絵本・児童書専門店「桃太郎」店主である田中さんが、今日の読売新聞の中でこう言っています。「数日前のことでした。2,3歳くらいの元気な男の子を連れた若いお母さんが来店。少し困り顔で「この子は“マンガっぽい”絵本ばかり見たがります。どうしたらいいのでしょうか」と、訴えかけるように話してこられました。「身近に置かないようにしてみてはいかが?」と応じたのですが、よく話を聞いてみると、「お父さんがマンガっぽい絵本ばかり買ってくるので、意見が合わずストレスになってしまう」と悩んでいらっしゃるのでした。子育て経験者なら、大いにうなずける話です。」こんなことが多い中、田中さんは持論があるそうです。「生まれてくる赤ちゃんのためにベッドは用意しても、“心の器”となる本箱(ダンボール箱でも)を用意する人はなかなかいません。子育てに迷った時など、子どもの心の中を覗いてみたくなったりしますよね。本箱があれば、いつでも覗くことができます。」
同じようなことが、ゲーム好きなお父さんには困りますね。よく講演などで「子どもにはテレビゲームなどは時間を決めて、あまり長い間やらせないようにしましょう」と言うと、「父親自身、自分がやりたがるので困ります。」という悩みを聞くことがあります。自分がやっているのに子どもをしかるわけにはいかないのでしょう。子どもは、「学ぶ」という音の「まなぶ」は、人のやることを「まねる」ことから「まねぶ」になり、「まなぶ」担ったといわれるように、まねることから学習をすることが多くあります。もちろん、大人がテレビゲームをやることによっての脳への影響は、子どもの脳への影響に比べてずいぶんと少ないのですが、そんなことは子どもにはわかりません。「自分は、やっているくせに」とか、「大人はずるい」とか思ってしまいます。子どもが起きている間は、できるだけ子どもと会話をしたり、遊んだりしてもらいたいものです。そして、子どもが寝てからゲームをやればいいと思うのですが。私が今年4月から開園する園の保護者説明会のあと、ある保護者が不安を覚えたと他の保護者に漏らしたそうです。それは何かというと、「もっと、子どもと付き合いなさい!」と注意されそうだと言うのです。私は、何も女性は仕事をしないで子育てに専念しなさいというつもりはありませんし、子どもが熱を出てもすぐに迎えに来るべきだとも言いません。それは、女性も社会に出て自己実現を図ることも、家庭を守ることで自己実現を図ることも、それぞれ選択肢として認めるべきですし、男女ともに社会を作っていくべきだと思っています。しかし、仕事が終わったら家に帰ったら充分と子どもと付き合ってほしいのです。やはり保護者説明会の席でこう尋ねられました。「保護者会を作ったら、親同士のコミュニケーションが取れるようになり、とてもいいので、ぜひ続けたいのですが、どう思いますか?」私は、こう答えました。「保護者会はとてもいいと思います。親同士が仲良くなることは子どもにはとてもよい影響を与えます。しかし、それは保護者会であって、親会ではありません。決して、親だけで飲みに行ったり、カラオケには行かないでください」今の園の父親の会は、それをきちんと守っています。保護者会は、子どもを中心にする会でなければなりません。子育て中に、きちんと子どもを真ん中に置いた生き方をすると、かえって子どもの自立を促すことになるのです。
わが子は「まねる」ことがとても上手です。今お世話になっている保育所の先生の言い方をまねています。それも自然と先生の口調で言います。その言い方で、あ~、そんなふうに言われているんだ、と時々がっかりすることがあります。そして、私たち親のまねもよくします。「まね」が板に付いた、というかもう自分のものになっているのです。私は時々「おいしい」「まずい」を口にします。多分後者が多いのしょう。先日、あるお宅にお邪魔して、朝粥を息子家内共々頂きました。そのお粥には青物野菜がみじん切りで入っていました。息子は食べるなり「まずい!」と大きな声で言いました。私はもう、赤面してしまいました。穴があったら入りたい心境でした。その時「まずい」などと子どもの前で言うことは辞めにしようと心の中で誓いました。そして、そのほか、親の行動が子に映る、ということを意識しなければ、とつくづく思ったものでした。「子どもを真ん中に置いた」つもりでいますが、やはり大人中心であったことを大いに反省させられている今日この頃です。そして子どもが自立しないのも親の責任、と反省する日々です。
「子どもを真ん中に」という言葉が気に入ってしまいました。ここからスタートすれば子どもも大人も無理をせずに自分らしくいられるんだろうな、と思いました。「子どものために」と思いすぎると力が入ります。「子どもを真ん中に」と思い行動すれば、変な力みは抜けそうです。「子どもを真ん中に」置いた生き方ができているか、見直してみようと思います。
「本箱があれば子どもの心をいつでも覗くことができる」という言葉も、なるほどと思わされました。今日はたくさんのあたたかい言葉に出会えました。