塔とタワー

先日、テレビで、リリー・フランキーの小説を原作にしたテレビドラマ「東京タワー ?オカンとボクと、時々、オトン? 」が放映されました。また、まもなくテレビ放送される映画に「ALWAYS 三丁目の夕日」があります。これは、建設中の東京タワーが劇中に登場します。私は、この映画を見ましたが(ブログに書きました)徐々に高くなっていく様子が正確に描かれています。今、ちょっとした東京タワーブームです。この東京タワーは、よく映画に登場します。そして、何度でも破壊されます。モスラの幼虫は、成虫になるためにここに繭を作り、怪獣ギャオスは巣を作りました。大怪獣ガメラやゴジラに破壊され、キングコングとメカニコングの決戦場となります。京都では、24日に市域全域で建築物の高さやデザインを規制する「新たな景観政策」案を発表しました。そこでは、建造物の高さ規制が強化されます。古い建造物が残っている京都では、ぜひ制限して欲しいと思っていますが、実は、人間というものは、昔から高いものにあこがれてきました。それは、バベルの塔に代表されるように、より天に近くなるからでしょうか。日本でも、この高さ制限をより強化しようとしている京都でも、五重塔に代表されるように、高い塔を作ってきました。そして、現代になると、天に近くなるというよりは、町を見渡す場所として、あるいはそれ自体がランドマークとして、その町の個性を浮かび上がらせるための建築になりました。東京、名古屋、大阪のそれぞれの都市には、その町のシンボルとして、東京タワー、名古屋テレビ塔、通天閣というそれぞれに個性豊かなタワーが立っています。しかし、高いものを立てるとなると、その構造が問題になります。高いと、倒れやすいからです。この三つの塔は今から約50年前に、一人の人物によって設計されました。NHKのプロジェクトXでも取り上げられたことがありましたが、設計者の名は内藤多仲というひとです。地震の多い日本の耐震構造理論を躍進させた人物で、建築の中でも構造が主役となる鉄塔を数多く設計した「塔博士」です。その中で、東京タワーは、正式名称は日本電波塔といいます。設計は、この内藤多仲と日建設計株式会社が共同でしました。およそ4000トンの鋼材と鳶職人の手作業により、1957年に起工し、わずか15か月で完成したのです。この途中が映画の中で描かれているのです。24日に、東武鉄道は、東京都墨田区の本社隣接地に2011年度の開業を予定している「新東京タワー」のデザインを発表しました。
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建築家の安藤忠雄・東京大学名誉教授と彫刻家の澄川喜一・元東京芸術大学学長がデザインを監修、日建設計が設計を担当したのですが、五重塔の中心部を貫く「心柱(しんばしら)」を鉄筋コンクリートで再現し、編みかご状の鉄骨が曲線状に周囲を取り巻く構造になっています。五重塔の構造を取り入れて耐震性・耐風性を高めるとともに、緩やかな曲線の外観で日本の伝統建築をイメージしたそうです。聖徳宗の総本山である法隆寺は、金堂や五重塔をはじめ現存する木造建築では世界最古といわれる建造物がいらかを並べています。その中で、五重塔は、木造塔として日本最古のもので、1300年以上もの間 幾多に及ぶ風雪、震災に耐え抜いて今もなお厳然と建つその姿は、工匠達の知恵と技術そして日本仏教の信念と情熱の結晶です。心柱は塔の構造とは独立していて、相輪を支えるためにのみ存在しています。結局は、昔の人の知恵に戻るのかもしれません。

