さいころ

 私が中学生に勉強を教えていたときに、よく出していた課題に「さいころを作ってくること」というのがありました。展開図を書くことで、立体を理解しやすくなります。それができると、もっとむずかしい課題を出します。それは、「20面体のさいころを作ること」です。これは、かなり難しいので、展開図を描いてあげて、それを作らせます。園の子どもたちにも、すごろくをやるときのさいころに、正6面体以外のさいころを使ってもらっています。我々の住む3次元の世界において正多面体は、正4面体、正6面体、正8面体、正12面体、及び正20面体の五種類があります。(いま、ホビー専門店などでこれらのさいころを売っています)これらのさいころを使えば、20までの数を使うことになりますし、二つ振って、それを足した数だけ進むこともできます。また、それでは数が大きくなりすぎるときは、4面体さいころを使います。このさいころは、1つの面に3つの数字を書き、底面でない残り3面に共通する数字が出目とします。また、14面体のさいころもあります。また、100面体さいころも売られていますし、10面体ダイス2個で代用することもできます。10面体2個を振り一方を十の位として他方を一の位として読みます(十面体ダイスには0から9までの数字が書かれているのです)。二つとも0の場合は、100と読み替えます。もともと、さいころは出る目が予測できないために、何かに迷ったときに使うことが多くありました。いわゆる「占い」に使われていたのです。そして、さいころの持つ偶然性がゲームにおける参加者の対等性、公平性を担保しており、賭博にもよく使われました。ですから、今使われている言葉のいくつかの語源になっています。たとえば、「ピンからキリまで」というピンは、ポルトガル語のPinta(点)に由来し、カルタやさいころの1の目のことで、キリは、ポルトガル語のcrut(十字架)に由来し、転じて10のことをさします。また、「思うツボにはまる」というときの「ツボ」はサイコロ博打の壺のことです。熟練の壷振り師の場合、思った通りのサイコロの目を出せることから、あらかじめ仕組まれたことが上手く行くことから、期待したとおりになることとか、予測通りにことが起こったさまのことを「思うツボ」というのです。また、「一か八か」は、運を天に任せて思いっきりやってみることをいいますが、やはりサイコロ賭博で使われていた隠語で、一は丁、八は半を意味し(丁・半の漢字の上部に一と八が書かれている)、丁か半か一挙に勝敗を決することをいった。これが転じ、一か八かは成功するかどうかわからないことに対し、運を天に任せて思いっきりやってみるという意味になりました。「裏目に出る」というのもサイコロ賭博から来ている博奕用語で、サイコロの一つの面の目とちょうどその裏側にあたる面の目との関係は、一の裏が六であるように、奇数と偶数の関係になっています。ですから、たとえば「丁」に賭けて「半」が出ると「裏目が出た」ことになります。最近よく使われる「ため口をたたく」という「ため」とは同目(ぞろめ)の意味で、同目から五分五分となり、それが同じという意味に変わりました。ですから「ため口」というと「年下の者が年上の者と同等の口をきく」という意味になります。出鱈目(でたらめ)もサイコロ賭博用語で、目はさいころの目を指し、「出たら、その目」というところから来たといわれています。「三下」というのも、さいころの目が三以下の場合は勝てそうにないことから、目の出そうにない者を言います。さいころは、ずいぶんと言葉を作ってきましたね。
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園にあるさまざまな「さいころ」

さいころ” への2件のコメント

  1. 正20面体を想像して少し頭が痛くなりました。作らされた覚えがあるのですが、展開図を見てもピンと来ませんでした。正20面体のさいころを見つけたら手に入れたいです。
    それにしてもさいころは奥が深いですね。知らないことばかりでビックリしました。いろんな種類のさいころを使ってすごろくをやるのもおもしろそうです。ちょっと試してみようと思います。
    さいころからこれだけ多くの言葉が生まれたことを考えると、さいころを使った遊びがどれだけたくさんあって人気があったか想像できます。言葉の意味から昔の人の生活を勝手に想像するのもなかなかおもしろいです。

  2. 「さいころ」から派生した言葉、結構たくさんあるのですね。「裏目が出た」は、あ~なるほど、賭博用語か、とさらっと納得できましたが、「ため口」や「出鱈目」にいたっては、思わず、うーっむと唸ってしまいます。サイコロ賭博、と軽蔑してはいられません。立派な日本文化の一つです。写真で掲載されている正20面体、なんか感動してしまいます。凄みも伝わってきます。それと、今日、とても驚いたのは、このコメントに取り掛かる前に、息子が正6面体の緑のサイコロをもって転がして遊んでいるのを発見したことです。これって、シンクロニシティー?臥竜塾ブログを見た・・・?不思議発見、でした。

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