癒し空間(ドイツ事後報告)

 今日,宿泊した宿の部屋に「癒しのたび」が置いてありました。これは、「足袋」と「旅」をかけているのでしょうね。人は、毎日の生活の中で、ストレスを感じることがあります。ストレスは、人間だけでなく動物も感じるようです。そのストレスは、どんなときに感じるでしょうか。手に持っているゴムボールを握ると、ゴムボールはへこみます。このように、外部からの刺激(「ストレッサー」といいます)を受けて、生体に起こる反応を「ストレス」といいます。ですから、原因は、外からのことが多いのです。この「ストレス」という概念を医学の世界で初めて用いたのは、カナダの生理学者ハンス・セリエ博士です。日本では、ストレッサーにあたる「原因」に関しても「ストレス」といわれることが多いのですが、本来はストレッサーに影響されて起こる生体反応のことをさすようです。しかし、同じように外部からストレスの影響を受けても、強く感じる人と、それほど感じない人がいます。それは、ゴムボールの空気圧が強ければ、へこんだボールが元に戻る力が強くなります。逆に、空気圧が低ければ、少しの力でも大きくゆがんでしまいますし、元に戻らないこともあります。ですから、ストレスによるダメージは、受け手の心身の状態によって大きく変わるのです。ですから、自分自身でストレスを解消する方法を見つけておいたほうがいいのです。まずは、ストレスの溜めるようなことにはなるべく関わらないことです。また、どうしてもかかわらなければならないときには、思考方法を見直すことです。次に、たまったストレスは発散します。次に、以前にブログで書いた早寝、早起きで生活のリズムを整えることです。そして、朝食といわれています。では、ストレスを発散する方法として最も効果があるのは、心身ともに疲れを癒すことです。
 子どもたちも園の中で、大きな集団、大きな部屋で、いつも大人に見られ、管理され、言われたとおりに動かされ、かなりストレスを感じているでしょう。ですから、癒される時間、空間、物を用意してあげる必要があります。ひとつの方法として、日常の環境を変えることがあります。小さな集団、狭い部屋、大人に見られない、自分から行動できる時間の設定です。そのために「ロフト」が有効であるということを昨日のブログで書きました。そのほかに、ドイツでは様々な工夫がありました。小さな集団で、過ごせるような空間を部屋の隅に作るのです。いわば「癒しのコーナー」というようなものがどの園でも、どの部屋にも作られていました。部屋が広いということもあるのですが、逆に広いからこそこのような空間が必要なのでしょう。
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そして、そこには、心が癒されるような様々なグッツが置かれています。まず、日常から離れるために、床が柔らかいマットやソファアなどで敷き詰めます。保育室は、どの空間も床は硬い素材でできています。ですから、一部やわらかい素材の上で過ごすことは心を癒します。
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あとは、園によって違うのですが、「薄い布で覆う」「ミラーボールなどで、光がゆっくり動く」「電飾などやわらかい光で照らす」など心が落ち着くような環境を演出していました。
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上を薄い布で覆って、他の違う空間を作る
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  電飾によって、やわらかい光を演出する
1日が長い子どもたちにとって、大人と同じように「ほっと、一息つける」様な空間が必要なのでしょうね。

癒し空間(ドイツ事後報告)” への5件のコメント

  1. 私もドイツで癒しの空間の大切さを学びました。子ども達の内なる部分へもっと目を向けて、一から部屋のつくりを学びなおしたいと思いました。大人の私がそのソファーでゆっくり寛ぎたくなる様な場所でした。今私も職員にドイツ研修で感じたことや、今までの自分たちの保育などもう一度見直して見るように話し合いました。今、この保育園は子ども達のことをしっかりと考え切れているのか?もっともっと深く子ども達の環境のことを考えていきたいと思います。

  2. 大人も子どももどのようにストレスに対応していくは大切な課題だと思います。誰もが大なり小なりストレスを抱えてると考えると、どんな解消法をもつかがポイントになるんでしょうね。子どもが遊びやすいように環境を整えるのと同様に、子どもの癒やしの環境を考える必要もあるんだろうと思います。ヒントをいただいたので生かしたいと思います。

  3. 「癒しのコーナー」・・・いいですねぇ。くつろげる空間、なるだけストレスを感じなくてすむ空間、そうした空間づくりをしていかないとますます「気になる子どもたち」が増えていくような気がします。子どもが寝転がって遊んだり、他者の干渉を避けられる空間というものが日本の保育園や幼稚園にも必要ですね。学校にも必要かもしれない。今日のブログの冒頭でも紹介がありましたが「癒し」ということが今日本では大ブームです。しかしそれはほとんどが大人のためです。子どもの「癒し」ということを私たちは真剣に考えたことがあるのでしょうか。「ゆとり」という言葉が教育分野でもてはやされた時期がありましたが、今では「ゆとり」が邪魔者扱いされているようなところがあります。結局、「ゆとり」ということをしっかりと考えなかったためだと思います。子どもにとっての「ゆとり」や「癒し」、多分、私たち日本人の大人が苦手とすることかもしれません。なぜなら、大人主導の社会だからです。子どもの「癒し」なんか考えるからますます子どもがダメになっていく、という考えがまだまだ主流を占めています。癒されないといい発想も出てこないことを大人たちは良く知っていると思うのですが・・・。

  4. 癒しの空間を写真で見るだけでなんだか癒されるような気がします。生体に起こる反応をストレスと呼ぶのですね。確かに日本では原因のこともストレスと呼びますね。知らず知らずのうちにストレスは溜まっているということを聞くことがあります。私はそのことに対してあまり実感がなかったのですが、ちょっと前に「あれ、このことなのか?」と感じることがありました。ちょうどその時期はランニングをしていない期間でもあり、自分は走ることでストレスを溜めないようにしていたのかな、なんて思ったりしました。ストレスを感じていないように見えるというのはあまり当てにならないことかもしれませんね。ほとんどの人が多かれ少なかれストレスを感じているということでもあるのかもしれません。そして、それは子どももまた同じですね。だからこそ、そんな気持ちを理解し、ふっと気持ちが落ち着く、癒される、空間を用意しておくことが大切になってきますね。

  5. 先日の、GTメンズディスカッションで「アイディアが思い付く瞬間」についての話しにもなりました。結果は、自転車に乗っている時とか、ぼーっとしている時とか、人と話している途中とか、各々様々でした。しかし、共通したのが「癒されている時間」にアイディアが思い付くことが多いという結果になりました。また、そのアイディアができる瞬間を、自分で把握していることがすごく重要だよねといった結論にもなりました。ストレスについても、本文にあったように「自分自身でストレスを解消する方法を見つけておいたほうがいい」ということともつながっているようにも思いました。逃げ場というか、安心基地的な空間があることによって、子ども同士の関係も十分なエネルギーを使って関わり合えるのでしょうね。

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