ショーウィンドウ

 私の子どものころのウィンドウショッピングを話します。ブログで書いた駄菓子屋だけではなく、地域にはその地域を形作る様々な店舗があります。その店は、駄菓子屋のように、どの地域にも同時期に見られる店をありますが、その地域しかない店もあります。私が子どもころ、幼稚園に通っていましたが、その道の途中に、とても興味深い店がたくさんあり、毎日いろいろな店を覗き込みながら通園したものです。今のように、車では通園しませんでしたし、時間に追われることもなく、寄り道をしながら行き帰りを楽しみました。そこから、人との出会いが生まれ、会話をし、店の品物を眺めることによって、生活の知恵など様々なことを学んだのです。車を使って、時間的余裕もなく、点で動くことの多い現代では、子どもたちは、学ぶ機会が少ないような気がします。幼稚園までの登降園途中の店の中で、特に私の心の興味をひきつけ、必ず覗き込んでいたショーウィンドウがありました。その店は、今でもあり、そのそばを通るときに、つい覗き込んでしまいます。このような店は、たぶん日本中どこにもないと思います。写りの悪い写真ですが、この店のショーウィンドウの中には何が展示されているかわかるでしょうか。
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 この店は、私の子どものころから営業しているというだけでなく、どうも、江戸時代からこの場所で、和漢薬店として営業していたようです。今の店としては、明治17年に創業されたそうです。扱っている品物は、子どもにとっては、神秘的であり、こわいもの見たさをかきたて、しかも、生きているのです。この店の「取扱商品」には、次のようなものがあげられています。「蒸焼・各種、強力 蝮(マムシ)蒸焼、深山 蝮(マムシ)蒸焼、縞蛇(しまへび)蒸焼、スッポン蒸焼など。マムシ蒸焼きは、マムシを姿蒸焼き(そのままの姿で蒸焼き)にし、それを砕いて粉末にしております。また、その場でこなすことも出来ます。黒焼も、イモリ黒焼、蝮(マムシ)黒焼、トンボ黒焼、なす黒焼、梅干 黒焼きなど、各種取り揃えております。」そして、注意書きとして、「日本産(国産)の材料を自社で加工し、販売しておりますので、商品の品質は通のお客様にもご満足いただけるものです。」国内産だそうです。こう、並べてみるとなんとも奇妙ですね。また、人間の知恵に感心します。漢方として、こんなものを工夫して食べようとしたこと、その勇気に感心します。また、この店では、生きた蛇や蝮(マムシ)、イモリなども販売しています。写真のショーウィンドウの中には、生きたシマヘビがたくさんはいっているのです。この店のブログもすごいですよ。ある日のブログにはこういう記述がありました。「また千葉へ行ってきました!茄子のヘタをとりに。ついでに蛇も!縞2蝮1ヤマカカシ1」いろいろな人、職業があるのですね。
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 この店のショーウィンドウを、小さかったころは、動物園で動物を見る感覚で見ていましたが、今見ると、こんな仕事もあるならば、どんな子でも、きっと自分に合う職業が見つかるような気がします。人は、いろいろなものに興味を持ち、特技を持っています。それを打ち消して、できるだけ平均的な人間に育てようとします。しかし、それは、本人にとってはとてもきついことですし、社会として損失かもしれません。この店の紹介をよんで、中には、気持ち悪いとか、こわいと思う人がいるかもしれませんが、そうではなく、もしかしたら、自分を生かす道、わが子を生かす道がどこかにあるかもしれないという期待が持てるような店ですね。

ショーウィンドウ” への7件のコメント

  1. 添付の写真、最初なんだかわかりませんでした。鉱石かなんか、と思ってしまいました。藤森先生のご幼少の砌の通園途中のお店ですから、勝手に地球物理学に通じる科学屋さんのショーウインドーを想起した次第です。ところが同じ科学でも生物学に通じるショーウインドー。私が子どもの頃、一升瓶にアルコール漬けされたマムシさんが我が家にありました。横浜で仕事をしていた時、スッポンの粉末を飲んでいました。中華街に行くと今日のブログのお店があったような記憶があります。「動物園で動物を見る感覚」・・・とてもよくわかります。なにせ、漢方薬屋さんやペット屋さんがとても好きですので、そこは私にとっての「動物園」でした。さて、閑話休題。田舎にいると「平均的な人間」にならないと暮らしていくのがとても面倒です。「でる杭」になってはいけないのです。ところが世の中は多様の世界です。若者たちは一斉画一を強いられる田舎を去って、みんな都会に憧れます。そして多様性の中に自己の夢を観るのです。「自分を生かす道、わが子を生かす道」をホンキで探したい、と今日のブログを読んで思いました。

