アドベント

 子どもたちにとっての年末の楽しみに「クリスマス」があります。それは、もちろん、プレゼントがもらえる楽しみですが、なんとなく雰囲気だけでも楽しみなイベントです。その楽しみな日が近づいていくのを、なにによって感じるのでしょう。園の周りの家々や、駅の周辺ではさまざまなイルミネーションの飾りがつきます。それぞれ特徴があり、お互いに競っているかのようです。
tamasenta.JPG
また、園には、大きな「もみの木」が飾られ、それぞれの年齢の子が作ったオーナメントがぶら下がっています。また、玄関先には、クリスマスまであと何日かを掲示し、カウントダウンしていきます。11月30日に最も近い日曜日(11月27日 – 12月3日の間の日曜日)からクリスマスイブまでの約四週間をアドベントといいます。この期間を、心清らかに過ごし、1日1日カウントダウンしながら当日を迎えるカレンダーがありますが、それを「アドベントカレンダー」とも「アドベントカード」ともいいます。おもに子どものいる家庭では、アドベントが近づくと12月1日から24日までの日付の1つ1つに小窓を付けたアドベントカレンダーを作ります。カードに作られた窓を1日に1つずつ開けていき、全部の窓を開け終わるとクリスマスを迎えたことを教えてくれる仕掛けになっているのです。北欧では「ユール・カレンダー」と呼び、古代の名称と習慣を踏襲しています。最近は、少し大きな本屋さんなどへいくと洒落たデザインのものを売っています。クリスマスツリーをモチーフにしたものや大きな石造りの家に沢山窓がついているものやサンタクロース乗っているそりに色々仕掛けがしてあるものなどさまざまです。1から24までの数字の書いてある窓を開けると、クリスマスにちなんだ絵が現れたり、中にキャンディやチョコレートなどのプレゼントが入っているものもあります。また、アドベントの期間中、日曜日ごとに1本ずつクランツのろうそくに灯をともしていくこともあります。イブのすぐ前の日曜日には、4本のろうそくすべてに灯がともり、「いよいよクリスマスだね」という期待が高まっていきます。園でも、よく壁面に「誕生表」が貼られていることがよくありますが、この誕生表は、子どもたちが、自分の誕生日が近づいていくことが楽しみに思うためのものでなければならないのに、4月に貼って、1年間ほとんど誰にも見向きもされず、ほこりにまみれ、色あせていくだけのものに、なぜ、4月に多くの労力と時間をかけて作るのでしょうかね。もっと、毎月楽しみに待つようなものを工夫して欲しいものです。
 町や家々を飾るイルミネーションも、宗教改革で知れるマルチン.ルターが礼拝の帰りに、常緑樹の間にきらめく星の美しさに心を打たれ、子どもたちのために再現しようと家の中にもみの木を持ち込み、火のついたろうそくを飾ったことがイルミネーションの由来と言われています。もみの木、またその仲間は葉を落とさない常緑樹(エバーグリーン)です。厳しいヨーロッパの冬は一面真っ白な雪に覆われ、その中でも葉を失わない常緑樹は、永遠の命の象徴とされ、尊ばれました。特にもみの木の枝は十字架のように広がっているので「聖なる緑の木」とされています。ドイツ地方の信仰ではそんなもみの木に花や食べ物を飾って、木に宿る小人がとどまって力を与えてくれるというものがありました。そこに吊り下げられるオーナメントがクリスマスのシンボルとして広く使われていますが、このアイディアを考え出したのは、アンデルセンだといわれています。クリスマスを必ずしも宗教的に行う必要はありませんが、もう少し、ただのお祭りとしてではなく、その意味を考えることで、保育のヒントがある気がします。