外食

 いまや外食産業が時代の先端を走っている感があります。この「外食」とは、もちろん「外で食べること」ですが、なんとなく、マクドナルドやケンタッキーフライドチキンなどのイメージから、「外国の食べる文化」と思うほど、もともとがどこの国かわからないほど世界中で展開されています。しかし、もともとは、日本の「屋台」も外食かもしれませんし、「酒屋でつまみながらいっぱい」とか、「定食屋」「お好み焼きや」などというのも外食かもしれませんね。しかし、日本にファミリーレストランの歴史を作ってき、この「ファミリーレストラン」のフォーマットを開発したのは、日本の「すかいらーく」であり、創業者である横川4兄弟は、現在も、東京、そして、日本の外食界に大きな影響力を誇る外食界のカリスマなのです。1970年に「すかいらーく」、そして、ファミレスが始まりました。横川4兄弟(横川端氏 茅野亮氏、横川竟氏 横川紀夫氏)は、すかいらーく開業以前には、東京郊外で乾物商店「ことぶき食品」をオペレーションしていました。顧客思考が生んだ小分けパッケージなどのサービスが好評で、事業は成長していったのです。しかし、大型チェーンストア化の波が、1960年代に到来し、4兄弟は今後について思案します。そして、兄弟がターゲットを合わせたのが、「ファミリーレストラン」(いわゆる、ファミレス)だったのです。しかし、当時、「ファミリーレストラン」という概念はありませんでしたから、そういう言い方はしませんでした。今は一般名詞となったファミレスの根源は、すかいらーくが開発した業態にありますが、この業態のモデルは、アメリカのロードサイドのコーヒーショップにあるといわれています。ロードサイドコーヒーショップは、アメリカで発展した、車で移動する人向けにコーヒーとハンバーガーなどの軽食を出す業態です。これに、すかいらーくは、「ファミリーで楽しめる+充実したフード」という要素を追加し、「ファミリーレストラン」という今の形を完成させたのです。このときに開発したフォーマットとは、「駐車場(駐輪場)を完備」「立地は大規模幹線道路の脇」「気軽に入れる」という、アメリカのロードサイドショップが持つ特色に加え、「ファミリーで気軽に入れる」「誰でもなじみがあるハンバーグ、エビフライなどの洋食をリーズナブルで提供する」というスタイルです。ですから、ファミレスには、メニューに「ハンバーグ」があるのですね。もちろん、子どもが好きなメニューということもあるのでしょうが。このファミリーレストランというフォーマットは、すかいらーくが最初にオープンした東京・国立から、日本中に広まっていきます。また、すかいらーくの出店戦略も、不動産をはじめ多くの業界で使われていますが、外食業界ではあまり行われていない「リースバック方式」という方法をとっています。リースバック方式とは、地主にレストランを構築してもらい、それをある一定の期間、一定金額で借りる契約をし、多くの場合、地主は、土地を担保に建物を建設する資金を調達し、それを賃料で回収するという方式です。地主側のリスクも大きくなりますが、リターンも大きくなるこの方式は、すかいらーくが初めて大々的に行いました。これらフォーマットや戦略の成功は、日本人が伝統的に好きな横川四兄弟の「兄弟力合わせて」という結果で、「毛利3兄弟の矢」に続いて、東京で語り継がれている話だそうです。しかし、なんと言っても成功の秘訣は、時代を捉え、時代を読み取る力でしょう。