すごろく

 今年の正月は天候が穏やかで、町は静かですが、どうも年々、新年を迎えたという実感はしなくなっています。それは家庭の中でも、テレビ番組でも、町の中でも、あまり、正月という気がしません。ただ、それは、私の個人的な郷愁もあり、必ずしも今の人にとっての正月のイメージは変わってきているのかもしれませんが。特に、最近はわが子が大きくなったので、正月の過ごし方が変わってきていますが、子どもが小さかったころの正月の屋内の遊びの代表に「すごろく」がありました。今でも、園では子どもたちはすごろくで遊んでいますが、家庭ではどうでしょうか。私の小さかったころは、新聞にしても、雑誌にしても付録にすごろくが付いていました。それを正月まで楽しみにとっておいて、正月になると、親といっしょにそれらのすごろくを片っ端からやった気がします。わたしは、このすごろくには、以前のブログで書いた「日本凧」を通しての様々な学びがあるのと同様、いろいろなことを学ぶ要素が入っている気がします。すごろくというのは、一般的に「さいころ」を振って、その出た目の数だけ駒を進めるというものです。そして、スタートするマスを「ふりだし」といい、ゴールを「あがり」といいます。このゲームは、歴史的にはかなり古く、我国最初の歴史書である「日本書紀」の、持統天皇時代に「禁断双六」と記述されています。たぶん、最初は、賭博性があったようです。ですから、何度も禁止されていますが、庶民に広まり、物語や古文書にも記されています。ただ、子どもたちがよくやるすごろくは、ふりだしから上がりまでがひとつのストーリーになっているものが多く、その経過が人生のようなので、出世物語のようなものが多かった気がします。そして、途中で、「一休み」があったり、戻ったり、いくつも進んだり、近道をしたり、抜きつ抜かれつのシーソーゲームの要素があり、興奮したものです。このゲームに学校教育の「算数」の基礎が入っています。進める数を決めるのに「さいころ」を使います。多くのさいころは、正6面体で、各面に「ドット(1は赤丸で、その他は黒丸)」で1から6まで描かれています。その描き方は、裏表は足して7になる数字で、左回りです。このドットによる数の表し方が、数を表す基本です。1種類だけで数を表すので、「1進法」ともいえます。まず数を数えるのに、最初は、そのものを並べて数えます。たとえば、魚を捕ってきたら、その魚を並べて数えます。しかし、それを並べると大変なので、それに対応する印にします。その印に、ドットを使ったり、学校では「タイル」を使います。さいころは、このドットを使って数を表し、上面に出たドットを数えて、その数だけマスを進めるのです。1年生で習う数の基本に「4者関係」というものがありますが、この「具体物」「ドットやタイル」のあとに、それを「数字」に当てはめることと、その読み方である「数詞」があり、その関係を結びつけることが算数の最初です。私の園でのさいころには、この4者で作られたさいころが用意されています。意外ですが、ミュンヘンに行った時に、ドイツ博物館のショップで、具体物(1には、葉っぱが1枚書かれています)と、漢数字で書かれた(一から六)さいころが売られていましたので買ってきました。あとは、厚紙で正六面体を作り、各面に「1?6」まで書いたものと、「いち?ろく」と書いたさいころを作って、それを使ってすごろくをやると自然と4者関係が理解できます。そのほかに、さいころにはいろいろな面白いことがありますので、あとは明日書いてみます。