1月12日の 読売新聞に、こんな記事が掲載されていました。「男は縄張りにこだわる」という目白大(東京)の渋谷昌三教授(社会心理学)のレポートです。高い緊張感を強いられる現代社会では、ストレスを完全に断ち切る時間がほしいと思うのが当然で、特に、職場で神経をすり減らす男性はなおさらのようです。また、神経をすり減らすのは、職場だけではなく、満員の通勤電車、渋滞する道路、込み合う繁華街……。いつも他人と隣り合わせでいるうちに「自分だけの空間に避難したい気持ちが強くなる」と言っています。これは、集団の中で生活するものの宿命かもしれません。しかし、集団で生活するというのは、人間社会では普通のことであり、一人でいるときに不自然を感じるのが普通ですが、その中でも自分の領分を持ちたいと思うようです。書斎のような小部屋やスペースを指す「DEN」という言葉が数年前、住宅業界で使われました。この「デン」というのは、本来は英語で、獣のすみか、穴倉を意味しますが、不動産用語では、お父さんのための書斎、隠れ家の意味で用いられます。特に広さや形、機能での基準はなく、住宅の中では小部屋を指し、趣味を楽しむための部屋や家事室として使用される空間も含み、使い方自由の多目的スペースをさす場合もあります。また、「アルコーブ」という空間も提案されています。アルコーブとは、部屋や廊下、ホールなどの壁面の一部を後退させてつくった空間のことで、たとえば、マンションの玄関前で、外壁面から少しくぼんだ形になっている空間の事を言います。この空間があることで、玄関ドアを開け閉めするときに共用廊下を人が歩いていてもぶつかりませんし、外からの視線が遮られるなどのメリットがあり、プライバシーを高めます。語源は、凹所を表すアラビア語です。建築用語では、部屋の壁を後退させて設けた付属的な入り込み空間、奥まった私室、書斎コーナー、床の間などもアルコーブの一種です。このアルコーブ、デンは、学校建築や保育園、幼稚園建築の中で、あるとよい空間として提案されています。2006年4月に開校した同志社小学校の校舎の説明文にこう書いてあります。「校舎内部は一つの巨大な空間になっています。広々とした自由空間は、子どもたち同士が自然な形でふれ合える場。「あそび」や「無駄」の空間が随所に散りばめられ、隠れ家のようなデンと呼ばれる空間が配されるなど、子どもたちの創造性をかきたて、夢がいっぱいに広がるような、温かい工夫がなされています。」ここに記されているように、子どもにとっても、広々とした空間と、隠れ家のような、もぐりこめるような空間が必要なようです。それに比べて、ほとんどの今の校舎建築は、なんだか貧しい気がしますね。子どもを閉じ込め、管理し、いっせいに教育をすることが効果的な空間を持った校舎、保育室は子どものためでないというだけでなく、人間のためでない、人格を尊重していない施設という感じがします。そういえば、1994年制作で、ケヴィン・コスナー主演の「八月のメモワール」という映画がありました。この映画は、私の好きな映画ベスト3に入っているものなので、その内容はまたゆっくりと書きたいと思いますが、その映画は、子ども達が、遊び場としての秘密基地であるツリーハウスを巡って争う事が物語の中心になっています。必死に守るために戦う姿は、その基地が子どもたちにとってとても大切なものであることがわかります。しかし、その大切なものは、戦いでは守れないのです。
確かに人間は集団で生活するものですが、それが自分の許容範囲を超えた場合は特に、自分だけの空間が欲しくなります。たった2日間ですが都会の人の多さを体験し、自分でもびっくりするくらい疲れてしまいました。1人になれたときは本当にほっとしました。都会で生活するには慣れが必要なんでしょうか。
最近は高齢者の施設などでも人格を尊重されていない施設のあり方を見直し、人間らしく生活できる建物が徐々に作られてきていると聞きます。学校や保育園などでも、教育や保育は重要だと思いますが、人間として人格が尊重されることがもっと重要なのではないかと思います。
「八月のメモワール」という映画は見た事がないのですが、「大切なものは戦いでは守れない」と謎めいた感じで締めくくってあるので気になって仕方がありません。この映画の話を楽しみにしています。
テレビのコマーシャルを観ていたら、「お父さんの書斎がある家」ということを女の子が言っていました。住宅のコマーシャルだったと思います。よく観ていないので詳細はよくわかりませんが、お父さんの願望を娘が代弁する、なんともこころあたたまるCMだな、と思いました。「あそび」の空間、「無駄」な空間、とても大切、と思いながらも、そうした空間をつくれるか、というと結構勇気が要ります。オープンにして状況に応じて自在に空間をつくり活用する。これからの居住空間の基本コンセプトと思いました。そういえば、子どもの頃近くの雑木林の中に「隠れ家」を作って楽しみました。落ちている枝や落ち葉を用いて作りました。できた「隠れ家」に入ると、別世界にワープした気分に浸ることができました。何とも奇妙な感覚を持ったことを思い出しました。
初めまして。
私は青葉区の住民です。
今朝新聞の折り込みにありましたタウン紙に、「家づくり豆知識」と言うコラム(?)があり、デンという言葉が載っていました。
浅学の私には初耳(!?)の言葉でしたので、ネット(デン 隠れ家)で検索しましたところ、貴HPにあたりました。
そこには、私の興味をひきました文面が!
嬉しく・楽しく読ませて頂きましたので、お礼まで・・・。