カラフル

 もうひとつ、オランダに行って少し考えてしまったことがありました。ホテルのすぐに「チボリ公園」があるので、時間を見つけて中に入ってみました。倉敷のチボリはどうかわかりませんが、入ってびっくりしたのは、色がとてもカラフルなことです。あちらこちらに原色が塗られています。メリーゴーランドの動物も、とてもカラフルで、赤や青や緑に塗られています。どちらかというと、カラフルというよりも、どぎつく見えます。やたらと原色を使い、落ち着いた雰囲気というか、しっとりした感じがありません。この公園には、いたるところに花壇があり花が植えられています。また、園内は木がたくさんあり緑豊かです。そこで、不思議な感覚に襲われました。花壇には、様々な花が咲き誇っています。真っ赤な花や、青や黄色、ムスカリなどは、鮮やかな紫に近い青い色です。また、園内の木々の緑は鮮やかです。その鮮やかな緑越しに真っ青な空が広がっています。ふと気がつくと、なんと、園内のカラフルに塗られた施設とまったく同じではありませんか。そのときに思い出しました。イタリアに行った時のことです。イタリアはとても古い町並みで、石畳に、レンガ造りとか石造りの重厚な建物が並んでいます。その中で、数人の子どもたちが学校から帰ってくるところを見ました。その子たちは、そのころはやり始めた「ベネトンカラー」のバックを背負っています。ベネトンというと、イタリアのデザイナーで、カラフルな色で売り出して有名でした。石畳の石造り、レンガ造りの町並みの中で、このベネトンカラーはなんとも違和感がありました。そこで、イタリアの人に聞いてみました。「なんで、このような町並みの中で、あのベネトンカラーが生まれたのですか?」すると答えは、「ベネトンカラーは、自然の色だからです。」私たちからすると、どぎついように見えるカラフルな彩りは、自然の色と移るようです。石や、レンガの色は死んでいる色、パステルカラーというのは、人工的な色だといいます。花にしても、木にしても、草、空、海、どれも原色です。私たちは、どうも、人工的な色とか、古くなった、色あせた色が落ち着く色だと思っている節があります。ということは、自然の中にいると落ち着かないということになってしまいます。そんな考えの中で、子どもたちは原色に触れなくなっています。日本の花も、日本人好みに品種改良され、パステルカラーのものが増えてきました。真っ赤な、真っ黄色なチューリップよりも、ピンク色のものが好まれます。金色の金閣寺よりも、銀閣寺のほうがいいという人が多くいます。たまに、原色の建物を作ろうとすると、景観を壊すといって反対運動がおきます。本当は、背景の緑が一番映えるのは、赤なのにと思ってしまいます。外国の幼児施設に行って、壁に飾ってある幼児の絵を見る地、大胆な色使いをする子がたくさんいます。真っ赤なウサギ、真っ青な象などよく見かけます。日本の子どもは、白いウサギしか描きません。もちろん、だからといって、原色の中にいると落ち着くわけではありませんが、色に対する偏見は捨てて、子どもにはいろいろな色を体験させたいものです。今の園を開園するときに、職員に色の偏見を捨ててもらおうと、外国の風景の写真とか、カレンダーとかを見せました。自然とは、なんときれいな原色をしているのだということを感じてほしかったのです。

カラフル” への5件のコメント

  1. 「本当は、背景の緑が一番映えるのは、赤なのに・・・」なるほど、そーなんだ、赤は緑で映えるんだぁ。今日のブログもとても勉強になりました。子どもの頃、ミッフィーの絵本を見てとても感動したことを思い出しました。なぜなら、それまで観たことがない青とか黄色とか白とか・・・つまり原色を見せ付けられたからです。いわゆる田舎暮らしですから「原色」に触れる機会がめったになく、なにせテレビも白黒で、カラーになっても映りが悪くて、それゆえミッフィーは強烈でした。そういえば、ミッフィーの白はやはり原色の白ですね。私たちが書く「白いウサギ」の白とは違いますね。好むと好まざるとに関わらず私たちはグローバルな世界に生きています。「原色」が何なのか相対化する必要があると思いました。いわゆる田舎に住んでいると原色は嫌がられますね。それでも昔と比べるとカラフルになりました。そうそう近年できたイタメシ屋さんの店先のバナー、確か真っ赤な色の周囲を緑で縁取っていました。その赤の面に店名が白抜きされていました。文明開化の感がありますね。

  2. 確かにヨーロッパを旅すると景観に対しての色使い方は、とても勉強になります。
    私の園でもなるべく、色に対する偏見を捨てて様々な感性を育てたいと考えます。
    私自身、空間に対して子ども達が感性豊かになるような空間作りを提案し、目から入る情報を大切にして、感性豊かな人生が歩めるような文化を築いていきたいと思います。

  3. 原色はどぎつい色、それ以外のやさしい淡い感じの色は自然な色。大雑把に言うとこんな風に思っていました。でもよく考えると原色が自然の色ですね。藤森先生の言われるとおりです。これも偏見なんだと気づきました。いろんな偏見をもってしまっているようです。素直にまっすぐに見なければいけませんね。
    外国の風景の写真は確かにきれいです。日本の風景がよくないというわけではありませんが、きれいな原色がたくさん使われています。好みの問題かもしれませんが、車の色は赤・青・黄は特に外車の方がきれい色を使っていると思います。

  4. ブログの内容に救われたような気持ちになりました。というのも私は原色と呼ばれる色を好む傾向があります。特に赤色とか黄色が好きで、手帳は黄色ですし、ダウンは赤色だったりします。剣道をしている時は手ぬぐいも、竹刀を入れる袋も赤色でした。そんな色を好むので、選ぶ物も自然とそのような色になっているのですが、周りからは「派手過ぎる」と言われることも多いです。パステルカラーが好きな人が多いというのはよく分かります。私もあらゆるものが原色という訳ではないですし、服などは落ち着いた色にしてほしいという奥さんの意見から、そういうものにしてはいるのですが、このブログから、派手な色を好む自分の存在も子どもたちにとっては必要なことなのかなと思えて嬉しくなりました。好む色はいろいろな場面や物によって違ってくることもあるとは思いますが、パステルカラーを好む人がいて、原色を好む人もいる。どちらも大切なことですね。そういえば、小学生の頃に写生大会である建物を真緑に塗って、みんなを驚かせたことがありました。見えている色がちょっと違ってたりするのですかね…

  5. 私は、生活雑貨などでいうと、どちらかといえば原色を避けるタイプです。原色はそのものの色が前に出過ぎて、他の色の印象を消してしまうと思っていました。しかし、本文にもあったように“原色を生かす原色もある”という事実から、いかに色に対する自分の偏見があったということを理解できました。自然が織り成す色は、もっと多様であり、全てを受け入れ、互いの存在によって活かされている色でもあるように思います。日本に古くから伝わってきている独自の色文化だけでなく、他国の色に対する姿勢などを知ることは、子どもにとっては色に対する感情の多様性までも生み出し、まさに「子どもにはいろいろな色を体験させたい」という気持ちにさせますね。

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