塔とタワー” への6件のコメント

  1. 実は、私、高所恐怖症なんです。
    なので、高いところにあこがれる人の気がしれません。
    遊園地で一番怖い乗り物はもちろん、「観覧車」です。
    あの、ゆっくりと高所へ上っていくのがなんとも堪えられません。うー、コワイ・・・。
    法隆寺の設計は、阪神大震災の際も取り上げられてましたね。
    金属を一切使わない、すべて手作業のはめ込み式の造りだからこそ、揺れても、もとに戻るのだとか・・・。
    昔の人の方が、考える力は現代人よりも、持ち合わせていたのでしょうね?。
    風邪を引いたときなんかに、実感します。
    亡くなった祖母に教えてもらったしょうが湯やはちみつレモン、首にネギを巻く解熱法などなど・・・。
    こういったことこそ、後の世に伝えられるべきものなんでしょうね。

  2. デザインを監修された澄川喜一氏が島根県の方だと知って新東京タワーに親近感がわいてきました。興味をもつのは簡単です。
    新しい技術が次々と発明される現代でも、大事な部分は昔の知恵を必要とするのはとても興味深いです。現代でも通用する技術をどのように作り上げたのか、想像しただけでもわくわくします。変えてはいけない芯を大切にしながらいろんなことに挑戦して、いいものをつくっていきたいと影響されてしまいました。まだまだ先ですが、新東京タワーの完成が楽しみです。

  3. 新東京タワー、楽しみですね。5年後開業、ということは息子が9歳。一緒に行ってくれるかなぁ、ちょいと心配です。なぜなら、ウチの家内同様、高いところが苦手みたいです。ちょっと高い滑り台に昇っても上で立つことができません。僕は結構高いところ好きなのですが・・・。東京に名所がまた一つ誕生しますね。楽しみ、楽しみ。

  4. 新東京タワー建築予定地は、近所です。周りの景観も高層住宅が増え、激しい変わりようです。
    私は、高い所から眺めることは、好きですが、息苦しくなったり、外へ出ることが億劫になったりと住むことができません。
    それでも、新タワーは下が三角形で上層部にいくにつれ 丸みを帯びるというので 楽しみにしています。完成したら、混雑するのでしょうね。
    最近、園の遠足に、東京タワーの候補がありました。行った事がないから、行きたいという大人の意見でした。近くに住んでいるからこそ、何かのきっかけがないと行かないのでしょうね。雨の日の候補地だったので、まだ、東京タワーも行ってません。
     どちらへも、老体に鞭打ちながら、行くことを楽しみに、5年後の自分を想像してしまいました。
     

  5. 新東京タワーである東京スカイツリーを初めて見たのは、東京を走った時だったと思います。「おーあれが東京スカイツリーかー」と遠くから「うむうむうむ」と眺めていました。まだ目の前で見たことはないので、間近で見るとまた印象も違うのかもしれませんね。実は私は高い所は苦手です。ショッピングモールの2階から下を見下ろすのもちょっとですし、3階から見下ろすと腰が引けてしまいます。高速道路の高い部分を運転している時でもゾクゾクしてしまうことがあります。以前、誘われて福岡タワーに登ったことがあります。もしかすると大丈夫なんじゃないかと思い登ってみたのですが、あんなに腰が引けるとは自分でも思っていませんでした。窓に近づくこともできずに「怖い、怖い」と連呼していました。東京スカイツリー、登ってみたい気持ちもあります。どんな眺めなのか見てみたい気持ちもあります。実際にその高さに立った自分がどんな震え具合になるか見てみたい気持ちもあるのですが、きっとすぐに地上が恋しくなるんだろうなと思います。

  6. このブログが書かれた時には東京スカイツリーはできてなく、コメントを入れる時にはできている。何だか不思議な感覚とともに、時間の経過といものを直に感じます。スカイツリーの耐震構造に「五重塔」の知恵が活用されていたのですね。1300年たっても必要な知恵というのは、いったいどのように生まれるのかといったことにも興味を持ちます。また、「ALWAYS 三丁目の夕日」はいいですね。東京タワーが高くなっていく建設過程と連動して、下町に住む人々の暖かさや関わり、生きる楽しさといったものも増していくような感じです。タワーや塔が、人々の象徴のようになっていくというのも面白いです。“どこからでも見える”というイメージがいいのかもしれません。

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