裾模様

広島県廿日市市吉和のウッドワン美術館に行きました。この美術館は、平成8年に木質建材メーカーである株式会社ウッドワン(旧 住建産業)の所蔵する美術品約800点が展示されています。場所は、標高600mの高地の広島県北西部の西中国山地に位置し、原生林の残る自然豊かな好環境にあります。森林・小川・澄んだ空気の中で、周りを見渡すと、その所蔵品である絵画よりも美しいかと思われるほどの山々が見えます。このあたりの山は、広葉樹が多いことと、その種類がさまざまなので、紅葉の濃淡があり、それが夕日に映えてとても美しい姿を見せています。麓のほうは色の濃いかえでの木があり、それが山の裾の模様に見えます。近くに流れる川には、その赤いもみじの葉や、黄色く色づいた葉が浮かんでいます。という情景は、まさに4年音楽の歌唱教材にある「もみじ」(文部省唱歌・高野辰之 作詞)の歌詞そのものです。
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(1)秋の夕日に 照る山紅葉 濃いも薄いも 数ある中に 松をいろどる 楓や蔦は 山のふもとの 裾模様
(2) 渓の流れに 散り浮く紅葉 波に揺られて 離れて寄って 赤や黄色の 色さまざまに 水の上にも 織る錦
この歌は、1911年、『尋常小学校唱歌(ニ)』に発表された歌ですが、歌詞は、高野さんは、今は廃線になってしまった信越本線の碓氷峠の熊ノ平駅から眺めた紅葉の美しさをきっかけに作ったそうです。1番は、遠くから紅葉の山を見た様子が詠われていますが、2番では、もっと、もみじに近寄って、渓流にもみじが散って、それが流れている様子を詠っています。山の景色を裾模様に見立て、川に浮かぶもみじを錦に織られた模様と見立てています。昨日は、昨年のブログにも書きましたが、八王子市で「いちょう祭り」が行われていました。もみじと違って、いちょうは、美しい黄色い色を見せてくれます。先日行った「昭和記念公園」にも、ちょっとまだ緑の葉が多かったのですが、銀杏並木が続いていました。
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万葉集の歌に詠まれる「もみじ」は、漢字で書くと「黄葉」と書かれているものが圧倒的で、「紅葉」はごくわずかです。その理由として、「奈良時代には黄色く色づくものが注目されたためだ」、という説がありますが、否定的な説もあります。黄葉(もみち)を詠んだ歌は100首を越え、「万葉集」には76首あるなかで、紅葉を詠んだものは6首だけです。つまり、この時代は、黄色の葉の方が好まれていたようですが、赤い色はとてもいきれいだと思うのですが。先日、津和野で、「にしきぎ」という木を見つけました。
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今の時期、この木は、真っ赤に紅葉しています。この木は、秋の紅葉が美しいことから漢字で書くと、「錦木」と書きます。また、晩秋に赤い実をつけた姿は風情があり、野鳥たちも好んでこの実をついばみにやって来ますが、やはり、なんと言っても葉の赤くなった様子が好まれるようです。また、山錦木(やまにしきぎ)は、真弓(まゆみ)壇とも書きます。樹質は硬いが柔軟性があるので、昔この木で弓を作った事から「真弓」になったそうです。赤や黄色の美しい秋ですが、こんな小宇宙を表現したものに、「盆栽」の世界があります。やはり、昭和記念公園で、秋の盆栽展が開催されていました。ここは、1年中盆栽が展示されている場所ですが、その季節ごとに展示が変わり、今は、見事に日本の秋の風景を表現しています。
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裾模様” への2件のコメント

  1. 本日のブログのタイトルは「裾模様」とあります。これはいよいよコメントできない内容かと思いながら読み進めると、なんとも美しい写真の数々。思わず、ふぅ~っ、と溜息を吐きました。ウッドワン美術館の津和野・鷺舞のオブジェと紅葉の共演が何とも良く「にしきぎ」「盆栽」の写真、とても美しいと思いました。万葉の世界では「もみじ」が「黄葉」と書かれていることをご紹介頂きました。「もみじ」といえば「赤」と相場は決まっている・・・と思いきやそうではありません。「黄」ということもあることを知り驚いています。盆栽、見事ですね。水遣り如何で姿形がだいぶ変わるのだそうです。私の父が盆栽に凝っていましたが、息子の私は全くと言って関心がありません。それでも、観るのは好きですが・・・・。

  2. もみじの歌詞をじっくり読んでいてびっくりしました。ひらがなの歌詞しかみたことがなかったのもありますが、「楓や蔦」だとは思わず「楓ヤツタ」というものがあると思っていました。30年近く勘違いをしていました。恥ずかしいことです。
    それにしてももみじの歌詞はいいですね。秋の景色が浮かんできます。季節によって自然の変化をいろいろ楽しむことができる日本の気候にあらためて感謝します。

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