  2. 点で動くことが多くなり子どもたちは学びの機会が少なくなっている。本当ですね。反省しなければいけません。目的地までたっぷり時間をかけ、寄り道をして、そこでいろんな発見があって…。子どもの頃は楽しい思いをたくさんしてきました。こういう時代だからこそ子どもに同じような体験をさせてあげないといけないと思いました。
    いろんな職業があり、いろんな道のプロがいて、いろんな人がいる。子どもたちのためにそんな社会にしてあげたいと思いながら蛇の写真を見させてもらいました。蛇のお店のHPも見てみました。すごいですね、特に黒焼きが…。私は苦手です。

  3. 爬虫類は好きです。友人がヘビを飼っていて、昔はよくヘビを首に巻いたりして遊んでました。
    世の中には、いろんな職業の方がいらっしゃいますね?。
    ただ、それがなかなか表に出にくいですね。
    タイムリーに、昨日、主人が、「なんで日本では、こんな仕事、あんな仕事があるってことを子どもに教えないんだろうね?」と言ってました。
    受験勉強ばかりでなく、たまには寄り道して、いろんな職場を訪問するなどの時間などを取った方がいいですね?。
    せっかくひとりひとり個性があるのに、平均を求めるあまり、その個性をつぶしてしまっては、もったいないです。
    子どもたちには、もっと、明るく楽しく夢や希望をもって、自分らしく生きていってほしいです。
    そんな世の中にするために、わたしたち大人がするべきことは沢山ありますね?。
    よ?し、がんばるぞ?!

  4. 今日のブログは、見たことのあるお店!ととても身近に感じ、読みながら頷いてしまいました。 
    まだ道路が舗装されていなかった時代から 大変目立つ看板で、もう蔵前だ!国技館だ! と 車で通るたびに目印となっていました。今は国技館が橋の先に移動してしまいましたが。 たまに研修で向かう途中寄り道をしながら見て 地震がきたらどうするんだろうとか、窓の厚さはどのくらい?と、変な見方をしています。 
    先生のように 「自分を生かす道、わが子を生かす道がどこかにあるかもしれないという期待が持てるような店」と、考える視点があるとは、思いつきませんでした。
    先生のブログは、幼い子ども達を一方方向の決め付けで見がちな職場で ふと振り返って別の見方を考える良い時間を与えていただいてます。

  5. 藤森先生が興味津々に蛇を眺める姿が思い浮かびました。いろんなものに興味を持たれ、いろんな事も知っている先生が幼い頃は爬虫類にも興味を持たれていたんですね。
    知人に蛇を飼っている人がいましたが、とても信じられませんでした。園でも夏には蛇が出ます。大体は男性職員が捕まえて捨てに行く事になっていますが、他の男性職員に任せています。だって蛇や爬虫類は大の苦手なんです!
    人には得意、不得意、好きなもの、苦手なもの、様々あると思います。今回のブログでもまたそんな事を教わったような気がします。

  6. 私が小学生だった頃の帰り道にはあまりお店はなかったのですが、寄り道をしてみたり、今日はこっちの道から帰ってみようと思ったりとゆっくり、ゆっくり帰ることも多く(遊ぶ約束がある時は走って帰っていました)、とにかく楽しかったのを覚えています。そんな中でよく分からない妙な物を見つけたり、人と出会ったり、野良犬に追いかけられそうになったりといろいろな経験をしました。今ではバスで家の近くまで帰っている子もいます。統廃合などにより学校から自宅までの距離が遠くなってしまうということもあり、仕方のないことでもありますね。その分、バスの中での会話であったり、遊びの時間が増えたりするのかもしれませんね。できるだけ平均的に育てようとしますとありました。平均的にすることで都合のいい子どもにしようとしているのでしょうか。何を一番大切にするのか、その部分だけは忘れないように、迷った時にはそれを思い出していきたいなと思います。

  7. 子ども時代に、より多くの職業を実際に目で見ることによって、それだけでも将来の幅が広がるのではとも思います。本でも、様々な職業紹介をする内容のものはありますが、直接目で見てあわよくば実際に体験するにまさるものはないだろうなと感じました。ショーウィンドウの先にある世界は、同じ世界にいるものとは想像できないくらいの生物であり、「こわいもの見たさ」を駆り立てたということでした。そこで、人はどうしてこわいものを見たいと思うのだろうと小さな疑問が生まれました。よく思い出してみると、子どもたちは“おばけ”であったり、“妖怪”などの少し身の毛がよだつようなお話を、耳を澄まして興味関心を持ってよく聞いていることが多々あります。将来、その恐怖に出会った時のためのシュミレーションとか即座の対応などのために本能が自然とそうさせているのかもしれないとも思いました。

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