引き売り

 今日は、先日お芋掘りに行って掘ってきた芋を、みんなで、園庭で焼いて食べました。昔だったら、たきびに暖まりながら、その中に入れたサツマイモをみんなで食べるというイメージなのでしょうが、今は、落ち葉たきは煙があまりにあがるので、近所迷惑ということでできなくなりました。そこで、キャンプファイヤーのように木をくべてのたきびです。その中に入れるサツマイモも、今は、アルミホイールに包んでから入れます。それでも、そこで焼いたサツマイモは、とても甘く、子どもたちは、みんな「美味しい、美味しい」と言って食べていましたし、近所の親子で参加した人たちも、こんなに甘いお芋はあまり食べたことがないということで、とても評判がよかったです。しかし、その評価は、その畑の芋にあったのですが、実は違うのです。この焼き芋は、石焼き芋と同じで、間接的にゆっくり加熱することで、アミラーゼ(デンプン分解酵素)が、デンプンをブドウ糖に変えるため、通常の焼き芋よりも甘く仕上がるのです。また、石焼き芋は「甘い」ということから「食べると太る」という誤解が多いのですが、実際には砂糖ではなくデンプンの甘みなのでむしろ健康によいと言われています。
 石焼き芋といえば、ちょうど昼ごろ、園の外で「石や~きいも~!ほっぺが落ちてもしらないよ…」という声が聞こえてきました。今は、軽トラックに乗せて、1年中売りに来るでしょうが、私の子どもの頃は、冬の寒い日に、リヤカーに専用の釜を積み、独特の節回しで呼びかけながら売り歩きに来ました。そして、母親に「買ってきて!」といわれ、急いでリヤカーの後を追いかけて、注文すると、アツアツの石焼き芋を新聞紙にくるんで、渡してくれました。それを家にもって帰り、家族皆で、フウフウ言いながらほおばったものでした。そのころの昭和30年代から40年代に掛けては、石焼き芋屋の最盛期で、当時の売り子は東京だけで2千人以上もいたといわれています。経済の高度成長の波に乗って伸びてきたのですが、昭和45年の大阪万博を機に、海外のファストフードの有力企業がわが国に続々と上陸し、いたるところに店を出したために次第になくなっていきました。ひとつ冬の風物詩がなくなった気がします。この売り声は、ほかにも「石や~きいも~、いも!」というのもありますが、子どもの頃は、単に「石やき~いも~!」と言っていたような気がします。同じ、引き売りの声で思い出すのが、「なっと~ なっとなっと なっと~」という納豆売りの声です。そして、たぶん、これは朝売りに来たような気がします。朝ごはんのおかずにしたのでしょう。ですから、納豆売りの声が聞こえると、朝起きるというような目覚ましにもなっていました。しかし、反対に、夕方になって、そろそろ家に帰る時間だと教えてくれた音に、豆腐ラッパの音がありました。「プープー」とあの独特のラッパを吹きながら、自転車で豆腐を引き売りしていた姿を思い出します。昭和30年代の物売りは、かなり地味でしたが、今にくらべたら、ずっと味がありました。リヤカーとか屋台とか大八車とかいうような人がひっぱり、歩いて売り歩いたので、ちょうど追いかけるには都合の良い早さでした。また、豆腐屋とか、紙芝居屋は、自転車に乗せてきました。売り声もそれぞれ独特で、今でも耳に残っています。声だけでなく、豆腐屋のラッパ、紙芝居屋の拍子木、それらの音や声は、私たちの生活に密着していましたね。

引き売り” への4件のコメント

  1. 引き売りで記憶にあるのは、魚をリヤカーで売りに来ていたおばちゃんくらいです。ラッパもかけ声のようなものもなかったのですが、味がありました。いろんな引き売りを知っている人をうらやましく思います。
    生活の中に浸透している音や声は、単なる音や声とは違うと思います。人や地域のあたたかさがあったように思います。今の子どもたちはあたたかい声や音を感じることができているかなどと考えてしまいます。
    みんなで作った焼きいも、おいしかったでしょうね。焼いもを作るとき、早く作りたいので直接的にすばやく加熱したくなってしまいますが、どうやら我慢が必要みたいですね。せっかちなので向いていないかもしれません。

  2. こちらはまだまだ田舎なので、未だにお魚を売りに来られます。昨日も鯛を4尾買いました。(25センチくらいの鯛が4尾で400円ですよ!安いでしょう?)刺身にして、残りはお味噌汁です。鯛のお味噌汁はおいしいですね~。私の好物のひとつです。
    納豆も売られていたなんて、ちょっと驚きました。
    あさって、うちも芋ほりに行くのですが、近所迷惑になるため、火をたくことができません。掘ってきたお芋はふかし芋にしたり、給食につかったりしています。
    私がちいさいころは、園庭で、冬になると毎日のように、たき火で芋を焼いたりしてたんですがね~。
    寂しいですね。

  3. 引き売り、と言えば、なんといっても「たけや~、さおだけ~~~」の物干し竿売りです。小学生の子どもたちが喜んでマネをしています。横浜に住んでいた頃も「たけや~、さおだけ~~~」、そして現在岩手に住んでいても「たけや~、さおだけ~~~」です。全国どこへ行っても「たけや~、さおだけ~~~~」という感じがします。お魚売りも来ます。クリーニング屋さんも来ます。リサイクル屋さんも来ます。いずれも大音量でし~んと静まり返る家々にアッピールします。わが子がまだ赤ちゃんの頃、演歌をガンガンに流しながら売り歩く魚屋さんの軽トラには閉口しました。せっかく寝付いたと思ったら、演歌やら民謡です。それにわが子の泣き声が混じって、何ともいえない騒々しさを経験したものでした。

  4. 2009年4月15日の朝のニュースのなかで
    不景気の中で「引き売り」で年商何億とか。会社組織で20代の若い社員で儲かっていると。ニュースでやっていたよ。
    決まった時間に来ていいとか出かけなくていいとか物がいいとかで重宝してると。
    売りに行かなければでめだ。店頭に並べて客が来るのを待つようじゃ商売にならない。釣りのようなものだ。

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