学力

 昨日のブログで書いたPISAの学力調査の結果は、かなり各国で影響を与えています。日本と並んで常に上位を占めている国は、韓国です。韓国は、日本が下がってきているのに反して、相変わらず上位を占めています。少し前に、韓国の保育、教育事情を聞く機会がありました。テレビなどでみな知っているように韓国では、受験が過熱し、親が月収以上の教育費をかけてまで子どもの教育に入れ込んでいます。また、国を挙げて幼児からの英語教育を始め、早期教育が盛んです。その様子の報告を聞いて、日本のある女性の園長がこんな感想を漏らしました。「こんなに小さいうちからやらせるよりも、もっと、充分と遊び、いろいろな体験をすることが必要ではないか。子どもの目がきらきら輝くようなことをするべきです。」これに対して、報告をした人が、「今の日本の子どもたちは、やる気がなく、目が死んでいる場合が多いけれど、韓国の子達は、みんな目がきらきらしています。」また、これに反発し、「でも、この韓国の子達の将来が心配ですね。」と言う言葉に、「では、日本の子どもたちが受けてきた保育、教育の結果、今の若者は心配がないのですか?」韓国は、国を挙げて頑張ろうというエネルギーに満ちている気がします。そんな韓国だからこそ、PISAの学力調査で上位を維持しようと、今までの教育を見直そうとしているのかもしれません。今月の19日の朝日新聞に「韓国、「人間教育」に力 詰め込み反省、多様化の兆し」と言う記事が掲載されていました。「豊かな環境で自発性を養うフリースクールが存在感を増し、情操面を育む塾にも人気が集まってきた。」というのです。このフリースクールは韓国で「代案学校」と言われ、進学を目指す従来の学校の代わりに、主に自発性や感性を養う「全人教育」を目指しています。ここの授業は、理科系の科目は減らし、「自立」授業と呼ぶ農業や住宅建設、「感性」授業といわれる音楽や陶芸などに充てます。また、授業以外の運営ルールは生徒自身が決めるのも特徴です。教育人的資源省関係者は、「親たちは入試優先で暗記式の教育方針に満足しなくなり、入試準備と全人教育の両方を求め始めている」として、政府はこうした要望に応えようと今春、「開放型自律学校」という代案学校の趣旨を採り入れた高校をソウルや釜山など4カ所で試験的に立ち上げるそうです。 一方、「リーダーシップ講座」が人気で、課題解決能力を養成しています。リーダーといっても、本物のエリート育成が目的ではなく、グループの中での意見交換や役割分担を通じて課題を解決する過程を学ぶのです。「昔はガキ大将と子分の関係から人との距離感や役割分担を体で覚えたが、それを担う地域が崩れた。学ぶ機会がほとんどなくなった人間的な力の育成を親たちは求めている」と人気の背景を説明しています。白淳根ソウル大教授(教育学)は、「代案学校などの人気や論述重視の入試など一連の動きは、最近韓国でよく言われる「創意的な問題解決能力の重視」というキーワードにつながる。韓国社会が成熟化するなか、新たな考え方を受け入れる余地が生じた結果だ。」と言っています。コミュニケーション能力、問題解決能力はなど、これからの子どもたちに求められる力です。その力をどのようにつけていったらよいか、教育、保育の質を考え始めています。決して、それは教える時間を長くすることでもなく、体罰を与えて教えること事でもなく、その内容の見直しです。まず、幼児教育を見直さないといけないかもしれませんね。

学力” への6件のコメント

  1. かつて東南アジアや南アジアの国々を訪れる機会がありました。物質的生活レベルやその他の生活環境は日本のほうが断然優位に立っているのですが、子どもたちの遊ぶ姿や何かを学ぶ姿勢に感動を覚えました。遊びを嬉々として謳歌していることはもちろん、勉強することが好き、と至極当たり前に表現しました。そして自ら積極的に、しかも意欲をもって学習に取り組みますから、習熟度がどんどん増していきます。貧しさからの脱却、などという消極的な理由からではなく、学ぶことがとても楽しい、そうした様子でした。ですから、日本の学校のように教師のインストラクションについていく、のではなく、子どもたちの学習欲求を教師たちが満たすために教える、そうした環境があったような気がします。先日私のところに勉強しに来た小学校4年生の男の子に予習することを教えました。学校で教えられることより先を自分でやっていいのですか、と驚かれながら問い返されました。自分でやってみて、わからないところがあったら学校の先生に訊いてみればいいよ、とアドバイスをしたら、そんなことしていいのですか、とまた尋ねられました。大丈夫だと思うよ、と答えると、安心していました。学習意欲を育てる幼児初等中等高等教育が待たれます。

  2. いいわるいは別にして、韓国の対応の迅速さにびっくりです。
    日本では、どこが問題で何をどうすればいいかまで見えていても、行動に移さないことが多いですから・・・。
    本音と建前、控えめさなどが美徳とされる国ですから、仕方ないのかもしれませんが、子どもたちの将来を考えると、動くべきところは動かないといけませんね・・・。

  3. ●「それは教える時間を長くすることでもなく、体罰を与えて教えること事でもなく、その内容の見直しです。」●そうですね、日本の「再生会議」は、何を再生しようとしているのでしょうか。学力? それはこれから必要とされる力なのでしょうか。規律? 教育の中に体罰を入れれは゛規律が保たれるのでしょうか?●何をすればいいのか、具体策が私にあるのではありませんが、今日の韓国のお話と比べても日本の再生案は“表面的改革”に思えるのですが。

  4. 今回のブログを読んだだけですが、韓国の教育に対する思いやエネルギーを感じました。残念ながら日本では「国をあげて」というほどのものをまだ感じません。教育再生会議での「公立校の授業時間を現状より1割増やす」という提言には違和感を感じます。方向がどんどんずれていっているような気がします。日本の教育はどこへ向かっていくんでしょうか。

  5. ブログを拝見しました。NHK「日本の、これから」のディレクター清水真人です。この番組は一般市民による3時間の生討論番組でこれまでに「憲法9条」「いじめ」「年金」など社会問題を取り上げてきました。次回3月8日(土)テーマは「学力」です。
    昨今、日本の子供たちの学力低下が問題視されています。
    ゆとり教育の功罪。公教育・教師への不信感。無責任な親。やる気のない子供たち。地域社会の崩壊。原因は色々考えられます。
    番組では学力低下の背景を整理し、日本という国の将来を担う子供たちにどんな教育が必要なのかを徹底的に議論したいと思っています。国際競争に打ち勝つための優秀な人材育成に力を入れるのか、経済至上主義ではなく心豊かな大人に育てるべきなのか。学力を考えることは日本の向かうべき方向性を考えることにもつながります。
    番組では立場の異なる多くの方からの意見を募集しています。中高生も大歓迎です。25日夜より番組HPからアンケートに参加頂けますので、是非ご協力下さい。その際、「清水宛」と一筆下さい。宜しくお願いします。
    http://www.nhk.or.jp/korekara/

  6.  「学校の為ではなく、人生のために」NHKのシリーズ未来への提言で、フィンランドの元教育大臣オッリペッカ・ヘイノネン氏が東京大学の佐藤学氏との対談の最後に、未来を切り開く為のキーワードして書かれた言葉です。今の日本の子ども達はどちらのために勉強をしているのでしょうか。幼児教育でも子ども達のためのなのか、大人や園のために保育をしているのかわからない時があります。子ども達のための保育をやりたいですね。
     今週末の長崎での研修会、よろしくお願いします!!

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