良問

 今日は、センター試験でした。どんな問題だったのでしょう。この年齢になると、自分の今の仕事に関係のあるところしか普段触れていませんので、たぶんちんぷんかんぷんでしょうね。それなのに、そのころは一生懸命に勉強したものです。私のころはセンター試験はありませんでしたが、この試験を受けた人は、その内容を将来使うことがあるのでしょうか。本当に将来に役に立つようなことを問題に出してほしいものです。そのような問題をOECDのPISA(国際的な学習到達度調査)では模索しているそうです。ですから、00年に始まったPISAは、国際的な学力の指標として関心が高まっているのです。03年の第2回での日本の成績は、「科学的リテラシー(活用能力)」こそ00年に続いて2位だったものの、「読解力」が00年の8位から14位に、「数学的リテラシー」は1位から6位に転落したことが、今回の教育再生会議での学力低下論議のきっかけになっています。今年4月、全国学力調査が約40年ぶりに復活しますが、文科省は、PISA型学力の指導資料を作成するなどてこ入れを急いでおり、全国学力調査の問題もこの方針に沿って練られると見られています。この調査に先駆けて実施した予備調査の問題の一部を、昨年末に公表しました。最大の特徴は、問題文を読み取って自ら文章にまとめ、記述式で答える問いが含まれていたことです。この問題に対して、現場の教師に戸惑いが広がっています。どんな問題だったのでしょうか。たとえば、算数の問題では、複数のグラフと表を使って考える設定の中で、解答を求めるのではなく、その解答の「わけ」を書く設問でした。「一つひとつの問題は簡単だが、問題文とグラフ、表を読む力がいる。算数と言ってもまるで国語のようで、慣れが必要」といわれています。全国学力調査は、基本的な計算や漢字など「知識」の問題と、知識や技能を実生活で「活用」できるかを問う問題に分かれます。この問題は「活用」のほうです。 この問題が現場の教師には不評ですが、それと対照的に、塾の関係者や研究者では「良問」との見方が多いようです。全国学習塾協会の稲葉秀雄専務は、「?マークをいつも頭に浮かべるような思考の訓練が必要になる。答えの理由にまで踏み込むことが今後、学校の授業で重視されるだろう。各設問は基本問題だけに、解けなければ大人が問題を読んであげ、一つひとつ丁寧に解く訓練をすれば理解できるようになる」と言っていますし、東京学芸大の藤井斉亮教授(数学教育)は、「単なる計算だけでなく、実生活の生のデータで算数、数学が使えなければ意味がない。教室の外でいかす能力を見ている」と言っています。この予備調査では、中3の数学でも、表とグラフを一つずつ示し、「理由」を記述させる問いが盛り込まれていますし、国語では小6で、グリーンピースを説明する資料を基に、グリーンピースが健康に良い理由を放送原稿にまとめさせる設問がありました。世界の学力調査から、次第にテスト問題が変わろうとしています。将来を見据えて、子どもたちが生きていくうえで必要な力をつけていこうとしています。そんな中で、ただ知識だけを覚えさせるような、言ったとおりに動く子どもを作っているような保育、教育を行っているようでは、世界においていかれるでしょう。親たちも、子どもには、どんな力をつけてあげなければならないかを考えてほしいと思います。