢字を生徒たちは一生懸命に手のひらに書いています。そのあとでこう言いました。「今出した問題の答えの漢字は、小学校2年生から6年生までに習う漢字です。それなのに、この問題は、今年の都立高校の国語の問題なのです。高校受験の漢字の問題は、すべて中学で習う漢字ではなく、小学校で習う漢字なのです。それは、如何に小学校時代が大切かということです。」これは、私が今年卒園式で話したことと似ています。私は、こんな話をしました。「小学校に行くと、いろいろな勉強が始まります。でも、心配は要りません。たとえば、国語という授業が始まり、字を習います。しかし、皆さんはいっぱい絵を描いたり、線遊びをしましたね。ぐるぐる線を描くと、それが「の」になったり、「し」になったりします。また、算数という勉強があります。みんなは、毎日給食のときに「いっぱい、すこし」「おおい、すくない」「はんぶん、ぜんぶ」「一個、二個」そんなことを言ってよそってもらっていました。それが算数です。園でやっていたことが、学校ではとても役に立ちます。」というようなことを話したのです。ただ、先をやることが役に立つのではなく、あとで伸びる力をつけてあげることのほうが重要ですね。

卒業” への5件のコメント

  1. 小学校の卒業式に参加して歌が最近の流行のものになっているのを聞いて、理由は分かりませんが違和感を感じました。おそらく子どもたちの意見も取り入れてのことでしょうが、今後どうなっていくんだろうと思いながら聞いていました。
    あとで伸びる力をつけてあげること。どこまでできるかわかりませんが、どこまでもこのことを考えたいと思いました。

  2. ●小学校の校長先生の話は面白いですね。こういうところに“眼”をつけて、目的を引き出す話を展開するというセンス(和田中の藤原和博さんは「情報編集力」といわれていますが)は「習ってできる」ものではなくて、もともと本人の中に秘められているのではないでしょうか●その校長先生が日ごろされていることにも興味を持ちます。

  3. この3月に出席した近所の小学校の卒業式は格別でした。私が保育園に勤め始めて最初に卒園した子どもたちが今度は小学校を卒業するからです。背の低い私よりも背丈が高くなり、「よびかけ」の時にも大きな声でセリフを言います。5,6歳の頃の彼らを知っています。随分と大人になったものだと感心しました。校長先生のお話は今日のブログで紹介されたようなお話ではなく、いつものどおり、小学校で経験した行事のお話し、中学校へ行ったらこうなったほしいという3つの願い、などでした。地方の町や村の卒業式は年々歳々寂しくなっていきます。なぜなら少子化によって子どもの数が減ってきているからです。3月のこの時期、地方の新聞には過疎化少子化による閉校にともなう「最後の卒業式」が写真入り記事で紹介されます。今後26クラスまで増える、という小学校がとても羨ましくなりました。

  4. 私が小学校を卒業する時に歌った歌はなんだっただろう…と思い出しますと、確か「旅立ちの日に」だったような思い出があります。卒業式の日に歌っている印象が強く残ってはいるのですが、それが小学校の卒業式か中学校の卒業式か、それともどちらも歌ったようなという印象で定かではなくなっていますが、卒業式で歌ったのは間違いなく覚えています。卒業することで環境が変わります。そのことにわくわくする気持ちもありながら、どこかちょっと不安な部分を感じている子も中にはいるのではないかと思います。そんな子どもたちに「大丈夫だよ」と後押ししてくださるような言葉は子どもたちの励みにもなりそうですね。

  5. 「今」が重要である事を伝えるためには、その先にあるものを知っておかなくては伝えられないように、自分がこれまでにしてきたことは、実は非常に重要であったと感じさせることも大切なのだと感じました。卒業というと、「仰げば尊し」が印象に残っています。正直、深い意味は理解していませんでしたが、友との別れを惜しんだり、先生たちへの感謝の気持ちなどが沸き上がってくる、そんな曲であったと思います。そして、「よびかけ」も懐かしいですね。私も小学校の卒業式で、谷川俊太郎氏の「生きる」を、「よびかけ」しました。小学生でありながら、この詩に感動した記憶があり、このよびかけは自分の中にある素敵な思い出となっています。その感動が、今の私を後伸びさせているのかもしれません。

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